先日、電話セールスがありました。
電話セールスは出た瞬間に分かりますよね?
「お忙しいところ恐れ入ります。
〇〇様でいらっしゃいますか?」
この「お忙しいところ・・・・」と言われた瞬間に、
セールスだと分かります。
すでに「どこで断ろうか」とタイミングを探しています。
よほど忙しいときはこの瞬間に
「けっこうです」とやりますが、
普通は相手が何を売りたくて電話をしたのか、
判明した瞬間に「間に合ってます」と断りを入れます。
先日の場合は、
「御社のホームページを見て電話しいます」
と入ってきたのでこの段階では断れません。
「僕のHPを見て何を言うのだろう?」
という興味がわきましたから・・・・
次に彼が
「当社はFAXDMのサービスを提供させていただいている会社ですが、
とても効率のいい方法を提案させていただいております。
御社では、FAXDMを利用されることはありますか?」
と一気に続けて最後を質問で締めました。
ここで、
「いいえ。うちでは使ってません」
といってガチャンとやるのが普通です。
昨日は、たまたま気分が良かったので、
「いいえ。当社では使うことはありません」
と言って彼のセリフを待つと、
「分かりました・・。それでは失礼します」と
声のトーンを落としながら電話を切りました。
「エエっ? ここで終わり?」
ちょっとマズイ電話セールスですね。
ちゃんとロープレを繰り返してるのかな?
まず、元気がありません。
しかも棒読みです。
だから瞬間に「電話セールスだ」と分かります。
もし10年前からの知り合いみたく元気に
「もしもし!」と入ってこられたら
「あれ、知っている人かな?」と一瞬でも思うでしょう。
ちなみに電話セールスの場合、
「間に合ってる!」「いらん!」と何度もやられるので、
段々と元気を失うのでしょう。
僕のところに電話してきたときは相当断られたあとかもしれない。
だから電話セールスは机に座って、
背中を丸めて原稿を読みながら・・・というのはダメなんですよね。
さて、
「御社のホームページを見て・・・・」という導入部分は、
僕にとっては悪くありませんでした。
ホームページの改善をいつも考えていますから。
だから、
「賃貸管理のご専門なのですね。拝見させていただいて、
とても参考になりました」と続けてくれたら、
ちょっと断りにくく状況に追い込まれますよ。
褒めてくれてるし、
僕の記事を読んでくれてるし、
僕の欲しいものを売っているのかもしれないし、
ひょっとしたら僕のお客様かもしれないし・・・
この断るタイミングを与えずに、
ある程度の時間をコミュニケーションすることは
大事なのです。
ある時間を過ぎると「まあ、聞いてみよう」と、
何となく腰が落ち着きますから。
最初の「断ってやろう」モードが影を潜めるのです。
彼の言った「HPから電話番号を探した」
という話は本当でしょうから、
もう数分間の時間を使って「どんなHPか」くらい
メモしておけば良かったのに・・・・・
おしいですね。
そしてすぐに、
「当社はFAXDMで・・・」と続けてしまったので
何を売りたいのか一瞬で分かりました。
よほどFAXDMに興味のある人しか、
この先の話を聞こうとはいません。
しっかりと断るタイミングを与えてくれました。
たとえば、このように続けられたらどうでしょう。
「御社のホームページを拝見いたしますと、
不動産業者様向けに〇〇を販売されているのですね」
「このような、企業から企業さまへの販売方法として、
とてもコストパフォーマンスに優れた方法がございます。ご存知ですか?」
「そんなの知るか!」とは誰も言えません。
さらにFAXDMには触れないで、
「BtoBの場合はメールを使うと思いますが、この方法は・・・」
「郵送によるDMもありますが、こちらはコストが・・・」
「私どもが提案する方法ですと、これらの方法と比べても55%も・・・」
「詳しいパンフレットがございますが・・・・」
こんな風に続けられると、
「どんな方法が知りたい」と思うでしょう。
僕の所に来れば教えてあげるんだけどな・・・
さて、
賃貸のオーナー訪問をしている時も
同じように「断られない工夫」が必要です。
電話でもインタフォンも目の前に居る時でも基本は同じです。
最初のアプローチでは
「断るタイミングを与えないこと」を真剣に考えてください。
相手に一秒でも「その間」を与えると
「いいよ。結構です」とやられます。
そのための工夫として、
「言葉の終わりは質問で締めくくる」ことを意識します。
「お世話になっています。わたくし駅前の○○不動産のものですが・・・・」
こう言って相手の反応を待つと
「ああ、不動産やさんね。うちは○○さんに任せてるから」と返されるのです。
だから、
「おはようございます!駅前の○○でございますが、
大変にお世話になっております。お忙しいところ大変に失礼ですが、
ご主人(奥様)のところの○○マンションは、いま空室はございますか?」
ここまでは一気に話します。
何であれ、質問されれば、
「空いてます」「空いてません」と返すでしょう。
そこで間髪入れずに次の言葉を用意しておきます。
次の言葉も一気に話し、
締めくくりは質問で終わらます。
質問して答える、質問して答える・・・・
この問答で
「あなたが訴えたい方向に話が進んでいく」
ように組み立てるのです。
それくらいの事前準備をしてください。
「行き当たりばったり」だと「玄関払い」に合います。
そして「ロープレ」という練習をします。
「営業に練習なんて・・・・」と言うかもしれませんが、
練習はとても大事です。
プロ野球選手が2時間くらいのゲームをするために、
どれだけの練習時間をこなしているかご存知ですよね?
歌舞伎役者さんも
落語家さんも
武道館を一杯にするアーティストも、
舞台の何十倍もの練習をしています。
(僕も含めてですが)
私たちは、それを忘れがちです。
賃貸のオーナー訪問は、
最初のアプローチでどのように入るか、
その方針を決めて一所懸命に練習をして、
オーナーの前で本番を演じてみて、
上手くいかなければ修正をする。
それを繰り返していくのです。
あなたは上手くいかなくても、
何度もゲームに出られるし舞台にも立てるのですから。
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