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「僕の娘が賃貸マンションを借りました」シリーズ ~ネット検索編~

本日は、僕の「新人向け研修」を受けていただいた方には「馴染み」の話です。

僕は研修の中で「例え話」をなるべく多く用いるのですが、それにタイトルをつけて「シリーズ物」にしています。
その代表的なのが、「僕の娘が賃貸マンションを借りました」シリーズです。
※もうひとつ「いつも、まんべんなく成績の悪い営業マン」シリーズも好評です。

今回はその「僕の娘がシリーズ」をメルマガで紹介します。

平成16年8月。
娘が「一人で暮らしたい」と言い始めました。
基本的に反対しない僕は「いいよ」と言います。
ただし、
「お前は知らないかもしれないけど、お父さんは「この道」の専門家だよ。
お父さんが一緒に探してあげよう」と条件をつけました。
そのとき娘は、僕の仕事の一端を始めて知ったようでした・・・

まずインターネットで探し始めます。
スーモ(当時はふぉれんと)、ホームズ、アットホームを当たり前に開きます。
そして娘の条件を登録します。
ここから、ほとんど毎日、この3つのサイトを「観測」することになります。

ここで告白しておきますが、
僕はインターネットで真剣に部屋探しをするのは初めての経験でした。
研修やコンサル先で「いまはインターネットの時代だから」と言っていたくせに、「自分で探すの初めだ」と気が付いたのです。
・・・というか、19歳から不動産業界に身をおいているので、自分が不動産を借りるのも買うのも、ほとんどは「社内」で処理してきました。
だから「不動産会社のお客様」になる経験は「まれ」なのです。
この業界で経験が長い人ほど、僕と同じなのではないでしょうか。
やっぱり「お客様の経験」は重要ですよね。

それから、ほとんど同じ時間にネットで検索することになります。
僕の場合は食事と風呂が終わった夜11時ごろです。
これが主婦なら、家事がひと段落した午後2時か3時頃になるでしょうか。
サラリーマンなら、朝一番の仕事に飽きた午前11時やお昼休みでしょうか。
それぞれの都合のいい時間帯にネットに向き合います。
これを「定点観測」といいますね。
多くの顧客はこのような行動をとるでしょう。
物件を探しているであろう対象者に合わせて「メールを送る時間帯を考えよう」と言う理屈は、ここからきているのだと思います。
スマホの普及でこの原則は多少は乱れるでしょうけど。

毎日同じ時間帯に「観測」している、僕らのような「真剣に探している組」は、物件の一覧を覚えてしまいます。
この時点では、この「狭い範囲」で「狭い検索条件」なら、不動産会社の営業スタッフより詳しいかもしれません。
だから、昨日まで掲載されていなかった物件は一瞬で気が付くのです。
「NEWマーク」など必要ありません(当時は掲載されて1週間以内の物件に「NEWマーク」があったと記憶しています)。
物件に興味があれば、掲載した会社宛に問い合わせを出します。
それが物元か他社仲介をしている会社か関係ありません。
写真や間取図の質が悪くても関係ありません。
情報を一番早く伝えてくれた会社に問い合わせをするのです。
翌日に、もっと綺麗な写真や間取図を掲載している会社が現れても、そのページは見るかもしれませんが、問い合わせはしません。
前日に、ほかの会社に問い合わせしているのですから。
僕が「掲載するスピードが一番大切」と言っている理由はここにあります。

最初に観た日は、数10件の物件が目に止まりました。
片っ端から問い合わせのメールを出します。
この時点では、情報を掲載している会社名等はあまり意識していません。
「あ、これはエイブルだ」とか「アパマンショップだな」とか「センチュリー21加盟店だ」とか少しは意識しましたが、それは僕の職業のせいでしょう。

問い合わせをして驚いたのは、メールに対してすべての会社が返事を送ってくるワケではない、ということでした。
たとえば20件に問い合わせて、そのうち5件くらいは返ってこないのです。
「何のために苦労してネットに登録しているのだろう」と思いますよね。
腹も立ちますから、そのような会社は論外です。
残りの15件は数日の間に返事をくれました。
僕はすべてのメールを真剣に確認します。
なんたって「目の中に入れても痛くない」という可愛い娘が暮らすマンションのことですから。
それはもう真剣です。
でもまだ情報収集の段階なので、いくら真剣にメールを見ても返事は出しません。
「ここまで細かな情報を送ってくれて有難いな」と感じるメールもありましたが、お客様の立場の僕は、お礼のメールを出そうとは考えないのです。
これが普通のお客様の反応ですよね。
でも、僕にメールを送った担当者からすると、
「返事がこないからメールを見てるのか見てないのか分からない」ということになるのでしょう。
だから多くの担当者が2通目のメールを出そうとしません。
15の担当者のうち、2通目をくれたのは5人くらいです。
あとは一通だけで脱落していきます。
これが現実ですね。

・・・最近も似たような経験をしました。
ひとつは、年初めに買い替えたばかりの愛車が駐車中に「こすられる」事件がありました。
「世田谷区 板金」というキーワードで検索して、ヒットした工場に5件ほどメールしましたが、返事が返ってきたのは1件だけです。
ここは良心的で良い仕事をしてくれました。

もうひとつは、
オーナー向け情報誌をPDFデータだけでなく「Word文書」でも届けたいと考えて、請け負ってくれる会社を探したのです。
グーグルで5社のサイトを見つけて、用意されている問い合わせフォームから依頼したのに、返事があったのは1件だけです。
9月号からお届けしている「Word文書」は、その会社が作ってくれました。
こちらも、早く対応してくれて助かっています。

まだまだインターネットの世界は、
お金と手間をかけて広告しているのに、メールでの問い合わせに対して「下手な対応」をしているところが多いですね。
電話帳広告の場合は、お客様は例外なく電話をしてくれますし、
チラシや雑誌の広告なら来店していただけるかもしれませんが、
インターネットの特色は「まずメール」です。
それを、
「メールの客は『お客様』じゃない」と捉えている「昔かたぎ」な方が多いのかもしれません。
理屈では分かっているのだと思いますが、とこかで「差別」しているのだと思います。

僕が娘のマンションを探した時も強く感じました。

さて、8月後半から探し始めた親子は、10月1日には契約することになります。
そこまでは、もう少し紆余曲折があります。

続きは「物件の見学ツアー編」です。
お楽しみに。

 

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