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新型コロナ収束後に入居者需要は変化したか?

オフィス回帰傾向でテレワークはどうなる
 
コロナ禍では、
人との接触を避ける新しい生活様式が採用されました。

なかでも会社に通わず自宅で業務を行う「テレワーク(リモートワーク)」が
多くの企業で導入されてきました。

しかし、
昨年末から社員の出社頻度を高める企業が増え出して、
オフィス回帰という言葉を耳にする機会も増えてきました。

やはり、テレワークは一時の緊急対応だったのでしょうか。

実は、そうとは言いきれない調査結果が発表されています。
お部屋探しにも大きな影響があるテレワークの現状について調べてみました。

着実に根付いたテレワークできる部屋探し
 
333社の賃貸不動産仲介店舗に、
2023年1月〜3月の賃貸繁忙期についてアンケートをとったところ、
お部屋探しのお客様の中にテレワークが根付きつつある現状が
見えてきました(調査機関=リーシング・マネジメント・コンサルティング)。

調査ではお客様の3割以上が、コロナ収束近い3月にかかわらず、
テレワークを想定した部屋探しをしていたことが分かりました。

このテレワークを意識したお客様は店舗によって差があり、
来店客の「1~2割程度」と答えた店舗が38.1%、
「3~4割程度」が36.9%、「5割以上」も8.4%ありました。

テレワークを求める割合は、
昨年12月の調査時よりもわずかに減少していますが、
コロナ収束後もテレワークが、
お部屋探しに影響を及ぼしていることが見てとれます。

一方、コロナ禍でテレワーク需要が増えていた2020年から
2022年当時のお部屋探しの特徴として、
出社頻度が少なくなるという理由で、
「とくに駅近を重視しない」という要素がありました。

こちらについてのニーズの変化は、
単身者とファミリー層で違いが見えてきました。

今回の調査によると、
お客様のうち「駅近物件を好む人の割合」について聞いたところ、
単身世帯では全体の39.9%が
「駅近物件が好まれるようになった」と答えているのに比べ、
ファミリー世帯では19.8%に留まっています。

それどころか、ファミリー世帯では
「駅から遠いことはあまり気にしなくなった」が21.9%にのぼり、
駅近物件を好む人の割合を上回る結果となっています。

コロナ収束のあともファミリー層では、
お部屋探しの傾向として、
コロナ禍で生まれた「テレワークできること」
「とくに駅近を求めない」という要件が消えてはいないようです。

 
子育て層の約9割がテレワーク継続を希望
 
リノべる株式会社(東京都港区)が行った調査によると、
現在テレワークをしている子育て層の89.1%が、
今後もテレワークを続けたいと考えているようです。
(主要都市在住で育児をしている人=265名に調査)

コロナ禍が始まった2020年の調査では、
自宅の中の仕事場として使用している場所は2~3カ所と、
場所が定まっていない状態だったのに対し、
2023年は1カ所に固定出来ている人が75.6%に増えています。

テレワークに慣れてきた様子が見てとれます。

では、自宅内のどこを仕事場としているのでしょうか?
 
実は、こちらにも変化がありました。

2020年の調査では、
1位は「ローテーブル」(36.8%)、
2位は「ダイニングテーブル」(35.7%)、
3位はソファ(30.4%)でした。

これが2023年になると、
1位が「ダイニングテーブル」(36.1%)、
2位「個室の専用ワークスペース」(30.1%)、
「寝室などの個室」(21.8%)という結果となり、

仕事場の個室化が進んでいることが分かりました。

この数年の間にテレワークに適した個室のある家に
引っ越した人も多かったのかもしれません。

ちなみに、「ベランダ」(2.3%)でテレワークしているというアウトドア派もいました。

国によるテレワーク推進は継続中
 
オフィス回帰の流れは進んでいますが、
子育てしながら働く人たちの中では、
テレワークを含めた柔軟な働き方への需要は減少していません。

転職エージェントとして活動する40代男性は、
「コロナの5類移行を受けて、
 原則出社と決めた企業が増加してから、
 転職サイトへの登録者が昨年に比べて5倍以上に増えた。
 多くが子育て世帯の方で、リモートワークができる会社を希望しています」
と言います。

また、国家公務員の働き方を管轄する人事院では
テレワークを支援するために、
自宅の光熱費や水道代などの相当分をサポートする
「在宅勤務等手当」(仮)を検討しているようです。

このように、国によるテレワーク推進はまだ続いているのです。

テレワークに適した設備を持つ部屋の賃料動向や入居率など、
賃貸オーナーが特に気になる部分についての調査は
少なくデータは不足しています。

この新しく生まれたニーズについて注視しながら、
これからも役立ちそうな情報をお伝えしていきます。

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