「空室管理・巡回」という項目が
管理メニューに加わったのは
いつ頃でしょうか。
僕が現場にいた平成4年には
なかった感覚ですね。
その後のコンサルティングの中で
必要性に気が付いて提案するようになりました。
それだけ空室の長期化が問題になっている
ということでしょう。
なので現代なら
この「空室管理・巡回」を管理メニューの項目に
掲げるべきです。
そしてオーナーに誇示すべきです。
となると、
「いつ、何をする」というサービス内容を
しっかりと決めてルール化しておく必要があります。
前回は「モデルルーム化」について書きましたが
モデルルームとはいかないまでも、
貸室には「必ずセットする」グッズを決めておきます。
・スリッパ(スリッパ立て)
・玄関マット
・消臭剤
ここまでが玄関3セットですね。
そして主要な部屋に
・カーテン
・照明器具 など
それから
物件から主要施設までの距離と所要時間の一覧表。
・買い物施設
・教育機関
・病院
・娯楽施設
などですね。
マップになっていれば「なお良し」です。
あと、よく紹介されているのは、
・オーナーからお客様へのウエルカムメッセージ
・間取り図と巻尺(メジャー)
などです。
これらの「空室グッズ」を決めて
原状回復工事が済んだら「必ず」セットすること。
ここまでの流れを整理すると、
1.退去の連絡を受ける
↓
2.募集条件を提案する
↓
3.入居募集を開始する
↓
4.退去立合いをする(見積依頼)
↓
5.費用の負担調整をして工事発注をする
↓
6.工事完了チェックと同時に「空室グッズ」をセット
↓
7.該当物件はモデルルーム化する
↓
8.このあとは定期的に空室管理を行う
1から3はスムーズに運んで
4から6の期間をできる限り短縮して
7を一日も早く完成させる、というカンジです。
さて、この後の空室管理・巡回ですが、
このシリーズでは
「1~2ヶ月以内に決める」ことを前提にしているので
空室巡回の出番が少ないに越したことはありません。
でも、2週間も人が出入りしないと
すぐに空気が淀んで匂いも籠るので
定期的な空気の入れ替えが必要です。
そこには手間がかかります。
管理料は入居中の家賃収入から計算するので
空室から管理料はいただいていないことになります。
極端に考えれば
部屋が半分も空いてる管理物件では
管理料は満室時の半分しか請求できないのに
空室巡回の作業がやたら増えることになります。
ここに
空室巡回に一所懸命に取り組めない理由があります。
なので何度も書いていますが
「空室管理・巡回」をメニューにうたって誇示することで
あなたのサービスの付加価値を理解していただくのです。
そして他社との差別化も果たすのです。
「空いたら1~2ヶ月以内に決める」
という目標を達成するための
重要な手段のひとつが「空室巡回」です。
空室巡回の手順は以下の通りです。
・エントランス、集合ポストのチェック
・共用部分のチェック
・空室の窓を開けて空気を入れ替える
・掃き掃除と拭き掃除をする
・封水を足す(排水口からの異臭防止)
・空室グッズの整理整頓
・消臭剤の補充と戸締りチェック
もし日常清掃や設備巡回を請け負っているなら
そのときに一緒にやるのが効率的です。
次回は「入居審査と保証会社」です。