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【賃貸管理スタートアップ編】まず管理メニューを作ろう

今回から
賃貸管理のスタートアップをテーマとして
11回の記事をお届けします。

・賃貸管理を始めて間がないので詳しい方法を知りたい
・当社の賃貸管理のチェックしたい
・新人に教えるのに参考にしたい

など、何かとお役に立てる記事になると思います。

週2回のペースでお届けしようと思うので
ぜひ、お読みください。

前回は、管理を増やす方法として
オーナーマーケティングについてお話ししました。

当然のことですが、その前提として
賃貸管理という「商品」が用意されているはずです。

その賃貸管理は、本当に、
オーナー様の賃貸経営の役に立つのでしょうか?

もちろん、
家賃集金や、トラブル対応や、退去の立ち合いなど、
代わりにやってくれたらオーナーは楽ができます。

だから、「役に立っていない賃貸管理」はないと思います。

ただし、「どのくらい役に立つのか?」というのは
各社で差があると思うんです。
あって当然だと思います。

オーナー様に賃貸管理という商品を買っていただくなら、
その商品の質は高い方が売りやすいに決まっています。

さらに、質が高い分だけ高い値付けができます。

あなたの賃貸管理に、
「家賃の2%か3%」なんて値付けをしていませんよね?

賃貸管理は「より質が高い方がいい」のです。
つねに「より高く」を目指すべきです。

そんなわけで、
「現在の当社の賃貸管理を採点する」という目的で読んでみてください

———————————————-
第1回目は「1.賃貸管理メニューを用意する」です。

これから賃貸管理を本格的に始めるとか、
現在の賃貸管理を見直したいという時に
まず自社の管理メニューを見直すところから始めましょう。

賃貸管理は商品と認識することが必要です。
賃貸管理は作業ではありません。

よく使わせていただく例ですが、
ラーメン屋でアルバイトしている学生などは
長くやっているうちにラーメン作りも任されるようになります。
しかし彼は作業として、ラーメンを作っています。

一方で経営者は、ラーメンを商品として作ります。
眼の前のお客様に「美味しい」と言ってもらえるように作ります。
この違いが大きいのです。

さて商品と言えば、基本になるのはメニューです。
メニュー作りを軽視するラーメン屋さんはありません。
他の商売でも同じです。

しかし賃貸管理の場合はメニューが軽視される傾向があるように思います。
用意がされていない管理会社さえあります。

お客様から頼まれて、何となく始めた賃貸管理だったので、
何をやるかも「見よう見まね」という会社もあります。
そこでメニューも何となく決まった、というわけです。

賃貸管理を基本から見直すなら、まずメニューの再構築から始めましょう。

でも管理メニューの項目も幅が広いので整理整頓しておく必要があります。

・メニューに並べるモノ
・メニューとして採用しないモノ
・今は採用しないが将来は検討するモノ

などに整理整頓しておくのです。

今回はスタートアップがテーマなので、賃貸管理メニューの基本を紹介いたします。

もっと大家さんに対して魅力的なメニュー作りについては
つぎのレベルアップ編でお伝えいたします。

賃貸管理メニューは

・一般的な管理メニュー
・メンテナンスメニュー
・保証メニュー

の3つに大別すると分かりやすいです。

まず最初は一般的な管理メニューから説明します。

以下のような項目が並びます。
・入居募集に関する業務
・家賃集金と報告に関する業務
・クレームトラブル対応に関する業務
・更新契約処理に関する業務
・解約受付と退去処理に関する業務

この管理業務で家賃の5%という料金が一般的です。

最初の入居募集に関する業務は、
入居募集から入居申込み受け付け、入居審査、契約締結、入居後のチェックまでの一連の業務です。

ただの入居募集だけなら媒介契約でも行います。
インターネット公開、現地看板等の取り付け、
レインズと近隣業者への告知などです。

これらに対して、賃貸管理ならではの特別な行為は何かを確認してください。
たとえば空室対策の提案です。

家賃等の査定やフリーレントなどの入居条件やリフォーム工事の提案など。
空室のモデルルームつくり、最近ではステージングと呼びますが、
これらを大家さんに提案するというのは、管理メニューの特色です。

そして空室の巡回点検です。
定期的に空室に入り、空気を入れ換えたり簡易清掃をします。
単にメニューに入居募集と表記しても、
どこまでやるかを決める必要があります。
あるいは項目によって管理料金を変えるということもできます。

残りの一般的な管理メニー項目の詳細については、
このあとの記事で順番に説明していくことにします。

つぎはメンテナンスメニューです。

このメニューは、すべての管理会社がメニューとして掲げているわけではありません。
あったとしても積極的に大家さんに勧めていないケースが多いです。
大家さんも特に必要と思っていないのです。

しかし大家さんに、
賃貸経営の収益をしっかりと稼いでいただくには重要なメニューです。

単なる「大家さんの代行を請け負う賃貸管理」ではなく、
「大家さんの収益に貢献する賃貸管理」を掲げるなら、
なくてはならないメニューとなります。

専門的な知識や経験も必要となる業務ですので、
専門業者にアウトソーシングすることも多いでしょう。
ぜひ、積極的に取り入れてもらいたいメニューです。

メンテナンスメニューの内容には
・共用部分の日常清掃
・建物設備の定期巡回点検
・法定点検の提案とサポート
・大規模修繕工事の提案と施工管理
などが並びます。

このあとの記事の10回目の「設備メンテナンス」で詳しく取り上げます。

最後は保証メニューです。

こちらも、すべての管理会社がメニューとして掲げてはいません。
積極的に大家さんに勧めている管理会社も多くはありません。
まず管理メニューに保証を取り入れるかどうかを検討してみてください。

ひとつめは滞納保証です。
家賃滞納から明け渡し訴訟や夜逃げに至ったときに、
取り損なった家賃を保証するというものです。

現在では保証会社を利用することが多いので、
大家さんもある部分は保証されています。
しかし保証会社の倒産も起こりうる事態ですので、
万一のときは管理会社が保証する、というのが滞納保証です。

このメニューによって管理料を上げることができるかもしれません。
または他社の管理メニューとの差別化となります。

つぎは空室家賃保証です。

最近では ほとんど一括借り上げと同じ内容として使われています。
サブリースともいいます。

空室による機会損失という大家さんのリスクを、
管理会社が一定額で借り上げることで無くすことができます。

管理会社は物件の稼働率を高く保つことができれば、
通常の管理料より収入を多くできます。
反対に稼働率が低いときは逆ざやになるリスクもあります。

管理会社さんによっては、
たとえば5000戸の管理物件のうち、3000戸はサブリースという会社もあります。

稼働率が95%を超えていると
1万戸に匹敵するような管理料収益が得られます。

大家さんの空室というリスクを無くすので、
管理メニューとして他社と差別化が実現できるのと、
少ない管理戸数でも管理収益を増やせるというメリットがあります。

もちろん背中合わせの逆ざやというリスクを理解した上で、
管理メニューに加えることが可能かどうかを検討してみてください。

空室対策能力と客付け力に自信があるなら、検討の余地のある管理メニューです。

賃貸管理のメニューは以上の3つで構成されます。

現場でどうやるか、はこれから考えるとして、
すぐにメニューに並べるモノ
メニューとして採用しないモノ
今は採用しないが将来は検討するモノ
を決めるという整理整頓から始めてください。

大家さんに堂々と「これが当社の管理メニューです」
と言えるメニューを作りましょう。

次回の記事から
ひとつひとつのメニュー項目を詳細に解説していきます。

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