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オーナーは決断できない

「管理を増やすための研修」を二日間15時間のスケジュールで開催しました。
その中で一番時間を割いて行うのが、
「オーナーへのリニューアル提案の作成」です。
グループ(5人~6人)で力を合わせて「提案書」を完成させる演習です。

手順は、
まず、グループごとにリニューアル提案する物件を選びます。
すべて、築20年を超えていて空室率が4割以上となっているような物件ばかりです。

つぎに、現状の募集条件(賃料など)を想定してもらいます。
どの地域にあって、どんな条件で募集しているのか・・・。

そして、リニューアルのコンセプトを考えます。
どんな人に、どのように住んでもらいたいのか・・・。

そのうえで、そのターゲットが「その部屋」に払える賃料を想定します。

その賃料の2年分を「リニューアル費用の上限(一部屋分)」と設定し、
その予算範囲で、有効なリニューアル案を検討し、提案書に仕上げるのです。

空いている部屋をすべてリニューアルする計画です。
外壁やエントランスのリニューアルが必要な場合は、
予算の中で捻出できるか、別の予算でオーナーに提案するか、を検討します。

提案内容の検討に熱中しだすと、休み時間になっても席を立とうとしません。
僕の講義中も、こうあってほしいのですが・・・。

全員の案がまとまると、
リニューアル後の間取図と、
リニューアル項目と、
投資利回りを算出して、
提案書を完成させます。

完成したあとの参加者の感想は、
「作るのは面白かったけど、オーナーへの説得には自信がない」
「自分たちの都合のいい提案を作っただけだし・・」などと、
実際に現場で実行しようと思うには、リアル感が欠けているようです。

つまり、
「自分たちの都合のいいことばかり『てんこ盛り』にして提案している」
ということが「なんとなく」分かるので不安なのでしょう。

だからオーナーから
「これで本当に決まるのか」とか
「こんな古くなった物件に金をかけるより、家賃を下げたほうがいいのではないか」
と反論されると自信が持てないのでしょう。

そこで次に、「オーナーに選択していただくための代替案」を作ってもらいます。
代替案は2つです。
ひとつは、「このまま何もしないケース」です。
もうひとつは、「家賃の値下げで対応したケース」です。
皆で作成した、「リニューアルを実施したケース」を加えて「3つの案」を提示するのです。

それぞれのケースごとに
・潜在賃料収入(満室時の賃料収入)
・ロス(空室や値引きや未回収損失など)
・実効賃料収入(実際に手に入った賃料)
・運営費(賃貸経営にかかる費用)
・営業純利益(賃貸経営の儲け)
・負債返済額(ローン返済のの元利合計)
・キャッシュフロー(手元に残ったお金)
を算出して表にまとめるのです。

この7つの数値については下記の画像をご確認ください。
https://www.geonetwork.co.jp/downloads/images/1212211.gif

これにより、どの案が一番、
「営業純利益」と「キャッシュフロー」を多く稼ぐことができるか一目瞭然になります。

今回は、すべてのグループが
「何もしない」ケースより「値下げ」のケースの方が数値が良くなり、
「値下げ」のケースより「リニューアルを実施」したケースの方が、さらに数値が良くなりました。

「これなら、オーナーも納得するんじゃない?」と聞くと、
「そうですね」という感想です。

こちらをご覧ください。
https://www.geonetwork.co.jp/downloads/images/1212212.gif

通常、あなたのオーナーに対する提案は、
あなたが「してほしい」と思う提案を「ひとつだけ」行っているのではないでしょうか。
「こうすれば、このようにお金をかければ、部屋は埋まりますよ」みたいに・・・

オーナーは、
たしかに、綺麗にすれば、汚いままより、部屋が早く決まる可能性は理解できるでしょう。
「でも、費用対効果はどうなのか?」
「値下げしてもいいのではないか?」
「新たな借金はどうなるのか?」という、いくつもの疑問が解消されません。
漠然と不安が残ります。
だから決断しきれないのです。
あなたのことを、よほど信頼しているときを除いて・・・。

そこで代替案を一緒に提案します。
「何もしないでこのまま」
「値下げする」
「あなたの提案を受け入れる」
という3つの選択肢で、それぞれの収益とキャッシュフローが示されれば、
選択肢は広がるし疑問の多くも解消されます。
たとえ借金が増えても、返済後のキャッシュフローが増えるなら心配も消えるでしょう。
あなたも自分の提案に自信が持てるはずです。

仮に「値下げする」を選択されても、「それはそれでいい」のです。
「何もしないでこのまま」を選択されることを一番避けたいのですから。

あと、
オーナーが気になるのは「本当に、この計画通りに進むのか」だけですね。

それは、
「必ず決まります」という、あなたの自信ある言葉や態度や、
「家賃保証します」という決意の提案で解消されるはずです。

このような体験を研修ではしてもらっています。
この演習中に寝る人は、さすがにいませんね・・・

プロパティマネジメントにとって必要とされるのは「提案力」です。
オーナーが安心して納得できる提案を、来年はドンドンしてみませんか。

 

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