「オーナーニュースレター活用で
管理を増やすためのビデオ講座」
29本目をお届けします。
本日のタイトルは
「リノベ提案3 プランニングと予算設定」です。
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今回は具体的なプランニングです。
まず最初にやるべきは、
「ターゲットを絞る」ことです。
たとえば、55m2の3DKのリノベプランを考えるとします。
間取りを2LDKに変えよう、
キッチンや洗面ユニットを新しくしよう、
床と壁と天井のクロスを貼り替えよう、
というような案を考えて実施したとしても、
これでは、
表面的に新しい2LDKが出来上がるだけです。
このような2LDKなら、
新築や築淺物件が多く募集しているはずです。
プランの対象は、
建物の外観や共用部分が古いのですから、
新しい物件と比べたら、
お客様から選択される順番は
後回しになってしまいます。
新築や築淺物件なら単なる2LDKでも、
それなりに競争力があるかもしれませんが、
築30年を超えているような建物で
単なる2LDKを作ることは、
大きな賭け、と言わざるを得ません。
築古物件には古いなりに戦える戦略が必要です。
それが「住む人を絞り込む」という戦略です。
たとえば、同じ55m2の面積でも、
DINKS という、
子供のいない共稼ぎのカップル世帯に
ターゲットを絞る、と考えた場合、
ベッドだけ置ける小さめな部屋と、
仕事ができるスペースが併設された
広いリビングを主体にした間取り、
というプランが考えられるかもしれません。
さらに、
ペットを飼っている、という条件を加えたり、
ペットは猫に限定する、という条件に絞っていくと、
考えられるプランが極めて特徴的になってきます。
このプランで作られた部屋は、
小さなお子さんのいるファミリーには
受け入れられませんが、
猫を飼っている二人だけのカップルには
ドンピシャの物件になります。
これが、
ターゲットを絞る、ということです。
ターゲットを絞れば絞るほど、
そのターゲットとされたお客様にとって、
魅力のある物件になります。
この方たちは、今までは、
子供のいるファミリーにも
受け入れられるような普通の部屋に、
我慢して暮らすしかなかったのです。
ただし、一方で、
その需要が本当にあるか、
という見極めが重要です。
この需要は、
地域によって大きく違いますので、
賃貸管理や仲介をしている者が、
お客様の動向に常にアンテナを張って、
新しい需要を予想できるようになっておく必要があります。
世の中でヒットしている商品の中には、
顧客を絞っているものが多くあるのが事実です。
大量生産で大量消費という時代から
変化しているのですから、
築年数が古いというハンディを背負っている物件は、
可能な限り、住んでいただく顧客層を絞った、
間取りや設備や素材選びが必要なのです。
ターゲットを絞ったあとは、
予算の上限を決める必要があります。
これは、
ターゲットが支払える賃料がベースになります。
同じ55m2の物件でも、
子供のいるファミリー世帯と、
二人だけのカップル世帯と、
収入に余裕のある単身世帯では、
支払う家賃の予算が異なります。
ターゲットを決めることによって、
お客様が支払える家賃が決まるのです。
2LDKはいくらの家賃、ではなく、
暮らす人が いくら払えるか、で決めるのです。
それが、
リノベのあとの募集家賃になります。
すると、
このリノベーション工事にかけられる予算は、
「賃料収入の何年分で回収するか」
という方針で決まります。
もし、ターゲットが支払える賃料が8万円として、
回収期間の目標を3年とするなら、
工事にかける費用の上限は、
8万円×12ヶ月×3年=288万円
と計算できます。
約300万円を上限として、
ターゲットが望む部屋にリノベするための
プランを考えるのです。
やりたいことが多くあったとしても、
工事予算の中で優先順位をつけて、
取捨選択する必要があるでしょう。
あるいは、
キッチンや洗面ユニットを新しくしたいけど、
パネルの表層にシートを貼ることで、
予算内で納めよう、
という選択もできるでしょう。
リノベは多くの空室対策のひとつです。
それ自体が目的でないことは最初に述べました。
仮にお客様が決まり、
空室が埋まったとしても、
回収するために、
入居者の入れ替わりが何回も必要になるのでは、
よい提案とは言えません。
お客様に選んでいただくために、
色々なことをしたいとは思いますが、
そこには上限を、必ず設けておくべきです。
それは、
ターゲットと、
投下資金の回収期間を決めることで、
明らかになります。
今回の動画はこちらになります。