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【賃貸管理入門⑤】家賃集金とオーナー報告

賃貸管理のスタートアップをテーマにした5回目です。
今回は家賃集金業務と、
入金結果や管理状況を大家さんに報告する業務
の解説をします。

入金結果の管理は、管理戸数が300までは通帳ごとの管理が便利です。
管理物件ごとに通帳を作ります。

たとえば10戸のアパートの専用通帳を作ります。
そこに10人の借主から家賃が毎月入金されます。
たった10人のデータなので一目で入金状況が把握できるでしょう。

そして大家さんに家賃を精算するときは、
入金された家賃を全額引き出して管理料や立て替えた費用を差し引いて、
大家さんにお渡しすれば通帳残高は必ずゼロになります。
金額の間違いがないかと合わせる作業の必要がありません。
シンプルで正確な方法です。

5戸くらいのアパートなら2物件で一冊です。
戸建てや区分なら10戸くらいで一冊です。

しかし管理戸数が増えると通帳の冊数も増えてきて、
かえって分かりにくくなってきます。
その限度が300戸くらいです。
通帳が20冊を超えて30冊に近付いたら、
仕組みを変える時期と思ってください。

次の段階は、
家賃は銀行振り込みではなく自動引き落としに移行します。

これは「収納代行サービス」を提供する会社と契約して依頼します。

都市銀行やカード会社は、
子会社に収納代行の会社を持っていますから、
便利な会社を選んでください。

収納代行会社に依頼すると、
全国のほとんどの金融機関の口座から、
家賃を引き落とすことが可能になります。

ここに給与振り込み口座を指定すると、
残高不足による引き落とし不能が格段に減ります。

収納代行サービスを使えば入金された家賃は通帳に一行記載されるだけです。
1000戸分の入金でも5000戸分の入金でも通帳には一行だけが記載されます。

一件ごとの入金詳細は、テキストデータか、
収納代行会社が提供してくれるソフトで確認できます。

入金結果を物件ごとに部屋順に並ばせることも簡単です。
もちろん入金不能のリストも作れます。

管理物件の家賃集金を収納代行サービスに切り替えるには、
借主から口座振替依頼書を記入して提出してもらう必要があります。

この作業は結構手間取るので、
300戸を超えたころに切り替えた方がよいのです。
1000件を超えていたら大変な作業になってしまいます。

収納代行サービスは賃貸管理ソフトと一緒になるとさらに便利になります。

まず「今月の家賃の請求データ」を管理ソフトで作成して収納代行会社に送ります。

収納代行会社は請求データに基づいて全国の口座から家賃を集めて、
その結果から入金データを作ります。

その入金データを管理ソフトに移行すると、
請求データの消し込みが行われて未入金だけが残ります。

本来は人間の手でキーボードから打ち込む必要がありますが、
これをすべてシステムがやってくれます。

人間が起こすミスもありません。
1000戸分でも5000戸分でも一瞬に終わります。
これらはAIの進化で出来るようになったのではなく、
30年以上も前からある便利な仕組みです。

この他に、保証会社からも集金されたデータが届く場合があります。

3社の保証会社の収納代行サービスを使っていると、
3箇所からデータが届くことになります。
管理ソフトによっては、これらの入金データを、
すべて取り込むことができるので、家賃集金の作業が大幅に軽減できます。

入金された家賃のデータは、
物件ごとに振り分けられて大家さんへの報告書となります。

この作業も管理ソフトがやってくれます。

たとえば10戸のアパートの収支明細報告書には、
101号室から205号室の借主の名前が並び、
その横に入金された家賃が掲載されます。

未入金の借主の家賃欄は空欄になっています。

もし103号室の借主が当月から入居したなら、
その横には徴収した礼金や敷金と当月の日割り賃料が掲載されるという仕組みです。

そして当月の家賃等の集金額が合計されて、
管理会社が徴収する管理料と立替金を差し引いて、
大家さんに送金される金額が計算されます。

これが、管理ソフトからプリントされる「今月の収支明細報告書」のイメージです。

さて、これらが毎月大家さんに提供する報告書の基本ですが、
もうひとつ、家賃集金以外の報告書について解説をします。

何を報告するのかというと、以下のような項目です。

【トラブルとクレームの報告】

この1ヶ月でどんなトラブル・クレームが起こり、
それをどのように解決したか、という報告です。

小さなクレームは大家さんに報告しないこともありますので、
大家さんは知らないこともあります。

これを報告しないで家賃集金状況だけ知らせていると、
「それしかやってないのか」と思われてしまいます。

それに、クレームやトラブルの内容によって改善点が見えてきますので、
その提案を聞き届けてもらうためにも、この報告は重要なのです。

【未入金と督促状況の報告】

保証会社が入っていると大家さんには毎月 満額の家賃が入ってきます。

しかし実際には滞納していて保証会社が立て替えている場合もあるかもしれません。

経営者として、その状況は知っておいた方がいいので、
いま、誰が滞納しているのか、督促はどうなっているのか、
どこまで進んでいるのかを報告します。

【日常清掃の報告】

管理メニューの日常清掃を採用していただいている大家さんには
「いつ清掃に行ったか」を報告すべきです。

ついでに空室の窓を開けて空気を入れ換えたりもするでしょうから、
これらもキチンと報告しましょう。

【設備点検の報告】

月に一回の頻度で建物と設備を点検するという業務があります。

こちらを請け負っている場合は、
そのチェック表のコピーを添付して報告しましょう。

毎月現場に行って、
このように点検しているという事を知っていただければ、
たとえば「そろそろ鉄部のペンキを塗り替えましょう」
という提案にも納得していただけるでしょう。

【空室の募集状況の報告】

これは重要な報告になります。

もし現在、3部屋が募集中の場合は、
この報告書が3部屋分追加されることになります。

インターネットの掲載状況、問い合わせ、
内見予約、実際の内見の様子などを報告します。

大事なのは内見があっても決まっていないという事実です。

そこには理由がありますので、
その理由を内見したお客様に聞いてレポートの中に記載するのです。

「家賃がちょっと予算に合わない」とか
「もうひとつエアコンが付いていれば」という
お客様の生の声は説得力があります。

同時に、空室を埋めるための私たちの努力についても理解してほしいのです。

家賃の収支明細報告とあわせて、
これらの報告書をマンスリーレポートなどと呼んでいます。

毎月の報告書は、管理会社の業務報告です。

いただいている管理料に見合った行為をしていることを理解していただくとともに、

大家さんが正しい賃貸経営の方針を選択していただくための情報となります。

しっかりとしたマンスリーレポートを提出しましょう。

次の記事では「トラブル・クレーム対応」について解説いたします。

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