司会 本日は「カスタマイズ賃貸」について、オーナーである皆さんの意見をお聞かせください。
S まず「カスタマイズ賃貸」の定義って何ですか?
H たとえば壁のクロスですが、
賃貸物件の壁紙って無難な色や柄のビニールクロスが多いので、自分好みに変えようと思ったら中古マンションを購入するしか方法はないですよね。そこで「賃貸なのに壁紙を自由に選べる」という物件があると、それだけで部屋を決める借主さんもいるみたいです。
A つまり、借主が自由に、自分の思い通りに変更できる、ということですか。費用はもちろんオーナー負担ですよね。
H それが原則ですね。
S 変更できる、と言っても限度があるでしょ。
H 一番多いのは「壁紙をセレクトできる」というものですね。あとは、「部屋の電灯を選べる」とか、「壁に棚を取り付けられる」というのもありますね。
K 壁一面だけ、可動式収納棚を自由に取り付けていい、なんてね。
D 中には、築年数の古い一戸建てだと、ほとんどフルリフォームに近いカスタマイズの例もあるみたいですよ。
S その場合の費用は?
D その場合は、すべて借主負担になるみたいです。
A まあ、それは例外としても、他にはどんな事例があるのかな。
H 壁関連が多いですけど、壁の一面をコルクボードにして、「ポスターなどを自由に貼れる」というのや、「落書きができる壁」とか。
S それで、オーナー側のメリットは「部屋が決まりやすい」ということですか。
A それが第一でしょうね。それと「借主が長期に入居してくれる」という利点もありそうですね。
自分好みで選んだ素材ですから愛着が湧くでしょうし。
S デメリットは何ですか
H 壁紙を選べる場合は、大量生産のクロスではないので費用負担は増えますね。業者さんも現場に行く回数が増えるでしょうし。
デメリットではないですが、契約書もしっかり作っておく必要があると思います。
K 前の入居者が退去したあとに、すぐにリフォームできない、という点もありますね。
D そうですね。ご案内できる程度にはクリーニングしておく必要があるでしょうけど、壁や床や天井や畳や襖など、カスタマイズできる部位については、借主が選ぶまで手を付けられませんね。
A まあ、リフォームの手間や費用が増えるのと、早く(場合によっては高く)決まるのと、秤(はかり)にかけて判断する、ということですね。
K あとは、借主が短期間で解約できないような「しばり」を契約書にいれておく必要がありますね。
S それは可能ですか
K 定期借家だと「転勤など」理由があるときは阻止できませんけど、普通借家なら大丈夫でしょう。
司会 採用できそうですか?
S 僕は、こういう新しいものにすぐ飛びつくのは抵抗があるなぁ。
D 僕の物件は築年数も浅いので、まだ、このような条件を取り入れなくても決まると思います。
A 僕のは築19年のマンションで人気のない3DKなので、多額の費用をかけて「間取変更」などのリフォームするよりも、「全室、壁も床も天井も、自分好みに選べます」とした方がいいかもしれませんね。一部屋だけでもやってみようかな。
H Aさんは好奇心旺盛で積極的ですね。何事も「やってみなければ分からない」という考えは立派です。
A Hさん、僕に実験させようとしているでしょう(笑)
H いや、そんなことはないです(笑)
司会 Kさんはいかがですか。
K 賃貸も「ここまで来たか」という想いですね。でも、物件が余っている状況で、借主は「自分オリジナル」の個性を求める傾向にあるワケですから、面白いアイディアだとは思います。踏みきれるかどうか、ハードルは高いですけどね。
H 大事なのは「カスタマイズ賃貸」に限らず、私たちオーナーは借主のニーズに合わせた「貸室」を用意することを心掛けなければ・・・ということですね。そのニーズは「できるだけ賃料の安い部屋」というのもあるし「初期費用がなくても入居できる部屋」というのもあるし、今回のように「個性を演出できる部屋」というのもある、ということだと思います。
K うん。それに、僕たちが「カスタマイズ賃貸」を採用しなくても、近隣のライバル物件が採用するかもしれない。そのとき、自分の物件は「何で対抗するか」考える必要がありますね。「新しい人気設備」か「単に家賃勝負」か。
司会 なるほど。結論は常に「借主指向」で部屋を用意していくことが大切、ということですね。
有難うございました。
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