賃貸経営で収益を確保するためには売上(家賃)を増やすことはもちろんですが、もうひとつ「経費の削減」も重要なテーマです。
建物の生涯にかかる費用をLCC(ライフサイクルコスト)といいますが、その中でも多くを占めるのが、退室ごとの原状回復工事と、ほぼ10年ごとの大規模修繕工事などのリフォーム費用です。
「経費の削減」を重視するあまりに 必要なリフォームを怠ると、家賃と稼働率を高く維持することが難しくなるのはご存知の通りです。
原状回復工事は、「前の入居者の痕跡を消して、古さを感じさせないため」に行います。
大規模修繕工事は、「経年による建物設備の劣化や不具合が表面化する前に予防するため」に行います。
緊急事態が発生してからの修繕は余計に費用がかかりますし、なにより入居者が嫌って退去につながります。
このように、賃貸経営にとって避けられない費用だけに、「コストをいかに下げるか」という取り組みが、賃貸経営戦略としても重要になるワケです。
工事の実施を避けるのではなく、「より安く実施する」ことが大切ですね。
自主管理をされているオーナー様の場合は、ご自身で工事業者の選定とコスト管理をする必要があります。
そのためには「コスト面と品質面」で信頼できる工事業者と知り合うことなのですが、そもそも「信頼できるかどうか」の判断が難しいでしょう。
業者と渡り合って「安く良質な工事」をしてもらうためには、少なくとも、その工事に必要な「部材と手間とそれぞれの相場」くらいは知っておく必要があります。
原状回復工事で行う、クロスの張替えや畳の取り換え工事くらいなら難しくないかもしれませんが、大規模修繕工事となれば、給排水工事や大工工事、電気工事や塗装工事など、数多くの職人が入りますから、素人の方には、ちょっと難しいのではないでしょうか。
そこで賃貸管理の中には、オーナー様に代わって工事業者と渡り合い、「安く良質な工事」を実現することも「重要な役目」と位置付けている会社もありますので、ご記憶に留めてください。
「リフォーム費用のコスト削減」は、収益を上げるための重要な戦略と認識して、これからの賃貸経営に活かしていただきたいと思います。