Q.先日入居した方から「隣の入居者が奇声を発するので怖い」と苦情がありました。私と主人で部屋に行って確かめたら、2回目のときに、「うぉー」という押し殺した声を発したり、壁を叩くような音を確認しました。やっと決まった部屋ですが、「出て行ってもらったほうがいい」と話し合っています。
A.奇声を発生する方(Aさんとしましょう)は、いつから入居されたのですか? この方についての情報を教えてください。
Q.入居したのは6ヶ月前です。2階の角部屋で、隣の部屋はその前から空いていたので、今まで分からなかったのです。30代前半の男性で、普通の会社員ですが、少し神経質そうな感じがしていました。家賃の遅れはありません。連帯保証人がお兄さんで隣の市に家族と暮らしています。
A.騒音の苦情の場合は、生活音が「通常より度を超えているかどうか」で判断するのですが、今回は生活音ではなく「異常音」ですね。すぐに対処して、行為を止めてもらうか、出て行ってもらうか、どちらかにしてもらうべきです。その奇声や異音は、Aさんが発生させているのは間違いないのですね?
Q.他に該当する部屋はありませんので間違いありません。でも、止めてくれるでしょうか。
A.度を超えた生活音でしたら、全室に“注意書き”をポスティングするとかのワンクッションをおけば、それで止む場合もあります。でも今回は“異常音”ですし、発生元も分かっているので、最初からAさんと話し合った方がいいですね。玄関先の立ち話ではなく、Aさんの部屋の中とかで、きちんと座った落ち着いた状態で話をした方がいいです。そして「その音」に覚えがあるか尋ねてください。
Q.覚えがない、と言ったら?
A.音を確認した状況を説明してください。冷静に、穏やかに、しかし断固として「私も確認した」という事実を伝えてください。もし認めて「2度としない」と言うのでしたら、一回は信じて様子を見てもいいと思います。
そして、そのあとも止まないときは、連帯保証人のお兄さんに相談して、お兄さんと3者で話し合ってはどうでしょう。その時は、オーナーの意思は「契約解除して退室してほしい」ということを、しっかりと告げた方がいいです。理由は、他の入居者が迷惑を蒙(こうむ)り退去してしまうからです。お兄さんは、弟さんのこういう行動を知っている可能性がありますので、最初に話した時のお兄さんの反応に注目してください。そして、お兄さんを味方につけるように振る舞った方が得策です。最後は、お兄さんに説得してもらって退室してもらうのが、一番の解決方法です。
Q.お兄さんが協力的でなかったら?
A.何とか辛抱強く頼んで味方につけてください。「連帯保証人に、そこまでの義務はない」と言うかもしれませんが、この件でオーナーさんに損害(隣の入居者が退去してしまうなど)が発生すれば、お兄さんは賠償請求を受ける立場です。「関係ない」では済まされません。もしお兄さんが協力してくれないと、警察に相談、保健所に相談、最後は裁判所に相談、という事態になってしまいます。そして、どこに相談しても「解決してくれる」保証はありません。お兄さんが“頼みの綱”と認識して交渉してください。「話し合い」で円満に解決するのが一番です。