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【賃貸管理入門⑦】トラブル対応の基本 ~漏水・ゴミ・無断駐車トラブル~

賃貸管理のスタートアップをテーマにした6回目です。
今回は賃貸トラブルの中でも発生件数において上位の
漏水、ゴミ、駐車トラブル」について解説いたします。

まず最初は「漏水トラブル」からです。

漏水の原因のひとつは雨漏りです。

雨漏りは、建物と設備の老朽化によって発生します。

防水工事の耐用年数は10年から15年ですので、
壁のヒビ、タイルのずれ、コーキングの摩耗などが起こり、
小さな隙間から水が浸み込んでしまいます。

今回のテーマではありませんが、これを防ぐには、
適切な時期に大規模修繕を行うことです。

最近は激しい豪雨による被害が増えています。

横殴りの雨が、換気扇の開口部分やエアコン配管用の穴から入り込んで、
雨漏りになることも増えています。

雨漏りに限らず漏水全般は、原因箇所の特定に時間が掛かるのが特徴です。

大掛かりな調査が必要な場合もありますし、多額の費用がかかる場合もあります。

つまり解決までに時間がかかります。

入居者さんのストレスがかなり高くなりますので ケアが必要になります。

借主には何の罪もありませんし、貸主も完璧な防水の建物は用意できません。
たまたま、そんなタイミングに入居していたという不運です。
その立場に置かれた心情を理解した対応をすることで
借主の不満を少しでも和らげることができます。

いざという時に効率よく早く動けるように、
漏水の連絡が入ったときの手順を決めておきましょう。

まず連絡を受けたらすぐに現地を訪問します。

仮に雨が降っているときに漏水の連絡を受けた場合は、
雨が降っている最中に出来ることは少ないのですが、
いっときでも早く現場に行って状態を観て差し上げる行動が大事です。

連絡を受けて最初に現場に行った時点では、
まだ原因が雨と確定していませんので入居者の話をよく聞く必要があります。

水漏れが発生した時は雨か、雪か、風の強い日か、
上の階の入居者が不在時だったか、それとも水を使っていた様子があったか、
もっと具体的には、上階が給湯器や暖房を使用していたり
入浴などをしていなかったか、などを確認する必要があります。

これらの質問に対する答によって、漏水の原因を予想できるときもあります。

また、漏れている水の性質からも原因を探ることができます。

綺麗な水であれば、上水の給水管から漏れている可能性が高いです。
その場合は、漏れている水量は多いはずです。

汚い水であれば、汚水か雑排水ということになります。
これは衛生的にも問題がある事態です。
温かければ、給湯や浴槽のお湯が漏れている可能性があります。

これらの水回りに関係ない箇所であれば、雨漏りが原因と想定できます。

漏水の原因を発見する手段として
室内の全ての蛇口を締めて水道メーターを確認する方法があります。
水を止めているのにメーターが動いているときは漏水の恐れがあり、と判断できます。

原因究明のあとは、漏水している部分の写真を撮影して、すぐに業者手配をします。
そして入居者さんに、今後の業者による修理の流れを説明します。
時間がかかるかもしれないことを理解していただくように努めます。

漏水専門の業者が入ったときの手順は以下の通りです。

晴れた日にハシゴや足場を使って怪しい個所を調査します。

ハシゴや足場を使うような場所以外にも、
出窓の上部やバルコニーと部屋の堺、屋根の瓦、共用廊下と部屋の堺、
外壁のクラック等をチェックします。

怪しい箇所をコーキングして簡易的処理で様子を見ます。
様子を見て漏水が止まった事を確認したら、
外壁塗装等を実行して、内部の天井、壁、床等を復旧させます。

雨漏りが原因の場合は、
雨が降らないと漏らない、風が吹かないと漏らないこともありますので、
確認が長引いて長期化しやすくなります。
入居者さんの感情に最大限の配慮をする必要があります。

これらの漏水を事前に防ぐには定期的な点検が不可欠です。
排水溝のゴミの詰まりから居室内に水が漏れることもあり、
これも定期点検で見つけることができます。

定期的な点検と修繕工事を大家さんに提案して実施していただくように努めてください。

大家さんに加入していただく火災保険も検討する必要があります。

災害による雨漏りは保険がおりますが、老朽化による雨漏りは対象外です。

例外として漏水特約等の手厚い保障のある保険もあります。

入居者への賠償を目的とした施設賠償保険なども含めて、
大家さんに勧めることも検討してください。

つぎは室内に原因がある漏水について解説します。

この原因とは、
入居者の過失によるケースと、
工事の不手際によるケースと、
建物設備の老朽化によっておこるケースの3つが考えられます。

【入居者の過失によるケース】

どんな過失かというと、よく起こるのは、

全自動洗濯機のホースの接続がゆるくて使用中に抜けて下階に漏水。
浴室の排水口に髪の毛が詰まって浴室の水が溢れて床に流れ出す。
玄関の床を水で洗ってしまって階下に漏れる。
居室内の水道パッキングの不具合によって水が漏れる。
トイレを詰まらせて汚水が床にあふれ出る。
窓を開けっぱなしで出かけて大雨が室内に入り込む。

など、入居者の過失にも色々なケースがあります。

これらのように、原則として入居者に過失があるときは、
個人賠償保険・借家人賠償保険で対応します。

ただし全額保証でない場合もあるので慎重に言葉を選んでください。

入居者の過失による漏水事故を防ぐには、
入居時に漏水ついての注意をしっかりと説明することが大事です。

【工事の不手際による漏水事故のケース】

新築でも漏水事故が起こった事例がありました。

床下の給水管に接続不良があり、
入居後に水を使い始めて数ヶ月で漏れた水が溜まって漏れ始めたという事例です。

新築ではなく、
水回り関係のリフォーム工事が不適切で漏れたという事例もあります。

これらは業者の責任ということになるのですが、
工事を依頼したのが管理会社なら、
大家さんや入居者に対しては管理会社の責任ということになるでしょう。

【老朽化による漏水のケース】

老朽化が進むと、排水管等の設備から漏れたり、
銅管の給湯管に極小の穴が開いて水が噴水のように漏れることもあります。

床下や壁の中で起こっているので、原因箇所を特定するのに手間がかかります。

必要なら床や壁を剥いで原因を特定して修繕工事をします。

さて次は、ゴミトラブルの対応について解説します。
管理物件のゴミステーションにゴミが散乱するという問題です。

ゴミトラブルの原因は3つ考えられます。

入居者がゴミの分別や曜日や時間を守らない、
通りかかりの入居者以外の人が投げ捨てる、
カラスが漁る、の3つです。

ゴミトラブルの対処法としては、
まず予防することと、
起きたときの対処方法をルール化しておくことです。

予防するには、
契約時にゴミルールについてしっかりと説明することです。

まず入居者本人に直接に説明するようにしてください。

説明のために、自治体のゴミ収集に関するパンフを取り寄せておきます。

プラスして会社独自に、管理物件ごとのゴミルールの説明書を用意しておきましょう。

そして、分別と曜日と時間とゴミステーションの使い方をしっかりと説明します。

ゴミステーションの現場にもポスターを貼りだしておきます。

カラス対策は、
ネットや囲いを付けたり、
フタができる設備を使うことで防ぐことができます。

通行人の投げ込み対策は、
同じくネットや囲いをしっかりすることで、捨てにくい状況をつくることができます。

費用はかかりますが、テレビカメラを見えやすい場所に設置することで牽制できます。
これはダミーカメラでも効果があります。

コンビニや駅などにゴミを捨てにくくなったので、
ガードの甘い賃貸物件が狙われますから、
しっかり管理されていることをアピールしましょう。

ゴミトラブルの原因の中で一番多い、
ルールを無視する入居者の対策はどうでしょうか。

防犯カメラを利用することも考えられますが、
遠くから狙うカメラではゴミを置くところは確認できても、
どのゴミを置いたのか までは確認できないこともあります。

そこで、ゴミを置いた本人を特定して直接に指導するために、
ゴミの袋を空けるという手段が考えられます。

実際に敢行した事例がありますが、
多くの場合では 功を奏してルールを破る人はなくなりました。

一方で、「これは犯罪なのでは?」という意見もあります。

「ゴミを放棄したものなので窃盗にはならない」
という考えもありますが、
これについては社内で見解を統一しておく必要があります。

さまざまな手を尽くしてもゴミルール違反が続くようであれば、
全世帯へ書面配布して警告し続けることになります。

今回の記事の最後は、
駐車場の無断使用によるトラブルについて解説します。

これは管理している月極駐車場や管理物件に、
無断で何者かが駐車をしてしまうというトラブルです。

無断駐車が発生したら、
まずは警察に通報して連絡してもらうという方法をとります。

警察は民事不介入とはいっても、所有者を調べて連絡する、
くらいのことはしてくれます。
遠慮しないで活用すべきです。

不法駐車している車には「駐車禁止」の張り紙で警告をします。
ガムテープは使えませんので、
赤色など目立つ字で大書してワイパーに挟み込むとよいでしょう。

何度も繰り返し駐車している長期駐車は、不法の可能性もあります。
たとえば車庫証明を偽っている可能性もあるので、
その旨を警察に通報して調べてもらいます。

警察が所有者を教えてくれないときでも、
陸運局で所有者を調べることができます。

所有者を調べるには、
運輸支局または自動車検査登録事務所というところで、
調べたい自動車の登録番号と車台番号と、
請求する理由と請求者の氏名及び住所を告げて、
1件につき300円を払うと教えてくれます。

そして、
管理駐車場を、無断駐車しにくいという環境にすることも大切です。

多くの人は善人ですので、
無断駐車することにプレッシャーは感じているはずです。

なので、しっかり管理されている印象のところは停めにくいです。

日常から、掃除や看板やライン等の管理をしっかりやっておきましょう。
それが大家さんへのアピールにもなります。

使用している人が具体的にイメージできる駐車場も停めにくいものです。
「契約車使用中」と掲載しておくと
「誰かが使っている駐車場」というメッセージが伝わって、
抑止効果になります。

空いている駐車スペースにカラーコーンを置いておくのも効果があります。

看板も善人にはプレッシャーを与えます。
「私有地につき無断駐車禁止」「契約者以外の不法侵入禁止」
などと書くとよいでしょう。

あなたの会社が管理している駐車場は無断駐車しにくい、
という状況を作ることが重要です。
つまりそれは、管理状態が良いという証明になるのです。

次の記事では「更新契約処理」について解説いたします。

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