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管理会社の上手な選び方「入居審査や家賃督促を“丸投げ”していないか」

賃貸管理を請け負う会社に必要なスキルとして「入居審査」と「家賃督促」があります。
これは、オーナー様の賃貸経営をバックアップするためには重要なスキルです。
しかし最近では、この大切な仕事を保証会社に「丸投げ」する傾向があります。
たとえ丸投げしても、オーナー様の賃貸経営に悪い影響がないなら構わないのですが・・・・。
ちょっと検証してみましょう。

保証会社の審査基準とは?

保証会社の役目は、家賃の滞納があったときに、オーナー様に家賃を保証するというものです。
そのために保証会社は、「家賃を約束通りに支払ってもらえるか」という基準で入居審査をします。
そして、万一に滞納が起きたときには、「家賃を回収できる相手かどうか」を考えます。
この2つの基準で審査をすることになるはずです。

しかしご存知の通り、賃貸経営にとっては、もうひとつ大切な審査基準があります。
それは、「共同生活のルールが守れて、他人に迷惑をかけることはないか」という基準です。
ルールを平気で破って、他の入居者に迷惑をかけるような借主が蔓延(はびこ)ると、優良な入居者が静かに退室してしまうのです。
通路に私物を放置するとか、自転車を指定の場所に置かないとか、ゴミを決められた期日以外に出すとか、室内で騒ぐ などのルール違反です。

このような迷惑行為が放置されると、入居者の質が次第に落ちて、オーナーの物件のグレードを下げることに繋がります。
満室経営の妨げになりますから、避けなければなりませんね。
管理会社は、保証会社の入居審査を参考にしながらも、オーナー様の賃貸経営にとって正しい審査を、独自の基準でも行うべきなのです。

行き過ぎた督促が行われる可能性

家賃を滞納している借主に対する保証会社の督促活動が過激になる可能性もあります。
家賃の「貸し倒れ」は保証会社の損失に直結しますので、スタッフは必死で回収しようとするでしょう。
そのために「行き過ぎた督促」につながることもあります。
何年か前に、一部の保証会社の「行き過ぎた督促」が社会問題となりました。
その影響で「家賃督促規制法(仮)」という悪法(?)が成立寸前になったことがあります。
オーナー様にとっては、家賃が代わりに支払われればよい、と思いがちですが、「行き過ぎた督促」は、他の真面目に家賃を支払っている入居者の目や耳にも届いています。
彼らには、オーナー様や管理会社が、そのような督促をしているように感じるでしょう。
これも「長く快適に暮らしてもらいたい」というオーナー様の願いに反する行為となってしまいます。

現場に誰も行かなくなる・・・

保証会社の中には、「電話による催促」を基本とするところもあります。
そして一定の滞納期間を経過すると、つぎに法的な処置に移行します。
その間、誰も現地に行かない、ということが起こり得ます。

管理会社が行う正しい督促というのは、支払いが遅れている借主と直(じか)に会って、滞納の理由を聞き出し、今後の見通しや解決策を話し合ったり提案します。
それに従わない者に対しては、厳しく法的な処置をとります。
このようにすれば「孤独死」などの事態を防げるケースもあるはずです。
本来の督促は、時間と手間がかかるものです。現地にいかないで机上で処理しようとする督促は「正しい督促」とは言えません。

さて、ここに挙げた事例は、すべての保証会社に当てはまるものではありません。
保証会社は、オーナー様にとっても便利で頼りになる存在なので、上手に利用すべきです。
しかし、プラス面もマイナス面もあります。
管理会社はそれを理解して、オーナー様のために活用するのが「正しい賃貸管理」です。
すべて「丸投げ」では、管理会社の責任は果たせません。

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