オーナーマーケティングを行うエリアを決めて
その中にある賃貸物件を特定しました。
つぎは、その物件の所有者を調べて
オーナーリストを作ります。
作業はシンプルです。
特定した物件の所有者を登記情報センターで調べればよいのです。
不動産会社ならお手の物の作業です。
ただ、今回は、あなたのエリアの市場調査をしましょう、
と提案していますので
住宅地図の上だけでの調査では不十分です。
現地に行って、実際に物件を見る必要があります。
それだけのことですから簡単に思えますが、
実際にやろうとすると、なかなか進まない、というケースもありました。
ですので、しっかりとルールを決めて、
効率よく進められるような手順を紹介いたします。
調査が上手く進まない理由のひとつは 人手不足です。
「他の仕事が忙しいから」という理由で予定通りに進まないことが しばしば起こります。
成功している会社をみてみると
地域調査に専門のアルバイトを採用した、という事例があります。
もし、賃貸の 新人スタッフがいるなら
この地域調査は「地域を覚えてもらう」ために効果的な作業です。
あるいは、仲介や管理スタッフが手分けして行うなら
曜日と時間をしっかりと決めて、
予定通りに進むようにコントロールしてください。
ここからは、成功した事例に基づいて、手順を細かく説明していきます。
まず、エリアを最小単位に分けて
それぞれのエリアマップを作成します。
たとえば「○○町 ○ 丁目 ○ 番」という単位ごとに・・・
これは、ゼンリンの住宅地図のコピーを切り貼りして作成します。
次に図のような「地域調査シート」を用意します。
このシートの項目には、
・所在地
・物件名
・種別
・戸数
・間取
・空室
・不動産会社
・管理状況
・所有者
・所有者住所
・電話番号 等が並びます。
このエリアマップごとに地域調査シートを組み合わせてセットになります。
準備ができたら
地域調査シートとエリアマップとカメラを持って現地に行きます。
現地では以下の手順で調査を進めます
最初に写真を撮ります
物件プレートを一番に撮り、
次に外観やエントランスを被写体に捉えてください。
こうすれば、あとで「物件名が分からない」ということはありません
枚数にこだわらずに、外観やエントランス等も撮影します。
この写真は、あとでカナの物件名をつけて、
50音別のフォルダに分けてクラウド等に収めて管理します。
撮影したら調査シートに書き込みます。
所在地、物件名、種別、戸数は、
見たままに記入してください。
間取や面積は、
外観を見て、各世帯の、ベランダ側の寸法と、
その奥行きの寸法を目算で計ります。
サッシ等を見れば「間数(けんすう)」で、およその寸法は分かるはずです。
不動産屋さんなら、これは 分かりますよね
あとで、過去に配布された募集図面や
アットBB等の図面と照合して、
正確な間取図や面積を入手するようにしてください。
そのために、業者から回ってくる地域の募集図面は
「用済み」になっても保管しておくといいのです。
空室は、調査した時点の空室数を把握します。
ベランダのカーテンや郵便ポストでチェックできます
不動産会社名は、看板の業者名を書き込むわけですが、
管理か募集か 判明すればそれも書いてください。
管理状態は、ABCの3ランクで評価します。
あまりに汚れているとか、ゴミ置き場が乱れているような
特筆すべき管理の悪い物件には、Dランクをつけるとよいです。
これで現地調査は終わりです。
つぎは 所有者調べ、つまり大家さんを調べます。
インターネットの「登記情報提供サービス」を利用して登記内容を確認します。
所有者事項情報は、1件 145円ですが、
物件の所在地、所有者の氏名・住所のみで
構造や築年月日は分かりません。
そこで、1件 335円かかりますが
全部事項情報で調べることをお勧めします。
所有者の電話番号は調査できる範囲で調べます。
NTTは個人の電話番号をインターネット上で検索するサービスは提供してませんので
104の 番号案内かハローページで調べます。
これで、地域調査シートの、ほとんどの項目が埋まりました
このデータをエクセルなどに入力していきます。
このデータの使い道として、
所有者ごとの「名寄せ」があります。
一人の大家さんが、複数の賃貸物件や貸し駐車場を所有していることが分かります。
管理会社ごとの物件や大家さんの一覧も作れます。
ある管理会社の物件にはアプローチしない、とか
反対に、ある管理会社の物件を特定してアプローチする、などの使い方ができます。
築年数20年以上の物件とオーナーの一覧なども必要になるかもしれません。
もちろん、ダイレクトメール用の宛名シールへの印字にも使えます。
そのような使い道を想定して、エクセルなどにデータを入力してください。
また、エクセルのオーナーリストを用いて
Googleマップに、ターゲットの物件や 大家さん宅を表示させることもできます。
工夫をしていただければ、
アパートとマンションで色分けするとか
管理大家さんと 見込み大家さんを色分けして表示することが可能です。
このマップは便利ですので、ぜひ使ってみてください。
これで「オーナーリスト」が完成しました。
このあとは、このリストに向けてダイレクトメールを発送します。
これを毎月、継続します。
何のためにダイレクトメールを送るのか、
どのように準備して、何を同封するのか、
つぎの記事で解説いたします。