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【賃貸管理中級編④】オーナーの収益を簡単に知る方法

管理させていただいてる大家さんの収益状況を知ることは、
管理会社として大切なことです。

あなたの賃貸管理が、
「大家さんの収益の最大化に貢献する」という価値を掲げているなら、
なおさら 大家さんの収益状況を把握しておく必要があります。

たとえば空室対策の提案のとき、

・何も手を加えないで家賃を下げる。
・20万~30万程度のリフォームをする。
・100万以上の費用をかけてリノベする。

このような3つの方法で迷ったときは、
それぞれの空室対策による結果として純利益が計算できたら、
提案のレベルを大きく上げることができます。

大家さんも純利益で比較できるので判断しやすくなります。

今回の記事では、
簡単な方法で「大家さんの純利益の計算方法」をお伝えいたします。

まず覚えていただきたい言葉が7つあります。

1.あるべき家賃収入

「あるべき家賃収入」とは、
この賃貸物件が満室の時に得られる家賃収入です。
正しく査定された家賃であり、大家さんが希望する設定家賃ではありません。
本来、満室なら得られたはずの家賃収入になります。

2.4つのロス

「4つのロス」とは、
大家さんが「あるべき賃料」を得ることを妨げている要素のことです。

1.空室によるロス
2.家賃の未回収によるロス
3.家賃の値引きによるロス
4.入居時の家賃サービスによるロス(フリーレントなど)

以上の4つです。
このロスを減らすことで、
大家さんが本来 得ることのできる家賃収入に近づけることができます。

3.実際の家賃収入

「実際の家賃収入」とは、
「あるべき家賃収入」から「4つのロス」を差し引いた金額です。

たとえば、
あるべき賃料収入が100万円の賃貸物件で、
空室ロスが20%発生していると、
実際の家賃収入は80万円となります。

100万円-20万円(空室ロス)=80万円

4.運営費

「運営費」とは、
賃貸経営するときにかかる経費です。

固定資産税、火災保険料、水道光熱費、修繕費、広告費、管理会社に支払うフィーなどです。

5.純利益

「純利益」とは、
「実際の家賃収入」から「運営費」を差し引いた金額です。
この賃貸物件が持っているポテンシャルを表します。
NOI(エヌオーアイ)と呼ばれている重要な数字です。

これが今回 あなたが知りたい数字です。

さきほどの例の続きで、
実際の家賃収入が80万円で運営費が30万円なら純利益は50万円となります。

80万円-30万円(運営費)=50万円

6.借入返済額

「借入返済額」とは、
この賃貸物件を所有するために借り入れたローンの返済額です。
元金と利息を合わせたものです。

7.税引き前キャッシュフロー

「税引き前キャッシュフロー」とは、
純利益から返済額を差し引いた金額です。
大家さんの手元に残るお金です。
このお金が、
空室対策や修繕工事や将来の修繕のための準備のための資金となります。
大家さんの生活費となったり、あらたな物件購入の資金になることもあります。
必要なキャッシュフローを残すことは賃貸経営にとって重要なテーマです。

さきほどの例の続きで、
借入返済額が20万円なら税引き前キャッシュフローは30万円となります。

純利益50万円-20万円(借入返済額)=30万円(税引き前キャッシュフロー)

以上の7つが、大家さんの収益を計算するために必要な項目です。

1.満室の時に得られる収入が あるべき賃料収入。
2.満室を阻害する要因が 空室などの4つのロス。
3.1から2を差し引くと 実際の賃料収入。
4.賃貸経営にかかる経費が 運営費
5.3から4を差し引くと 純利益
6.ローン返済額が 借入返済金
7.5から6を差し引くと 税引き前キャッシュフロー

この簡単な7つの項目で大家さんの収益を知ることができます。

ここまで聞いて、
なぜ収益を計算することが役に立つのか、
まだ理解されていない方がいるかもしれませんので、
少し解説をしておきましょう。

大家さんの賃貸経営の成績を評価する数字には、
どんなものがあるでしょうか。

・年間の家賃収入の合計額
これは多くのお金をかけてリノベーションなどをすることで、
設定家賃を引き上げることが可能ですので、
かけた経費を見てみない本当の評価は出来ません。

・年間の稼働率(平均の入居率)
これは家賃を下げれば稼働率はよくなりますので、
この数字だけでは正しく評価できません。

この2つの数字と比較すると「純利益」は、
物件の真の実力が表れています。

経験と知識のある不動産投資家は、
この数字を「NOI(エヌオーアイ)」と呼んで、
購入を検討している物件評価の重要データとみなします。

年間1,000万円の純利益を稼ぐ物件があるとして、
この物件の価格が1億円だったら、
不動産投資家は「実質利回り10%」という計算をします。

このように純利益は、
大家さんの賃貸経営を正しく評価する数字なのです。

もし あなたが、
「大家さんの収益に貢献する賃貸管理」を掲げているなら、
ある管理物件の今年の年間純利益が1,000万円のとき、
来期の純益の目標を、1,050万円にするとか950万円にする、という提案ができます。
このレベルで提案できる賃貸管理会社は、きわめて少ないでしょう。

この簡単な計算によって、
こんなに重要な数字を導くことができるのです。

もう一度、実際の例で計算をしてみましょう。

築15年の10戸の木造アパートがあります。
間取りは1Kで家賃は平均5万円です。
この設定家賃は正しい査定額とします。
年間の空室率は20%でした。

この物件の年間の純利益とキャッシュフローを計算してみます。

あるべき賃料収入は、
10戸×家賃5万円×12ヶ月=600万円 です。

空室ロスが600万円×20%=120万円 なので
実際の家賃収入は 600万円-120万円=480万円になります。

運営費が年間で120万円かかったとすると
480万円-120万円=360万円が純利益です。
これがNOIです。

借入返済額が月に20万円、年間240万円だとすると、
純利益360万円-返済額240万円=120万円が、
税引き前のキャッシュフローとなります。

計算式は次の通りです。

あるべき賃料収入 6,000,000円
空室ロス  △1,200,000円
実際の賃料収入 4,800,000円
運営費   △1,200,000円
純利益(NOI) 3,600,000円
借入返済額 △2,400,000円
税引き前キャッシュフロー 1,200,000円

この大家さんの純利益を増やす方法は、

物件の価値を上げて「あるべき賃料収入」を引き上げる。
空室対策によって「空室ロス」を減らす。
「運営費」を見直してコストカットする。

以上の3つしかありません。
この計算式をみれば、課題はシンプルなことが分かりますね。

ぜひ、この計算式をマスターしてください。

この計算の応用編を、
「リノベ提案編」の3回目の
「リノベの提案書とシミュレーション」で披露いたします。

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