空室対策の中で一番大切なのは「現在の入居者さんに永く住んでもらうこと」です。
そのために「定期巡回点検」と「日常清掃」と「修繕計画」が必要になる、というのが今回のお話です。
「定期巡回点検」と「日常清掃」をオーナーさんの物件では実施されていますか?
「修繕計画」を用意されていますでしょうか?
まずは定期巡回点検です。
定期巡回点検とは、賃貸物件の「建物・設備と敷地内」に異常がないかを定期的にチェックするものです。月に1回~2回の現場点検を行います。
定期巡回点検の目的の一番目は「不良個所」を早く見つけることにあります。
具体的には、鉄部の塗装、外壁や通路の状態、各設備の稼働状態などですが、例を挙げればキリがありません。
異常がある場合は早めに処理をすることによって「余分なコスト」を防ぐことができます。
これは「予防メンテナンス」といいますが、人間が健康に暮らすための「健康診断」と同じことです。
オーナーさんも定期的に健診を受けておられることでしょう。
二番目は、施設内の人間に危険な状態が生まれていたら、それを取り除くことでリスクを軽減します。
大げさに感じるかもしれませんが、賃貸物件内では、「すべる、転ぶ、転落する」などの事故が起きる可能性があります。
床や階段、「手すり」の状態や高さなどに、そのリスクが「いつ」宿るかもしれません。
ひとたび起これば、オーナーが背負うものは小さくありませんね。
定期巡回点検は「月に一度か二度」ですが、もっと頻度を多くして現場に足を運ぶ必要があります。
それが「日常清掃」です。
誰でも、綺麗で整頓されたところで暮らしたいと願うでしょう。エントランスや通路にゴミが落ちていたり汚れていたら、気持ちよく暮らせませんね。
自宅なら、自分で玄関から舗道まで掃除するのは珍しくありません。
でも賃貸物件の入居者は「それは自分のやることではない」と思っています。
(勝手に掃除されても困りますが)
「入居者に永く住んでもらう」のに、日常の清掃は欠かせないのです。
では、その頻度は?
少なくとも「週に一回」は実施したいですね。
日常清掃の頻度が高くなれば、それだけ現場に足を運ぶことになります。
通路に私物を置いてあったり、ゴミ集積場が乱れていたり、自転車置き場が乱雑になっていれば、すぐに対処することができます。
これらの行為も「永く住んでもらう」ことに繋(つな)がります。
もし、オーナー自ら、週に一回の日常清掃ができるのでしたら「それに越したことはない」と思います。
でも、何年間もずっと続けるのは簡単ではありません。
休まずに続けることが大切なのです。
他人(ひと)に依頼する場合は、多額の費用をかけると収益を減らしてしまいます。
低い費用負担で行えるような工夫が必要になります。
定期巡回点検と日常清掃によって、現場に定期的に足を運ぶことになります。
不具合があれば修正するのですが、そのタイミングの「目安」があると便利です。
それが「修繕計画」です。
「修繕計画」とは、建物や設備ごとに、補修や交換や取替えの必要時期を、あらかじめ予想した計画書です。
つまり、最初に計画があり、現場点検によって検証しながら、実際に修繕を実施するベストタイミングを決めることができます。
それにより費用負担が効率的になるのです。
また、必要な費用も算出されていますので用意しておくこともできます。
賃貸経営の目的のひとつは「収益をあげること」です。そのためには、できるだけ運営費用を効率よく使う必要があるのです。
運営費の大部分はメンテナンス費用ですから、修繕計画と、現場点検による検証が欠かせないのです。
そのうえで、入居者に永く快適に暮らしてもらうことができれば、さらに「収益をあげる」ことに繋(つな)がります。