コロナ関連の報道で
銀座のクラブのママさんが
「店は休業しても家賃は払わなければならない」
とカメラに訴えてました。
居酒屋の店主さんも
同様の発言をしていましたね。
これを聞いていると
我が国のテナントさんは
本当に真面目だなと思います。
従業員の手当と同じように
「家賃は必ず払わなければならない」
と当然のように考えているのです。
大家さんや管理会社からみると
こんなテナントさんは有り難い存在です。
でも、ここで違和感を覚えたのは
僕だけでしょうか?
大家さんは、
店子(たなこ)が仕方なく休業して
すべての収入を失っているときに
「契約だから」と言って
満額の家賃を請求するのが
当たり前なのだろうか?
という違和感です。
これはメルマガ読者さんでも
意見が分かれるかもしれませんが・・・・
さすがに大手の大家さんは、
たとえばイオンモールは、
コロナの感染拡大で
出店テナントの売上高が急減したら、
3月4月の賃料を減免すると発表していますね。
三菱地所や森ビルなども緊急事態宣言を受けて、
テナントの個別に賃料の支払いを猶予すると
いった措置に乗り出しています。
この流れは、
都心の、それほど大手でない大家さんにも
波及していくのでしょう。
そしてつぎに、
我が街の20坪30坪の店舗にも
すぐに押し寄せてくると思います。
しかし、
この小規模店舗の大家さんも
経済的に楽なはずはありませんから、
三菱地所や森ビルのように
自ら「家賃を猶予する」とは
言い出さないと思います。
そこでボールを持つのが
大家さんから管理を委託されている
不動産会社なのではないかと・・。
なので管理会社としては、
家賃集金を委託されている中で、
特にコロナの影響を受けている店舗の、
4月5月の家賃をどうすべきか、
という難問に答えを出しておいた方が
いいと思います。
あるいは、
テナントから言われる前に
大家さんと協議をしてもよいと思います。
大家さんの収益を守るのが
管理会社の役目ですが、
それは無理に
満額家賃を維持することではありません。
テナントの苦境を放っておいたら
最後に被害を受けるのは大家さんです。
解約
借主の破産
長い空室・・・
そして商業施設だけでなく、
この問題は居住用にも
カタチを変えて押し寄せるでしょう。
借主が収入を減らして困っている時に
大家さんの収益を守る一番の道は?
難しい問題ですが、
社内で考えて答えを探しておく必要があると思います。
ひとつの知識として
「住宅確保給付金」という制度を
管理会社は知っておいた方がいいです。
経済的な理由で家賃の支払いが
困難になってしまった場合に
家賃に相当する金額を支給し
生活への復帰支援を目的とする制度
と説明されています。
(世帯人数や地域によって上限あり)
支給期間は原則として3か月です。
特別な事情のある場合には、
最長で9か月間まで支援期間が延長されます。
支給要件は厳格で、
いくつもの書類が必要になります。
「就職活動を行う」などの義務が課されます。
不正受給は全額返還を要求されます。
申請は各自治体の福祉担当部署、
と説明されてますが、
支援金額や担当窓口などは
自治体によって異なるようです。
わが街の場合はどうか・・・・
事前に調べておいてください。
現金給付を
30万(個人)とか200万(中小企業)とか
言ってますが・・・・
休業補償を
するとかしないとか騒いでますが・・・
前からあって使える制度があります。
国の施策が後手後手に回っている
と批判されている時に、
何事も準備は万全にしておいた方がいいです。
テナントからの賃料支払い猶予要請や
収入が激減した入居者の家賃滞納など
起こらなければ
それに越したことはありません。
でも
準備したことはムダにならないと思います。
深刻な事態に ただ立ち尽くすよりも
管理会社だから役立てることを
見つけていきましょう。