新型コロナの影響で
「リモート」という言葉を
多く聞くようになりました。
IT用語辞典によるとリモートとは、
「離れた場所にある二者が
通信回線やネットワークなどを通じて
結ばれていること」とあります。
これを仕事に応用したのが
テレワーク」ということになるのでしょう。
今回は新型コロナウィルスの感染が
収まらない中で大家さんも
人との接触を避ける必要がありますので、
上手に「リモート」を活用することを
テーマにしてお話を進めたいと思います。
リモートのメリット1
報告・連絡・相談の時間の効率化
賃貸経営で「接触する相手」といえば、
まず管理や募集を依頼している
不動産会社のスタッフです。
毎月の報告や、
退去予告が入った際の募集条件の打ち合わせや、
トラブル・クレームの対処方法の相談など、
今までも様々な用事で接触してきました。
コロナ渦以降は感染を防ぐために
電話や文書で代行することも増えたかもしれませんが、
この大家さんと不動産会社との面談は、
賃貸経営を良好に進めるためには
とても大事なイベントです。
コトに当たって正しい決断をするためには
電話や文書では満足な意思の疎通が難しいはずです。
そこで「リモート」の活用になります。
私も仕事やプライベートで
リモートを使う機会が増えました。
最初は違和感を感じたものの
慣れてみると意外とリモートの方が
集中できることが分かりました。
リモートの特徴は
「いつでもどこでも可能」ということです。
大家さんがスタッフと面談するのは
ご自宅か賃貸住宅の現場が多いのですが、
たとえ旅行先にいても報告を受けることができます
(旅行中に賃貸のことを考えるのは避けたいとは思いますが)。
また、誰かが訪問してくる時に、
少し身支度を整えたり
お茶を用意しておくなどの必要はありません。
笑い話になりますが
私が自宅でテレワークしている時に
下半身はパジャマだったこともあるくらいです。
一日くらいの無精ヒゲなら気付かれません。
不動産会社側から考えると
大家様を定期訪問できるのは
月に一回が多いと思われます。
しっかりと時間をとった報告なら
一日に回れる数も3~4名様が限度です。
しかしリモートなら二倍も三倍もこなすことができます。
移動する時間がゼロだからです。
これは大家さん側からみると
面談回数が増えて報告や相談の時間が
倍や三倍になり得る、ということです。
大家さんは約束の時間がきたら
パソコンかスマホを前にするだけでよいのです。
これは大きな時間の節約です。
「時間は増やせない」とか
「貧乏も金持にも時間は公平」と言いますが、
リモートの活用によってはお互いの時間を
飛躍的に効率化してくれます。
増えた時間は、
もっと情報を得たり
趣味にあてたり体を休ませてもよい訳です。
リモートのメリット2
現地に行かなくてよい
賃貸経営では不動産会社からの提案を
現地で受けたり確認することがあります。
原状回復だけでなく
バリューアップのためのリフォーム提案や、
大がかりなリノベーション工事の提案もあるでしょう。
打つべき手があるなら
コロナ渦だからといって
先延ばしすべきではありません。
しかし狭い貸室内で
複数の業者と会話をするには勇気がいります。
マスクと消毒をして
玄関と窓を開け放しにするのは当然としても
不安は残りますよね。
なにより外に出るので時間も費やします。
この報告や提案もリモートで受けることができます。
もちろん、
360度が見渡せる現地と同じにはなりませんが、
相手が上手に映像を送ってくれれば、
会話をしながら隅々まで確認することができます。
テレビニュースの現地中継を見ているようなものですが、
さらに「そこをもっとよく見せて」
などと要望することもできます。
このやり取りをビデオに残しておくことも可能です。
工事前の提案だけでなく
工事後の出来映えも自宅で確認できますから
リモートは本当に便利です。
ケースは異なりますが、
たとえば不動産投資家が遠方物件を購入するときでも、
現地調査や物件確認を現地の業者を通じて
リモートで確認することができます。
リモートのメリット3
様々な便利が拡がる
最後は賃貸経営と関係ないテーマ
になりますがリモートを使うことで
大家様は様々な情報を受け取ることができます。
たとえば勉強熱心な大家様でしたら
年に数回はセミナーや勉強会に
参加されていたかもしれません。
コロナ渦では人が集まるイベントは
自粛モードで開催されていませんが、
代わりに「オンラインセミナー」
「オンライン勉強会」が活発に開催されています。
ある成功事例ではオンラインセミナーに、
通常の会場で行われるセミナーの
10倍も参加申し込みがあった、
という話も聞きます。
それだけ「自宅で気軽に参加したい」
というニーズが埋もれていて、
それが新型コロナによって
地上に顔を出し始めたのでしょう。
私は数年前に勉強のために
「大家さん向けセミナー」に
丸一日の日程で参加したことがありますが、
東京開催にもかかわらず
九州や北海道から泊まり込みで
参加される大家さんが何人もいらっしゃいました。
勉強熱心だなぁと感心したものですが、
一方で大多数の大家さんは
興味があっても飛行機に乗って
一泊二日で参加するのは厳しいはずです。
しかしオンラインセミナーは
距離の壁をゼロにしてくれます。
参加者が10倍になった、
というのも頷ける話ではないかと思いました。
リモートを積極的に活用していただくことで
今までより簡単に貴重な情報や学びに
触れることができるようになりました。
リモートは学びだけでなく
趣味や楽しみの世界も拡げます。
もし「歌舞伎」が大好きな大家様でしたら
リモートでライブ鑑賞することができます。
「図夢(ズーム)歌舞伎」という
松本幸四郎さんが演出・出演する新作歌舞伎ですが、
初回公演は「忠臣蔵」で1,100人が視聴したそうです。
料金も5,000円以下ですし
「席が良い悪い」という差はありません。
東京近郊に住んでいると「直に見たい」
と思うかもしれませんが
地方のファンにとっては嬉しい流れではないでしょうか。
録画ではなくリアルタイムで鑑賞できるのです。
最後に「リモートの活用方法」についてですが、
紙面の都合で大きく割くことはできません。
スマホ・タブレット・パソコン(ノートで可)
のような機器が必要なりますが、
ほとんどのご家庭にあるのではないでしょうか。
リモートのためのツール(ソフトやアプリなど)
も必要になりますが多くが無料で提供されているのと、
情報を発信する側(たとえば不動産会社やセミナー開催者など)
が用意するので心配はありません。
すぐに慣れるはずです。
コロナによって一気に拡がったリモート活用ですが、
コロナ終息後も賃貸経営に
時間と距離を縮めるメリットが残るとよいと思います。