ダイレクトメールを3回以上届けたら
いよいよ大家さんの訪問を開始しましょう。
大家さんを訪問するときは、目的を明確にしてください。
もちろん、管理契約をいただくのが最終目的ですが、
初回の訪問で達成できるもの ではありませんので
「今回 の大家さんを訪問する目的」を意識してください。
・見込み大家さんになっていただく、という目的で訪問する
どんな目的であれ、
大家さんに会ってもらえること、つまり門前払いされない、
そして話しを聴いてもらえること、
さらに、次回も訪問出来ること、
この条件をクリアする必要があります。
私たちは、そのような関係になれた大家さんを「見込み大家さん」と呼んでいます。
あなたが作成したオーナーリストの中から
何人の見込み大家さんが作れたか、というのが
大家さん訪問の途中の評価基準になります。
・一般媒介で空室を預かる、という目的で訪問する
あなたの会社の「強み」が、店舗網や仲介力にあるなら
一般媒介で預かって、客付けして、そこから管理に移行するという戦略は有効です。
仲介部門のネット集客にも貢献しますし、手数料収入にもつながります。
しかし、預かるときは、あなたの基準で「再査定」する必要があります。
大家さんが希望する募集条件で「決められるのか」という基準です。
特に、物件の価値と家賃のギャップが大きいと、預かっても決められません。
礼金・敷金の条件やフリーレントの有無なども検討します。
査定の結果、あなたの提案は、
家賃を下げることかもしれませんし
設備を追加することかもしれません。
入居時の初期費用を下げたり
フリーレントを提案するケースもあるでしょう。
その場で大家さんに提案するかどうかはともかくとして
あなたの査定を しっかりとしておく必要があります。
もし、大家さんの希望条件のまま預かるとしても
あなたの 考えは伝えておくべきです。
そうすれば、1ヶ月経っても決まらないときに
「やはり、少し、条件を変えましょう」と提案しやすくなります。
一般媒介から管理に移行する戦略は
部屋を決めないと先に進めませんので
「決められる条件で預かる」というのが重要な要件です。
それが言えるためには、ダイレクトメールで関係性を築いて、
行けば会える「見込み大家さん」の関係になっておくことが重要なのです。
・空室対策として、大家さんに投資を伴う工事を提案する、という目的で訪問する
入居条件を下げる程度の提案なら、一般媒介のときにもできますが、
工事を伴うような空室対策を提案するときは一般媒介では預かれません。
預かれないことはありませんが、
せっかく、あなたの提案で物件力が上がったときに
前から募集している他業者に決められてしまったのでは「鳶に油揚」です。
専任か管理を前提に、しっかりと空室対策を考えて差し上げる、
というのが訪問の目的です。
大家さんとの会話から、いま空室がある、と分かったときに
「お部屋を見せていただけませんか?」とお願いします。
空室期間が長い場合には、部屋が決まらない理由が必ずあります。
それを見つけて、それには工事が必要というときは、
「私どもなりの、お部屋をすぐに埋めるための提案をさせていただいて よろしいですか?」
と許可をいただくのです。
そして、後日に、空室対策提案書として大家さんに説明・提案します。
その提案は、
棚を取り付けて収納スペースを増やすとか
壁のクロスや床を貼り替えるとか
エアコンやTVドアホンを取り付けるなどの
プチリフォームで済む場合もあるでしょう。
あるいは、つぎの項目で説明するような、
リノベーションという大がかりな工事の提案になるかもしれません。
・リノベーション工事を提案する、という目的で訪問する
あなたの強みが建築工事なら、この方法でオーナー訪問するのは有効です。
築20年を超えて、さらに20年以上 賃貸経営を続けるなら
設備を取り替えたり、間取りを変える、というような
リノベーション工事が必要な物件もあります。
もちろん、どんなに築年数が経っていても
最低限の修繕によって賃貸経営を続けることはできます。
それでは老朽化物件に突き進む 可能性もあるのですが、
それは、大家さんの考え方次第なので仕方がありません。
築年数が古く、設備も傷んで、
間取りも人気がなくなった物件の大家さんには、
リノベーションという投資も選択肢にあることは、伝えてあげたいと思います。
この目的で訪問する場合は、
築年数が20年以上で、まだ、大がかりな工事をしていない物件がターゲットになります。
賃貸リノベーションの提案については
「管理を増やす・リノベーション提案編」で詳しく解説します。
・オーナーセミナーへ招待する
オーナーセミナーについても
「管理を増やす・オーナーセミナー編」で詳しく解説します。
セミナーから管理を受託する戦略を成功させるには
大家さんを集客する必要がありますので、
そのための訪問はとても重要です。
しかも、訪問する側からみると、
大家さんへのメッセージが明確なので訪問しやすくなります。
賃貸管理という商品の売り込みではなく
無料セミナーへの招待という、相手に与える価値が明確なので
そのようなマインドになるのでしょう。
オーナーセミナーというテーマでは
1回のセミナーで3回訪問することができます。
オーナーセミナーのパンフを持参して告知する
オーナーセミナーに参加することを勧める
終了したセミナーの報告に行く
これで3回 訪問できます。
もちろん、訪問の理由はオーナーセミナーがテーマですが、
ついでに、空室のことや、賃貸経営の話ができて、
大家さんとの距離も近づくし、ニーズも読み取れたりしますので
オーナーセミナーへの 招待を目的としての訪問は、とてもよい戦略です。
・管理させてください、という正攻法の目的で訪問する
管理をさせていただくことが目的ですから
最初から「賃貸管理の説明をする」ことを目指す
という訪問もあるでしょう。
ただし、何度も話していますが
大家さんが、あなたの賃貸管理の話を、真剣に聴いてくれる場面を作る必要があります。
別に、大家さんに、あなたに管理を任せる意思はなくてもよいのです。
それは、あなたのプレゼンテーションで気持ちを変えればいいのですから。
ただ、真剣に聴いていただける状態でないと無駄になります。
大家さんの、賃貸管理へのニーズが読み取れたなら、
「当社の賃貸管理の説明をさせてください。よろしいですか」と
許可をもらってから、しっかりと説明してください。
さて、大家さんを訪問する目的のつぎは、
訪問するときに持って行く「武器」の用意をしましょう。
大家さんにお会いするのに「武器」とは物騒な例えですが、
目的を果たすのに役に立つ資料など、なるべく用意しておきましょう。
・賃貸管理メニュー
このあとの、
「賃貸管理・スタートアップ編」と「レベルアップ編」の記事の、
それぞれの1回目で賃貸管理メニューについて解説します。
この賃貸管理メニューは、管理を増やすためには とても重要です。
大家さんにとって、分かりやすい、見やすいメニューを作り上げてください。
大家さんが、あなたに管理を任せたら「どんなメリットがあるか」が 理解できるようなメニューです。
・賃貸経営のお役立ち情報をまとめた小冊子
オーナーニュースレターよりもページ数の多い
賃貸経営に役立つ小冊子を用意しておくと効果的です。
この小冊子を、別れ際に、お土産として 大家さんに差し上げます。
あるいは、大家さんがお留守のときや、
残念ながら、門前払いされたときも、
ポストに入れて帰るのです。
大家さんは、あとできっと読んでくれます。
訪問するたびに、別の小冊子を置いてくることができれば、
会ってもらえなくても、少しずつ、あなたへの注目度は増えていくはずです。
※オーナーニュースレターを購入いただいた方に差し上げています。
・空室対策事例
・リノベーション事例
いままでで成功した事例集なども、信頼を得るには効果があります。
・賃貸管理のプレゼン用のアプローチブック
あなたの賃貸管理のメリットを上手く説明できるように
アプローチブックを用意しておきましょう。
次の記事で、作り方を解説をします。
さて、大家さん訪問の履歴を記録しておきましょう。
訪問している本人だけでなく、上司や、あとで担当が変更になったときも
進捗状況を把握することができます。
大家さんごとに、
訪問日、面談できたか、面談の内容、見込み度ランク、
などの 履歴を残しておきましょう。
つぎの記事は、大家さんに効果的に賃貸管理を説明するための
アプローチブックの用意について解説いたします。
オーナーニュースレターのサンプルをお届けします。
https://www.geonetwork.co.jp/site2/hissu/index.html