今年も繁忙期に入ろうとしています。
対策はすでに昨年暮れから始まっていますが、
満室に向けて手抜かりはないか、
10のチェックリストにまとめてみました。
1.退去予定を少しでも早く知る
一年で解約が多いのは3月です。
解約通知は1カ月前という契約が多いので、
借主がギリギリに通知すると、
退去を知るのが2月に入ってからになります。
そこから原状回復工事、募集条件を決め、
リフォームや設備の交換となると、
募集期間が短くなっていきます。
契約期限が3月の借主には早いうちに「更新の確認」をする、
全世帯に3月退去の可能性をお尋ねする、
3月に限って早期通知してくれた方に何らかのサービスを与える、
などの対策をとっているでしょうか。
2.自身の物件の実力を正確に知る
賃貸物件の実力は、
地域における需要、物件タイプ、
築年・構造・付帯設備などの諸条件、
同時期に募集しているライバル物件の有無、
という要素で構成されます。
一方で、
その実力を正確に査定できる不動産会社は多くありません。
高すぎる評価はお客を取り逃がしますが、
低すぎる評価も大家様の損失につながります。
「正しく評価する」ことが、
適切な募集条件を決める出発点になります。
3.募集条件に特徴をもたせる
つぎに、募集条件に「特徴」を持たせましょう。
特徴とは、お客様が物件を決める時の「理由」です。
「自分の物件は、立地や築年や間取タイプなど、
特に特徴などない」という想いがあるかもしれませんが、
どんな物件でも特徴は作れます。
「相場より数千円安い」のも特徴です。
「全部屋にエアコンが付いている」のも特徴です。
まずは、ネット上で見つけてもらうために、
どんな特徴を持たせることができるでしょうか。
4.ネットで物件を100%アピールする
どんな特徴を持たせても、
お客様が見つけられなければ、
内見の確率の半分以上を失うことになります。
物件の特徴を100%アピールできるように、
WEBサイトに登録しておく必要があります。
もし、写真撮影に自信がおありなら、
ご自身で撮って、不動産会社さんに提供してもいいと思います。
動画編集がご趣味なら活かせますね。
キャッチフレーズも大事です。
説明文で、特徴のすべてを言い尽くすように依頼してください。
5.内見の数を増やすという意識
入居までの手順は、
反響 → 内見 → 申込 → 契約 です。
反響があっても内見につながるとは限らず、
内見しても申し込むとは限りません。
ここが不動産会社によって差が生まれるところです。
ネット掲載を「見つけてもらうため」と書きましたが、
「興味を持ってもらう」という目的も重要です。
興味の対象は貸室だけでなく、
共用部分や外観、そこに至る道程や地域のすべてになります。
お客様に「行ってみたい、見てみたい」と思わせるような募集をすべきです。
6.外観と部屋に至るまでの見栄えを整理する
お客様が内見に訪れる時、
最初に目にするのは外観です。
つぎにエントランスから部屋に至るまでの通路や階段を歩きます。
このときからお客様の評価が始まっていますから、
良い点数がとれる工夫をしたいのです。
少なくとも、郵便受けや通路などにゴミが落ちている
などのマイナスポイントは除去しておきましょう。
7.お部屋に気に入ってもらう工夫は?
内見に訪れたお客様に、
「この部屋で暮らしたい」と感じてもらう工夫をしましょう。
玄関のマットやスリッパ、
部屋に明るい印象を与える照明、
生活感を演出するカーテンなどをセットすることも検討してはどうでしょうか。
大家様が定めた特徴や、
小さな利点にお客様が気付くように、
メッセージなどを掲げるのもアイディアです。
8.定期的に空気の入れ替えをする
人が暮らしていない締め切りの部屋には
空気のよどみや異臭を感じます。
せっかくネット反響から内見につなげて、
外観やアプローチで点数を稼ぎ、
スリッパやカーテンでイメージアップしても、
この空気と臭いという失点は勿体ないですね。
日祭日や内見予約のある平日は、
事前に空気を入れ替えて、
玄関ドアも少し開けておく手数も無駄にはならないと思います。
9.オーナーからメッセージ・プレゼント
お部屋内に、
大家様からのウェルカムメッセージがあると、
お客様の気持ちは和むことでしょう。
さらに、
「このお部屋に暮らす方にプレゼント」として、
たとえ数千円の商品(引っ越しグッズやトイレットペーパー類とか)でも、
ライバルとの差別化になります。
10.交渉に備えて裁量を与えておく
営業スタッフはお客様に即決してもらいたいと考えます。
しかし、気に入っていても「検討する」と決断を伸ばしたり、
「家賃は〇〇円にならないか?」と交渉するお客様もあります。
ある程度の裁量を与えておけば、
「いま決めれば、責任を持って、
大家さんから許可をとります」と、
決断を誘導できる不動産会社もあります。
最初から「サービスありき」ではいけませんが、
もし、ある程度のサービス幅があるなら(あるいは決めておいて)、
不動産会社に委ねてみてはいかがでしょうか。
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