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【空室対策編③】お客様に選ばれる募集条件とは

こんにちわ。
新井です。

家賃と物件価値のバランスが合っていて、
物件情報の見せ方についても工夫がされているなら、
お客様は物件の内見に訪れてくれるでしょう。

しかし、もしインターネットからの問い合わせが少ない、
業者からの問い合わせもない、という状況なら、

もう一度、前の2本の記事に立ち返ってみてください。
きっと、何かの問題点が残されているはずです。

さて、
物件を見ていただいた上で、
お客様に気に入っていただき、
決断していただくために、

お部屋をキレイに保ったり、
空室セットや家具を設置する話をいたしました。

そこで、もうひとつ、
お客様の背中を押すような仕組みを用意していただきたいのです。

それが「貸し方の工夫」となります。
今回の記事では、
内見した複数の物件の中から
あなたのお部屋を選んでいただける募集条件について解説いたします。

100の価値あるモノに100という値段が付いていたら、
人はそれを気に入るかもしれませんが、決断するには躊躇するでしょう。
100のモノを100で手に入れるのは当たり前です。
しかし、それが95で手に入るなら、それが決断の引き金になります。

今のお客様は、家賃の値引き交渉に遠慮しない人が増えています。
堂々と交渉してくる人と、遠慮がちにしている人の違いはあっても、
すべてのお客様が「もう少し家賃が下がったら・・」
「もう少し有利な条件だったら・・」という希望を持っています。

それは100の価値を認めているけれども、
自分だけには90か95で売ってほしいという、人間の心理です。

そこで大家さんから
「万一の場合はココまで譲歩しても良い」という条件をいただいておくと、
迷っているお客様の背中を押すことができます。

それは、
家賃を下げることであったり、
初月の家賃をサービスすることであったり、
エアコンなどの希望する設備を付けてあげる、という条件です。

仲介手数料を大家さんに負担していただいて借主には無料にする、
礼金1ヶ月のところをゼロにする、
などのバリエーションもあります。

これらは大家さんに、
家賃1ヶ月~2ヶ月分の収入減か経費増をもたらしますが、
少しでも空室を早くきめるための販売促進費としてご理解をいただく必要があります。

しかし、このような借主有利な条件なら、
募集段階で告知した方が集客につながるという意見もあるでしょう。

たしかに、それも正しい意見です。
そもそも、問い合わせがなかったら内見はありませんので、
出せるカードはすべてオープンにして、
とにかく問い合わせから内見を増やすというのは基本戦略です。

ただ、先にも申し上げた通り、
気に入った複数の物件で迷っているお客様の背中を押すような、
手持ちのカードを残しておきたい、というのも戦略です。

そのカードがあれば、営業スタッフさんのクロージングにも使えます。

そして、カードを切ることなく決めていただけたなら
大家さんの出費を増やしたり収入を減らすことも避けられます。

そういう意味で、最後の切り札を用意しておきたい、のです。

「お客様だけ特別です」と言って差し上げたいのです。

さて、募集条件として最初からオープンにするか、
最後のカードとして活用するかはともかくとして、

お客様の背中を押すような募集条件を、いくつか検証してみましょう。

【フリーレント】

ずい分前から活用されているおなじみの手法です。
最初の家賃の1ヶ月か2ヶ月分を無料にするという条件ですね。
その分は大家さんの収入を減らすことになります。
これは販売促進費です。

たとえば2ヶ月分のフリーレントとは、
借主が5年間居住すると仮定するなら、
60ヶ月で58ヶ月分の家賃収入となるので、
58÷60と計算すると0.966になります。
家賃を3.3%下げたことになります。
5万円の家賃なら1,660円の値下げです。

フリーレント1ヶ月なら
59÷60で0.983、
約1.7%下げたことになります。
家賃5万円なら830円の値下げです。

単身物件の場合で、居住期間を3年と計算するなら、
フリーレント2ヶ月の場合は、
36ヶ月で34ヶ月分の家賃収入となるので、
34÷36と計算すると0.944になります。
家賃を5.5%下げたことになります。
5万円の家賃なら2,770円の値下げです。

同様にフリーレント1ヶ月なら
1,380円の値下げに相当します。

家賃を下げると他の借主さんの家賃にも影響することがありますが、
フリーレントは契約家賃を下げないで済みます。
不動産会社が受け取る仲介手数料もしかりです。

お客様は、家賃を1,660円下げてもらうより、
家賃を2ヶ月無料にします、と言われた方が、
得する、と感じるのではないでしょうか。

あくまでも5年間居住してくれたら、という仮定の計算ですが、
借主が永く暮らしてくれるかどうかは、
賃貸管理の質が大きく関係することを思い出してください。

この2ヶ月のフリーレントは、
「4ヶ月は家賃が半額」というバリエーションもあります。

あるいは、「最初の2ヶ月は家賃100円」という貸し方もできます。

100円より無料の方がお客様は得なのですが、
「家賃が100円」というフレーズにインパクトがあります。

【入居費用がゼロ円】

賃貸物件を借りるときは、
前家賃、仲介手数料、火災保険、保証料、鍵交換費用、礼金、敷金など、
家賃の数ヶ月分が必要になるのが通常です。

これらをゼロ円にして、
一銭も支払わずに入居できる、という募集条件も以前からあります。

それらは全て大家さんが負担したり、収入を減らす、という仕掛けです。
家賃の3ヶ月分くらいに相当する販売促進費です。

それでも5年居住していただけるなら5%の値引きに相当するので
2,500円の値下げと同じになります。

2,500円の値下げよりも、
「入居金ゼロですぐに入居できます」という条件の方が、
インパクトがあるのではないでしょうか。

この条件で募集するときは入居審査を慎重にする必要があります。
単純に「お金がない」という借主は、
家賃滞納やクレーム発生に結びつく可能性があるからです。

しかし、入居金として家賃数ヶ月分の手持ちがある人でも、
「ゼロの方がいい」と思うはずですから、
この方法が「不良借主予備軍」だけを集めるのでは、
という指摘は当たっていません。

最後に、同じ販売促進費の使い方として、
希望する設備を付けて差し上げる、という方法があります。

希望する設備とは、
エアコン、浴室乾燥機、テレビ付きドアホン、備え付け大型液晶テレビ などです。

「〇万円相当の設備をプレゼント!」というような表記ができます。
厳密に言えばプレゼントは正確ではないのですが・・・・・。

これらは大家さんの資産価値を高める設備ですので販売促進費ではありません。
経費ではなく投資していただくことになります。
なので、フリーレントや入居金ゼロよりも、
もっと多額を投下しても、大家さんには損はありません。
その違いを説明して理解していただく必要があります

以上のように、
3回の記事で空室対策の基本について解説いたしました。
この3つの方法は、ひとつひとつが独立したモノではなく、
すべてが関連しています。

まず、
インターネットや不動産業者の店頭で、
あなたの管理物件を見つけていただく必要があります。

そのために「やるべきこと」を明確にしてください。

次に興味を持っていただき、内見してもらう必要があります。

そのために「やるべきこと」も明確にしてください。

そして見ていただいたら決断してもらう必要があります。

そのために「出来ること」を用意してください。

その方法が、
・家賃と物件価値のバランスを合わせる
・物件の見せ方を工夫する
・お客様に選ばれる募集条件を考える

という基本戦略になります。

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