司会 「120年ぶりの民法改正」についての2回目です。
前回の最後にAさんが、借主の連帯保証人、つまり「個人保証」についての改正がオーナーに影響するのでは?、と話されていましたね。
A 影響するかどうかは分からないのですが、気になる改正があるのです。
H 連帯保証人に関する改正なら、僕はすべて保証会社に保証してもらっているので、影響はないと思います。
Y 僕もそうですね。新しい契約では、個人の保証人は使っていません。
D 僕はケースバイケースですね。借主さんが個人保証を要望されて、しっかりとした身内の方がいるなら、それを容認しています。
なるべく入居時の費用負担を軽くしてあげたいので。
A 僕もDさんと同じです。保証会社の保証範囲は「家賃や訴訟費用や残置物の整理などに限られる」ことが多いので、火事や自殺などのときは担保されていないですよね。
なので、可能な限りは個人保証をつけてもらっています。ところが改正後は、個人保証を立てるときは、「極度額を定めて書面に記さなければならない」ことになるそうです。つまり賃貸借契約書に、個人の保証人が負う債務の上限を決めて、記述する必要があるのですね。
D 保証する上限ですか?その額はどれくらいになるのでしょう。
A そこまでは施行されないと分かりませんが、天井知らずが認められることはないでしょう。
H 家賃が8万円なら、せいぜい1年分の100万円くらいが限度ですか。
Y でも、火事や自殺のときは、家賃の1~2年分では済まないケースもありますよね。
自殺の損害賠償では家賃の2年分以上が認められたケースもあるようですし、火事ならもっと多額になるでしょう。
H 入居時に火災保険の加入を義務付けても、契約更新までは強制できませんからね。
A そうですね。1年分では足らないケースも大いにあるでしょう。
その妥当額は現時点では明示されていませんが、いずれにしても「保証人が予想外の過大な責任を負わないように」という主旨なので、極度額を定めるように改正されるようです。
Y 保証会社との保証契約にも極度額を決めなければならなくなるのですか?
A いえ、個人保証に限ってのことですので、保証会社は該当しません。
司会 有難うございました。皆さん、繁忙期に満室になるよう、ぜひ、頑張ってください。