昨日から、リーシングの営業力について書いてますが・・・・
賃貸営業をしている方を見ると、「勉強不足」の人が多いことと、
もうひとつは「考え方」が間違ってるなーと思うことが多いですね。
まず営業の仕事を、「説明すること」とか「案内すること」と勘違いしている。
だから、お客様と会うとすぐに説明を始める。
「こんな物件があります」とか「これはいいですよー」とか。
いらっしゃいませ、と迎えて5分後には物件の紹介を始めています。
営業の仕事の中に「説明」や「案内」は確かにありますが、
それは契約していただくために必要な過程でやっているだけですよね。
それこそが営業の仕事、と思うのは間違いです。
その前にやるべきことがあります。
それから「申し込んでもらうことをお願いすること」だと思っている人もいます。
だから、「こちらにお申込みください」とか「お願いします」なんて言ってる。
ついでに、「いつでもキャンセルできますよ」なんて付け足して・・・・・。
お客様は、営業スタッフがお願いしてもゼッタイに申し込みも契約もしません。
お客様が決めるのは、その部屋で暮らしたい、と感じたときだけです。
その部屋を選ぶことがメリットがあると理解したから、契約するのです。
営業の仕事は、それを「気づかせる」ことでしょう。
そしてお客様にとって、そこに決めることが「いいこと」なのですよね。
唯一無二の「最上の選択」ではないかもしれないが、
いまある選択肢の中で「もっともいい選択」のひとつであることは間違いありません。
その選択肢を示して差し上げているのに「お願い」する道理はありませんよね。
お医者さんが薬を処方するのに
「これを飲んでください。お願いします」なんて言いません。
逆に、そんなことを言われたら、薬を飲むのに不安になります。
「手術させてくださいよー。お願いしますよー」なんて言われたら
診察室から逃げ出すでしょう。
「医者と営業は違うだろー」と言うかもしれませんが、「ある意味」では同じですよね。
患者は、病状に困っているから、直してもらいたくて医者に頼んでいます。
賃貸のお客様は、住み替える必要があって困っているから、
自分の希望に合った貸室を紹介してもらいたくて、あなたに頼んでいます。
どちらも「困ったこと」を解決して差し上げるのは同じです。
ただし、だからと言って、「横柄な態度」で接しろなどと言っているワケではありません。
それどころか、礼儀正しく「ピシッ」と接しなければダメです。
お客様が気持ちよくなるような態度でエスコートするのが営業です。
(そこのところはお医者さんと違いますね。お医者さんはエラソーにしてますから)
中途半端な考えの営業スタッフは、
そのへんの態度はダラダラーッとしているくせに、
対応はヘラヘラーッとお客様に迎合しているのです。
これは基本的に、「営業に対する考え方」をはき違えているのだと思います。
僕は賃貸仲介営業の定義を、
地域のことや賃貸物件について素人のお客様に対して、
住み替える事情や希望条件を正確に把握して、
現実を理解させつつ、
自分がよいと信じた物件が「ベスト」であることを「気づかせて」、
契約まで誘導すること
と理解しています。
そのためには、
「お客様から信頼されていること」と、
「お客様からすべて聞き出すこと」が必要不可欠です。
これは、お医者さんと同じですよね。
そして、お客様を納得のところまで導く術(すべ)が必要です。
これもお医者さんには必要です。
なんといっても「ハラを切る」ことを納得させるのですから。
さて、前提条件は「このくらい」にして、
明日から具体的に語っていきましょう。