今回は、
築年数が経過して、市場の中で人気のなくなった物件を、
リノベーション工事によって再生して、
大家さんの収益環境を改善するための提案について解説いたします。
目的は、リノベーション工事を受注することではなく、
ひとつの手段として、リノベーション工事という技術を使う、
ということを理解してください。
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リノベ提案の解説ビデオがご覧になれます。
https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=ezwrpc
いくら築年数が経過して人気がなくなっていても、
古い物件に多額の投資をすることに同意しない大家さんもいます。
いろいろな考え方や将来の展望がありますから当然のことです。
リノベーションのような多額の投資に同意しない大家さんには、
もっと投資金額を下げたリフォーム、
家賃や募集条件の変更、
物件の売却、
取り壊して再建築、などの選択肢がありますから、
大家さんの希望を第一に考えて、最適な方法を提案すればよいのです。
そうは言っても、
建物や設備が古くなって人気のなくなった物件にとって、
リノベーション工事を実施するのは、効果のある方法には違いがありません。
なぜ、賃貸物件のリノベーション提案なのか、
その状況から考えてみましょう。
まず、マーケットがある、という事実です。
それは、対象となる古い物件が多いということです。
33年前の平成4年からの数年間は、
賃貸建物がとても多く建てらましたです。
年間で80万戸とか100万戸も建築された時代でした。
理由は、市街化区域内の農地に宅地並課税が実施されたので、
固定資産税の負担が増えた都市農家に、
アパートと賃貸マンションを建てる需要が高まったことによります。
その需要に応じて、
ハウスメーカーが本気で賃貸用建物シリーズを充実させて、
販売活動に力を入れ始めました。
この供給過剰が、家賃の低下をもたらし始めた、
と言っても間違いではありません。
それくらい、この頃の賃貸建物の供給量は凄まじいものがありました。
そのときに建てられた建物が、いま、築30年を超えているのです。
ちょうどベビームーマーのように、
その年代に建てられた物件が多いのです。
それだけ、古くなった不人気物件に困っている大家さんが多い、
つまり、リノベーションを提案するマーケットが増えている、
ということです。
つぎに、需要はあるのに供給者が少ない、という現実です。
古い不人気物件を「なんとかしたい」
と考えている大家さんという需要はあるのに、
その状況から「収益改善」という提案ができる管理会社という、
供給が少ないのです。
たしかに20年前と比べれば、
賃貸建物向けにリノベ工事を提案する会社は増えましたが、
地域に根を張る管理会社の中では、
本当に効果の高いリノベ工事の提案ができる会社は、
まだまだ多くはありません。
建築業者にプランと工事を頼る会社は多いと思いますが、
収益改善を目的とするリノベ提案は
地域の需要を知っている管理会社こそ立案できるのです。
この、大家さんの考えや目的に合うカタチで、
しっかりと投資したお金が短期に回収できるような、
賃貸物件ならではのリノベーションを実施できる技術を持つことは、
管理会社として大きな商品力になるはずです。
そこで、リノベーションを提案するためにどんな知識が必要になるのか、
少しリストアップしてみましょう。
まず基本知識として、
・建物構造ごとの特徴
・給湯の種類と給湯方式
・配管の種類と特徴
・内装職人の種類と着工から完工までの工事の流れ
・各部屋、部材、設備、電気の名称
・床材の比較と特徴
などがあります。
プランを考える前提知識として、
・キッチンリフォームの注意点
・トイレリフォームの注意点
・浴室リフォームの注意点
・間取り変更リフォームの注意点
・分譲マンションリフォームの注意点
などがあります。
大家さんにリノベーションを提案するためには、
・リノベーションのメリットとデメリット
・利回りの種類と計算方法
・収益とキャッシュフロー計算
・家賃相場の分析から家賃査定表の作り方
などについて語れる知識も必要です。
そして実際に工事を進めるためには、
・工事仕様書の作り方
・見積書の作り方
・提案書の作り方
・工事請負契約書の作り方
・着工前の注意点
・工事中に注意すべきポイントと進捗管理の方法
・完工チェックのやり方と確認方法
などについても、知っておく必要があります。
これらを、すべて専門家のように熟知している必要はありませんが、
基本知識もないままで、工事業者に依頼するとなると、
工事金額も工事内容も彼らの言いなりにならざるを得なくなりますので、
工事についての基本知識については、
別の機会に学んでおくようにしてください。
この賃貸リノベーションの記事シリーズで解説するのは、
物件ごとに、プランニングを考え提案書とシミュレーションを作り、
大家さんに提案できるまでの知識です。
特に特徴的なのが、
「3つの提案を用意する」という考えです。
リノベーション工事だけの提案では、
大家さんに迷いが生じるので その他の代替案も用意するのです。
その結果、リノベーション以外の案が採用されることもありますが、
それが大家さんの意思ですから、問題はありません。
古く不人気な物件を前にして、何もしない、という選択が、一番よくないのです。
次の特徴は、
「家賃保証をする」ということです。
この保証によって大家さんは、
投資した資金が回収できない、というリスクから逃れることができます。
これについては、3回目の記事で詳しく解説いたします。
リノベ提案の解説ビデオがご覧になれます。
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