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【賃貸経営塾】正しい空室対策の3つのキーワードとは?

今回の記事はは空室対策の基本です。

「いまさら」と思うかもしれませんが、
場当たり的な手段を避けるためにも、
基本を振り返るのは無駄ではありません。
 
空室対策を狭義で考えると
「目の前の空室を埋めること」と理解されるかもしれません。

たしかに1年以上も空いている部屋なら、
「何とか埋めたい」と考えるのは当然ですから、
そのときに考えつく対策を講じることもあるでしょう。

しかし、正しい空室対策は長期で考えるべきです。

目の前の空室をとりあえず埋めることではなく、
一定期間の賃貸収益を最大にするための方法、
と定義付けてみてください。

そのためのキーワードを3つ 解説いたします。

 
ひとつめのキーワードは「稼働率」です。

空室率よりも稼働率を重視

空室率とは、10戸のうち2部屋が空いてたら「空室率20%」と計算します。

2部屋が埋まれば0%になり、
3部屋が続けて空けば30%に上がります。

数値が極端に変わるので経営指標としては不向きですよね。

対して稼働率とは、一定期間(たとえば365日)に、
全部屋がどれだけ賃料を稼げたか、という指標です。

年間の稼働率は、
「各戸の各月の入居日数の合計÷(12カ月×戸数)」
で計算できます。

でも「各月の入居日数の合計」という計算が簡単ではありませんね。

たとえば101号室が、1月から10月まで入居していて、
11月15日の退去から年末まで空室なら、

入居日数の合計は、
304日(1月から10月までの日数)+15日(11月の退去日)
で319日となり、

それを年間365日で割ると稼働率は87.4%になります。

この計算を全戸でして総計すれば年間の稼働率が算出されます。

面倒な計算ですが、成績を正しく評価できなければ、
有効な改善策はみつかりません。

その正しい成績を知る指標が稼働率です。

実力を正しく知ること
 
2つめのキーワードは「適正な賃料査定」です。

上記の稼働率は、適正な賃料査定と相関関係にあります。

もし適正賃料よりかなり低く設定して募集すれば、
稼働率を高くできるのは当然ですが、賃貸の総収入は増えません。

適正賃料よりかなり高くして募集したら、
特別な理由がない限り稼働率は低くならざるを得ません。

まず適正に査定された賃料を知ることが出発点になります。

たとえば募集中の部屋の適正賃料を100と査定できたとします。

同じようなライバルが近隣の地域で何部屋も募集中です。

部屋を探しているお客様に限りがあるので、
なにか特徴を打ち出す必要があります。

そこで募集賃料を95にすることで、
同じような物件の中で安さを打ち出して募集する。

重要なのは、実力が100のところを95で募集する、という点です。

あるいは、募集賃料は100のままで、
1~2カ月のフリーレントという募集条件とするのも選択肢のひとつです。

また、賃料の1~2カ月分の予算で設備をレベルアップして、
募集賃料は100のままで他物件と差別化して募集する。

賃料の5~6カ月分のリフォームで他物件と一線を画して、
募集賃料を105か110にする。

何百万円もの予算でリノベーションして、
賃料を120か130に上げて募集することも選択できます。

いずれにしても、現状の実力である
100という適正賃料を正確に把握することと、
対策後の成績を稼働率で正しく評価しなければ、
この決断の良否を知ることはできませんね。

それをお客様は求めているか?
 
3つめのキーワードは「マーケットを掴む」です。

マーケットとは、いま この地域で
どんな部屋が求められているか、ということです。

上で説明した、適正賃料より少し募集賃料を下げるとか、
1~2カ月分のフリーレントサービスや設備のレベルアップ、
もっと高額のリフォームやリノベーションという対策も、
地域の需要と合っていなければ、良い稼働率に繋がらないでしょう。

このマーケットについては、
じかにお客様と接触している不動産会社なら
知っているはずですから、データなどを元に、
ご一緒に検証してみてください。

具体的ノウハウは最後でよい
 
空室対策というと、「○○を○○したら部屋が決まった」
という具体的なノウハウを期待されると思います。

そのような情報は多く流れているので知ることも容易だと思いますが、
大事なのは、それがオーナー様のマーケットで求められているか、
ということと、

出発点となる物件の実力が正確に把握できているかです。

そして、手段がいくつあっても、募集する部屋は限られていますから、
どれか1つを選択するしかありません。

それが良かったかどうかは、
その後の数年の実績をみないと分かりません。

その指標が稼働率です。

この3つのキーワードも、
ぜひ今後の賃貸経営のなかに取り入れていただきたいと思います。

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