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「僕の娘が賃貸マンションを借りました」シリーズ ~入居申込み編~

娘が住む賃貸マンションの入居申し込みのために、初めて不動産会社の事務所に行きました。
この時点で、親子の話し合いの末、僕の会社で「法人契約」することになっていました。
究極の「親バカ」です。

担当営業(40代の女性)の賃貸条件の説明が一通り終わったところで、
「入居申込書をご記入ください」ということになります。
自分もよく知っているパターンです。
ところが、入居申込書を書き始めたときに、
「僕の法人契約で審査に落ちないだろうか」と不安がよぎりました。
何といっても、従業員が数人の超零細企業です。
「お父さんの会社は、どんな仕事を?」と聞かれて「経営コンサルタントです」と答えていました。
なんと疑わしい職業でしょうか(詐欺師が語る職業のナンバーワンでは?)。
でも、「賃貸管理の講師とかコンサルタントをやってます」などと言えないですよね。
僕なら「そんな奴」に部屋は貸しませんから。

「審査に落ちたら、父親の面目は丸つぶれだなぁ・・・・」
そう考えているときに、目の前の担当者の言葉が胸に突き刺さったのです。
「審査の結果、ご入居いただけないこともございますので・・・・」
僕たちが当たり前に発していた「あの言葉」です。
余計に不安感が募るとともに、小さな怒りを感じました。

何故かというと、僕には担当者が「態度を変えた」ように見えたのです。
さっきまで、部屋を決めて欲しくて、営業トーク全開で話していたくせに、
こちらが申し込むと言ったら、いきなり「内容が悪ければ落としますよ」と言っているようなものです。
「手のひらを返す」とは、このことだなー・・・・みたいな。

実は、担当の彼女は、ちっとも態度を変えていません。
話し方も、一貫して同じで、明るく誠実的です。
態度を変えたように見えたのは、こちらの心理状態が変化したからです。
「決めるか、やめるか」100%の決定権を持っていた立場から、
「審査を受ける」という立場に急降下したのです。
こちらの立場が下がった(と感じた)ので、相手の態度が変わったようにみえたのですね。

これは、入居申込時のお客様に「あり得ること」でしょう。
これに気が付かないと危険だと思いました。
僕たちが何気なく言っている入居審査の説明は、お客様に余分な不安感を与えているかもしれません。
「手のひらを返した」と思われたら、その瞬間に、「キャンセルの芽」が生まれているかもしれません。

リーシング営業は、ここまで、ロケットエンジンを点火させてきました。
ガンガンと営業をしてきたはずです。
そして入居申込の段になったら、さらに、第二エンジンを点火させないといけないのです。
同じエンジンでは、相手に、出力を低下させたと感じ取られるかもしれません。

キャンセルの多い営業担当は、本当に、ここで出力をパワーダウンさせてしまいます。
入居申込で「営業は終わった」と気を緩めてしまうのです。
気を付けてくださいね。

ここで、賃貸の新人向け研修で教えている「キャンセルを防ぐ8箇条」を披露しましょう。

1.入居申込み時に第二エンジンを点火する。

これは説明した通りです。
テンションをさらに上げてください。

2.「いい加減」な申込みを受けない。

よく、「とりあえず、申し込んでおきましょうよ」的なクロージングをするリーシング営業がいます。
「申し込んでもキャンセルは出来ますか?」とお客様に聞かれて、
「大丈夫です。いつでもキャンセルできます・・・」なんて答えます。
こういう「卑屈な」申込み受付はやめた方がいいです。
リーシング営業は、お客様に入居申込みを一所懸命に勧めますが、
申し込みの意思が固まったら、「キャンセルのないようにお願いします」と言えないと。
「とりあえず・・・」は禁句ですね。
もし、「と・・・・」と口に出てしまったら「とにかく」と言い直してください。
「とにかく、申し込みましょう」

3.「審査に落ちた場合は・・・」などと言わない。

この言葉を何故言うのでしょうか。
それは、落ちた場合に「苦情を言われないために」防御線を張っているのでしょう。
でも、そんなものは必要ありませんよね。
落ちたら、次の物件を探せるような人間関係を築いておけばいいのです。
そもそも、落ちないような物件(元付会社)を選んでいるはずです。
もっと言うなら、
「審査なんて心配なさらないでください。大丈夫ですよ」くらいは言ってあげればいいと思います。
お客様を不安な気持ちのままで帰してはいけません。
だから、「もう1件、見ておこうか」ということになるのです。

そしてもうひとつ、
審査の時間を出来る限り短縮することです。
可能なら「その場」で結果を出せばいいと思います。
サラ金に行って「審査は明日になります」と言われたら、誰もお金を借りに行かないでしょう。
入居審査だって一日もかける必要はありませんよね。

4.申し込み手続きが終わった後に「物件を褒める」。

何かを買おうとしているとき、販売員さんの説明を聞いていると、
私たちは「売りたいがために商品を一所懸命に褒めている」と感じています。
でも、その商品が気に入れば購入します。
支払いが終わって、商品の引き渡しが済んだら、販売員さんは商品を褒める必要はありません。
もう所有権は移転しているのですから。
このときに、商品を褒められたら、販売員さんの言葉は本音に聞こえます。
「繰り返しになりますが、この商品は本当にお勧めなんですよ」とか言われたら、
「自分の選択は正しかった」と嬉しくなりますよね。

お客様は、もしかすると、入居申込書を書きながら、
「早まったかもしりない。もっと探せばいいのが見つかったかもしれない」と思っているかもしれません。
だから、申込み手続きが一段落したときに「物件をもう一度褒めて」差し上げてください。
人は、自分の決断を肯定したいものです。

5.その日のうちに電話を入れる。

夕方ころに「本日は有難うございました」と電話を入れてください
そのとき、もう一度「物件を褒める」のです。
帰りの電車の中で、「あの物件でよかったのかな」と不安になっていたかもしれません。

6.契約までの間に、何度か連絡を入れる。

申し込むまでは、熱心に、何度も追客の連絡を入れてきた営業担当が、
入居申込み手続きを済ませたら、まったく連絡がこなくなった・・・
別に冷たいワケではありません。
契約までの流れを完璧に説明したら、連絡を入れる必要がないのです。
でも、お客様は違和感を感じますね。淋しいと思うでしょう。
だから、用事がなくても定期的に連絡を入れることです。
「お元気ですか。なにかご不明なことはありますか。」
営業は、賃貸借契約書に署名する瞬間まで、気を緩めてはいけません。

7.契約の日取りは前倒しで。

たとえ入居日が1ヶ月以上先でも、契約は可能な限り早く済ませましょう。
日にちが空けばあくほど、キャンセルの可能性が高まります。

8.その他です。

これは物元でないとできませんが・・・
申込み時に契約書類一式を渡してしまうのです。
自分の名前の入った書類を受け取ったら、観念するというか、気持ちは固まりますね。
キャンセルの可能性は下がります。
よくある反論は「入居審査がこれからなのに」というものでしょう。
その答えは、
「だから、その場で審査を終わらせること」です。
もうひとつ、
「審査に通るか落ちるかは、大体、予想がつくはず」です。
僕は現場で、入居申し込み時に重要事項説明も済ませてました
(そんなの当たり前、という反応と「ええっ!」という反応があると思います)

それから、申込金を預かる、という方法もあります。
(手付金ではありません)
お金を預けたら「いい加減なキャンセル」は減るはずです。

この8箇条で、キャンセルは「ゼロ」を目指してください。

さて、申込み手続きが終わり、審査も「無事に」通りました。
あとは契約するばかりです。
順当な日取りだと、9月末が自然な流れなのですが、
ぼくはあえて「10月1日」を指定しました。

何故だか、分かりますか。

次回の「契約と入居編」までに考えておいてください。

 

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