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オーナー座談会「女性に選ばれる部屋づくり」

A 面白くて役に立つ本を読みましたよ。僕たちが日々 悩んでいる空室の問題ですが「女性の発想で考えた女性の好む部屋づくり」を提唱しているんです。

D 女性目線ですか。

A そうです。著者はもちろん女性の方ですが、部屋を決めるのは85%が女性だと言っています。

K 男女の比率は半分半分のはずでは?

A たとえば、夫婦なら奥さんが部屋を決めます。学生ならお母さんですよね。成年男子の一人暮らしの場合も「彼女」が決めるか、彼女を意識して決める・・・。

W なるほど。決めているのは ほとんどが女性と言うのですね。だから「女性に好まれる部屋づくり」をすれば決まりやすい、という話ですか。共感できますね。

D 残り15%の男性向けに作っても「ダメ」ということですね。

A この本の「はしがき」には「9割以上の大家は、知識も経験もない未熟な素人」と書いてあります。これはちょっとヒドイ表現ですけど笑。

Y 僕らは確かにプロではないけど「未熟」は厳しいですね。

A だから、1割に入れば“勝ち組”になれる。つまり、これから空室が増えても、勉強と工夫をして「未熟でない玄人」になれば、心配することはないのです。

K なんか勇気が出てきますね笑。

Y でも、「女性の好む部屋づくり」って、どうやればいいんですか。

A 抽象的な表現になりますが、「こんな部屋に住みたかった」と思わせることが大事。部屋に入って「わずか10秒」で印象づけるそうです。

Y たった10秒で決めさせるのですか?

D 女性は「感性と感情」で決める、と言いますからね。僕も壁のクロスを選ぶときは娘や家内に決めてもらいます。もともと娘が募集中の部屋を見て「壁がみんな白っぽくって面白くない」と言ったのがキッカケでしたけど。

W 娘さんはどんなクロスを選びますか?

D 無地ならオレンジや黄色の暖色系で、花柄を選んだときもありました。その部屋は女性の方が入居してくれましたが「綺麗!」と言って喜んでましたよ。「友達に自慢できる」って。

K ああ、友人に自慢したり、呼びたくなる部屋は借主から評価された証拠ですね。

Y でも、花柄では男子は入居しないでしょう。たとえ母親に勧められたとしても。

A そうですね。この本では「誰にも好かれる部屋は誰からも好かれない」と書いてあります。つまり、住んでいただくターゲットを絞る、ということです。たとえば「35歳の女性」。だから花柄クロスにしたら、男性は選んでくれなくていいんです。

Y でも、ただでさえ入居してくれるお客様が減っているのに、ターゲットを絞ったら、もっと決まらなくなりませんかね。

D その心配はないと思います。白やグレーの色遣いで無難な部屋にしたら、「どこにでもある個性のない部屋」になってしまいます。そうなると、新築とか、特別な設備が付いているとか、家賃が安いとか、そんな特色がない限り、反対に選んでくれないと思います。

A 「10秒で決めさせる部屋づくり」ということで、特に女性が気に掛ける場所として、玄関、トイレ、バス、キッチンの4ヶ所があります。たとえば玄関なら、シューズボックスや壁の色にこだわったり、壁に「一輪挿し」が飾れるスペースを設けたり。入った瞬間に「あ、こんな部屋がいい」と思わせるそうです。

Y 予算がないときは?

A 予算がないときは「一点豪華主義」です。どこか1ヶ所でもいいので「あっ」と思わせる。

K 女性が好む色とは?

A Dさんが仰っていたようにオレンジなどの暖色系です。特に赤色が好まれるようです。ただしメインの色遣いは25%を目安に抑えた方がいいです。壁4面のうちの1面だけ、というように。

W あと書いてあるのはどんな留意点?

A 色遣い以外では・・・・。リビングを「より広く」というのがあります。広いリビングが人気なのは承知していましたが、それは女性が好むからなんですね。それから水回りです。さきほどの「一点豪華主義」でいくなら、キッチンか、洗面台か、トイレのどこかに「ここに住みたい」というデザインと色を採用する。それからKさんも仰っていましたが「友人から褒められる部屋」というのは大事なコンセプトです。

D Aさんに紹介いただいたアイデアを、すぐにすべて実行はできないかもしれませんが、とても良いインスピレーションをいただきました。ますます、娘と家内を巻き込んで、「女性の好む部屋づくり」を進めます。

Y 僕は独身なので、管理会社の女性スタッフの意見に、今まで以上に耳を貸すようにします。「未熟な素人」と言われるのは悔しいですから笑。

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