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管理会社の上手な選び方④ ~メンテを提案されていますか?~

何年か前の夏に、知人に誘われて、ある地方都市の花火を見に行ったことがあります。
たしか、「〇〇まつり」のクライマックスの日曜日で、場所は一級河川にかかる有名な橋の付近だったと思います。
きっと、川べりや川の中に設置した打上場所から、花火職人さんが何日もかけて用意した「花火玉」を、汗だくになりながら点火していたのでしょう。
その姿を、僕たちが目にすることはありませんでしたが。

主催者は、商工会議所と市役所、そしてスポンサーとしての地元の企業です。
市民に楽しんでもらうための、年に一度の人気イベントです。
実は、ここには「三角関係」が形成されています。
「主催する人」と、「見て楽しむ人」と、「花火を打ち上げる人」の3者による三角関係です。

主催者は「市民に楽しんでもらう」ために、腕のいい「花火職人」を選びます。
自ら、花火を用意して打ち上げることはありません。
花火職人は、集まった市民の「喜んでいる反応」を間近に感じながら、一所懸命に打ち上げます。
その経験を、来年の花火玉に込めるでしょうし、主催者に新たな提案もするでしょう。
そして市民は、大きな歓声と拍手と笑顔で応えます。
それを見て主催者は、来年も続けようと決意するのです。
このように、「いい三角関係」が形成されて、日本の各地で、来年も花火大会が開催されていきます。

賃貸経営にも、このような「いい三角関係」が必要だと思われませんか。
主催者としてのオーナーと、花火職人のように専門技術を発揮する管理会社と、そこで暮らす入居者さんとの三角関係です。
重要なのは、入居者さんに「快適に暮らしてもらいたい」と思うオーナーの気持ち、入居者の反応を間近で感じながら、オーナーの気持ちに応える、専門技術を持った賃貸管理会社の存在です。
それが実現すれば、多くの入居者さんは「長く暮らす」という反応を見せてくれるでしょう。こんな「三角関係」を目指したいものですね。

その専門知識や技術から、オーナーに対する様々な提案が賃貸経営には必要です。
その中に、「メンテナンスの提案」があります。
花火を打ち上げるにも予算が必要になります。
メンテナンス工事にも、お金がかかります。
可能であれば「すすんでお金をかける」ことはしたくないですよね。

では、メンテナンス工事は何のために行う必要があるのでしょうか。
ひとつめは、「建物と設備の維持のため」です。
人間の体と同じように、定期健診をして、悪くなる前に処置をすることが欠かせません。
それによって、性能を維持しつつ、合計の費用を抑えることができます。

ふたつめは、「事故の防止のため」です。
不慮の事故が起きないように、安全な建物と設備である必要あります。
オーナーが訴えられるという、最悪のリスクを防がなければなりません。

みっつめは、これが一番かもしれませんが、「入居者に快適な暮らしを提供するため」です。
「何が快適か?」は、間近で反応を見ている管理会社が、一番に知っているはずです。

三角関係が、うまく形成されていれば、効率のいいメンテナンス工事が提案されて、オーナーが納得して「ゴーサイン」を出し、入居者は笑顔で応えてくれます。
その笑顔は、必ず収益を増やすことに繋がるはずです。
腕のいい花火職人も、主催者に、「市民に喜んでもらえる花火」を提案するはずです。
メンテナンス工事の提案は地味な仕事ですし、決してオーナーに歓迎されることはないかもしれません。
でも、「管理会社の上手な選び方」のひとつとして、この提案が「しっかり」出来ているかどうかは、重要な「物差し」であると思います。

 

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