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【賃貸管理実務シリーズ】空室対策の提案 前編

退去の連絡を受けたらすぐにオーナーに
「1~2ヶ月で決まる募集条件」を提案しましょう、
と書きました。

この空室対策の範囲は広いです。

賃料を1000円下げるのも
300万円かけてりのべするのも空室対策です。

世にある空室対策を並べていたらキリがないので
大事な「考え方」を書かせていただきます。

 

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空室対策に正解はない
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「〇〇の空室対策で〇戸管理を増やした」
というノウハウが宣伝されていますが、

たった一つの空室対策で賃貸管理が
極端に増えるという事はないですよね。

空室対策は「合わせ技」であり、
いくつもの要因が重なって効果を出すものです。

 

空室対策の主役は
大家さんと賃貸物件と(部屋を探している)お客さまの3人です。

大家さんが賃貸経営を始めた理由は様々で、
その目的も様々です。

賃貸物件には場所や間取りや設備や築年数など
条件は様々です。

そして部屋を探すお客様の事情も部屋に対する要望も様々です。

3者が、それぞれに様々な状況を抱えているのですから、
この3者を結び付ける答えに「ひとつの正解」は
あり得ません。

「これをやれば部屋が埋まる」という正解はないのです。

「正解がないならどうしたら良い?」
と言われるかもしれませんが、

大家さんの賃貸経営の目的に沿った上で、

住んでいただくターゲットを想定して、

賃貸物件(貸室)や条件を「それ」に合わせる。

これを継続して経験値を増やしていくしか
答えはないと思います。

 

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経験しなければスキルは身に付かない
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毎年4月に開催する賃貸管理研修では
具体的な空室対策をいくつか説明していますが、
すべてに対して「それは知っている」と
片付ける参加者さんがいます。

あるいは「それは難しい」
「大家さんが納得しない」と反応する参加者さんがいます。

「知っている」と「やったことがある」は
ゼンゼン違いますよね。

さいわいにも
他社がの事例が多く紹介されてるのですから、
自社の事情にアレンジして実践してみることです。

効果があれば自社の得意技に加えればよい。

空室対策提案力は、
実践したことしか会社のスキルになりません。

まずは「やってみる」ことです。

 

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大家さんの説得も空室対策提案力
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空室対策を提案しても大家さんが
「ウンと言わない」「だから空室対策ができない」
と言う声をよく聞くと思います。

この「大家さんの説得」も空室対策のなかの
重要なスキルの一部です。
大家さんを説得できないとは
空室対策提案力が不足しているのです。

なぜ、大家さんはあなたの提案を
聞き入れないのでしょうか?
その理由を考えてみてください。

 

・信頼されていない

そもそも大家さんが信頼していないなら
投資を伴う方法を実施する勇気は湧かないでしょう。

日頃のコミュニケーションが大事です。

実績や信用がないなら蓄積するしかありませんが、
それを補うために「保証する」「費用を立て替える」
という方法もありますね。

 

・効果が理解されていない

大家さんの理解力不足か
あなたの説明が稚拙なのか分かりませんが

少なくとも提案は電話で無く訪問で、
口頭では無く提案書という書類で行いましょう。

あなたの提案で「なぜ部屋が決まるのか」
プレゼンテーションしましよう。

そして次のテーマでもある「代替案」を用意すると
説得力が増します。

 

・提案内容が良くない(と思われている)

もし大家さんが承諾しない理由が
「この案はよくない」と思っているなら
正直に評価してもらいましょう。

「なぜ良くないと思うのか」
「どうすれば良いのか」
協議する時間を作りましょう。

もともと空室対策に正解はないのですし、
大家さんを巻き込んで真剣に
部屋を決める方法を話し合うのが
あるべき姿です。

 

そして、あなたの提案が承認されなくても
ガッカリすることはありません。
「提案した」という事実を残すことにも意味はあります。

提案はタイミングですので
一回で諦めないで
1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後に再提案しましょう。

 

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代替案を用意する
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100万円かけてリフォームして、
お部屋の価値を高めましょう。

そうすれば〇万円の賃料ですぐに決まると思います!

このように提案された大家さんは
「たしかに100万円かければ決まるかもしれないな」
と思ったとしても、

「それがベストなのか?」

と迷うわけです。

「家賃を〇円下げて、それで決まるなら、そっちの方が良いかも」

「20万か30万の投資で目先を変えるだけでも良いのではないか?」

と迷うのが普通です。

 

もちろんあなたは、数ある想定の中で
「これが一番」と結論付けて提案していると思いますが

大家さんの迷いを晴らすために

「家賃を下げたケース」
「20万~30万の投資のケース」

それぞれのシミュレーションを示すと
あなたの提案の「良さ」が理解いただけるでしょう。

その時に判断する数字として
賃料等収入から運営費を引いた「収益」と
さらに負債返済額ほ引いた「キャッシュフロー」でみると

その効果が分かりやすくなります。

まれに、家賃を下げる案の方が
収益が良くなるケースもあったりしますが。

 

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空室対策の目的は“部屋を埋めること”ではない
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こう書くと「エッ」と言われるかもしれませんね。

もし目的が部屋を埋めることなら
家賃を下げれば良いことになります。
下げ続ければ部屋はどこかで必ず決まります。

管理会社は目の前の空室がなくなり
入居率が高くなるので良いかもしれませんが、

収益を確保することが目的の大家さんには
最適ではありません。

家賃を下げると他の借主にも波及して
「満室時の“あるべき賃料総計”」が低くなるので
結果として資産価値も下がります。

大家さんの望む結果ではないと思います。

空室対策の目的は
それによって大家さんの賃貸経営の
目的に近づけることです。

多くの大家さんの目的は
「収益アップ」「キャッシュフロー」
あるいは「資産価値の維持」でしょう。

その目的と方向が同じである必要があります。

 

だから、
家賃を下げて部屋が決まったとしても

あるいは
高額のリノベを実施して部屋が決まっても

それによって
「目標の収益が確保できたか」
「キャッシュフローが得られたか」
「資産価値を維持できたか」

が評価基準なのです。

 

つぎは「空室対策の提案」の後編です。

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