司会 今回も、『空室対策』について、お話いただきたいと思います。
A 最近になって気が付いたのですが、今まで空室対策のために色々な手を打ちましたが、基本的な考え方として大きく2つに分類できると思います。
司会 空室対策を2つに分類ですか。
A ええそうです。それは、「お部屋に案内していただく回数を増やすための方法」と、「案内されたお客様が気に入って決めていただくための方法」です。
G なるほど・・・・。でも、案内してから決めてもらうのだから、別に分けて考えなくてもいいのではないですか。
A はい。そうかもしれませんが、僕は分けて考えたら分かりやすくなったのです。つまり、いくら部屋を良くしても案内されなかったら、お部屋に申し込んでくれることはないです。反対に、いくら案内しても、部屋の状態が悪かったら、やはり申込みにはならない。
だから、「空室対策」を2に分けて考えるとアイディアが整理されるような気がします。
D 確かに、1組のお客様の案内だけで決まるのはラッキーですよね。案内は、部屋と入居希望者との“お見合い”のようなものですから、相性の合うお客様と出会うためには、例えば5組とか10組に部屋を見てもらうことが必要かもしれません。
A そうなんです。そこで、不動産業者さんに数多く案内してもらうためのアイディアを、まず考えたいと思います。どんなアイディアが浮かびますか?
司会 さて、それでは皆さんにアイディアを出していただきましょう。
H まず賃貸条件ですね。賃料以外の、初期費用を低くするために礼金・敷金をゼロにしたり、それから、フリーレントにしたり・・・・。
D 綺麗な図面を用意することも案内に繋がると思います。カラー印刷で、室内の写真や周辺施設(買物・学校・公園・病院など)の写真が多く載っていると、お客さまも「見てみたい」と思うのではないかな。
A 僕は、不動産会社にその図面を持って行って「案内して」と、直接アピールします。
G 現地に鍵を置いて、いつでも案内が出来るようにしておくのも大事ですね。
A それから、「広告料」を支払う、という条件も効果があります。
司会 皆さんのアイディアを聞いていますと、地域の不動産業者の営業の方に、とにかく皆さんの物件を選んでもらうことが重要、ということですね。
A ええ、重要だと思います。
司会 それでは次に、「お客様に気に入ってもらうためのアイディア」には、どんなものがありますか?
H エントランスや通路などの共用部分が整理されていることが大切だと思います。お客様は、部屋に行く前に、そこを通るわけですから。
G 確かに、部屋を見る前に通路が汚れていたら、住む気にならないかもしれませんね。
D 敷地に入った段階から大切ですね。特にゴミ置き場にゴミが散乱していたらアウトでしょう。
H 部屋に入った時に、玄関マット・スリッパと消臭剤などが置いてあるのも感じがいいですね。お客様を大事に迎えている、という印象がします。
G 最近は「モデルルーム化する」という話も聞きますね。照明器具やカーテンやテーブルなどの家具を設置しています。特に独身用の間取りは、ガランとした部屋を見ても、味も素っ気もないですから。
A 周辺マップを作って置いておくと好評です。部屋を見た方は、みんな持っていきます。それと、基本的なことですが、定期的に空気を入れ替えるなど、部屋の状態を最適に保っておくことも重要ですね。
司会 よく分かりました。
賃料を下げたり設備を入れ替えたりの空室対策が勧められていますが、まず簡単に出来ることから始めるべきですね。そして、まず案内してもらう事を考える。次に見ていただいたお客様にアピール出来ることを考える。
このようにすれば、部屋がなかなか決まらないとしても、「案内が少ないのか」「案内しても決まらないのか」によって、空室対策の手段が見えてくると思います。
本日は、有難うございました。