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【賃貸管理トラブル】黒魔術と対決した日々

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これは本当にあった話です。

 

 

ある日
新築マンションに入居した借主さんから
「異音がする」というクレームが入りました。

担当スタッフが訪問して
マニュアル通りに状況を聞いてみると

夜中に「ゴツンゴツン」という
何とも言えない変な音がする、と言うのです。

苦情を訴えている人が「変」なのか、
上に入居した人が「変なこと」をしてるのか、

スタッフは悩んで僕に相談してきました。

実は、上に入居した人の事は覚えていて

ぼくが入居審査を「通すかどうか」
悩んだ人だったのです。

直前のキャンセルのせいで
新築なのに「満室引き渡し」が
できないかもしれない、という焦りもあって

「エイ」とばかりに審査を通した人だったのです。

ファミリーマンションに
「独りで住みたい」と申し込んできて

「独身はダメです」というと

「婚約者がいる」と言って
ある女性の住民票を持ってきました。

あとでそれは「ウソ」と分かるのですが、
そんなウソなど可愛くなるような
事件を起こす人を僕は入居させてしまったことを

この時はまだ知らないのです。

 

スタッフから相談を受けた僕は
いやーな予感を振り払って
「これは僕も一緒に対応するよ」と
返事をしました。

このスタッフには荷が重いという判断と
自分が審査を無理に通した責任と

ひょっとしたらスタッフの良い経験
になると考えたのだと思います。

 

スタッフがその借主(X氏としましょう)に
「訪問したい」と電話すると
駅前の「シュベール」という喫茶店で会う、
という返事です。

平日の昼下がりに3人で会いました。

「しばらくです」と言っても
会釈すらしません。

単刀直入に
「夜中にゴツンゴツンという異音を
お聞きになったことはありませんか」
「前の火曜日の2時頃と金曜の2時頃です」
と尋ねました。

 

するとX氏は表情を変えずに

「下の階と私との間に霊が存在する」
「その霊が攻撃してくるので応戦しているのです」

と言いました。

 

 

 

数分間の沈黙が流れたと思います。

 

 

 

「何をバカなことを」と
スタッフが小声で言いました。

これは禁句ですね。

 

するとX氏は、
「あなたは黒魔術を信じないのですか?」
「丹波哲郎先生の本を読んでいないのですか?」
と声を荒立てました。

 

 

いや、弱ったことになったな、
まさか、そーくるとは。

 

 

その場では
「とにかく夜中に変な音を立てるのは
やめて下さい。いいですね」
と言って分かれました。

このまま駅前のシュベールで
会社のユニホームを着た二人が
黒魔術の議論に巻き込まれる訳には
いかなかったのです。

 

その後も、下の階の方に確認すると
異音は「時々ある」とのことです。
他の部屋の方にも聞き込みをしたところ
「たしかに」という複数の証言が得られました。

 

これは対決するしかない、
と意を決して電話をすると

「ならば部屋に来てもらいたい」

と言われました。

「何時ですか?」
「2時です」
「夜中のですか」
「そーです」

 

いよいよ覚悟を決めた僕たちは
夜中にマンションの前で待ち合わせをして
X氏の部屋に向かいました。

 

「部屋に入ったらさー」

「蝋燭が灯っていて魔法陣が描かれてたら怖いな」

カラ元気で冗談を言いました。

 

部屋に入るとまったく普通で
「なーんだ」というカンジですが、
夜中の2時に男子3人が
無言で向き合うという構図になりました。

 

 

正直に書くと
ここまで言うのだから「何か起こるかも」
という期待がなかった訳ではありませんが、

 

当然のことながら何も起きません。
スタッフが「何も起きないじゃないですか」
というと
「今日は調子が悪かった」

何の調子が良くないのか分かりませんが

「ふざけないでください!」という雰囲気になり
2時間くらいの滞在が終わりました。

 

連帯保証人は山形県に住むお兄さんで
電話をしたら「家賃は払っているんでしょ」
という対応です。

弟の奇行を知っている感じがしました。

 

警察にも相談しましたが
「危害を加えているのではない」
ということで動いてくれません。

こういう案件は「保健所だ」ということで
保健所にも相談に行きました。
山形県の実家にも確認してくれると
言ってくれました。

 

その後は、僕らはしつこいくらいに
文書や電話等で注意をし続けました。

X氏ご本人は、
本当に霊に攻撃されていたのかもしれないので
考えれば気の毒なのですが、
あまりに注意がしつこいので
怒って家賃の滞納を始めました。

 

滞納が1ヶ月を超えた時点で
山形県のお兄さんに督促状を
内容証明郵便で送りました。

 

すぐにも裁判を起こしそうに
厳しく書いた記憶があります。

 

するとお兄さんが慌てて上京して
すぐに解約手続きをして

弟の首に縄をかけるがごとくにして
サッと風のように退去していき、
この件は決着しました。

駅前のシュベールで
数分の無言時間を過ごした時から
3ヶ月が経っていました。

 

この件では特に「オチ」はないのですが、

このような借主は
保証会社の審査には通るでしょう。

 

こんな奇行をしても
家賃滞納がなかったら
保証会社は追い出すための行動を
とってくれるのでしょうか。
まあ、保証会社によって対応は違うでしようけど。

 

僕の「この人は変だ」という感覚を信じれば
入居不可にできたのですが、

もし断っていたら「この経験」はないのですから
何とも複雑ですね。

共同住宅に適しているかの審査基準は
保証会社は持っていないので
それは管理会社に必要なスキルです。

 

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