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費用対効果が最大になる、情報誌の送り方
【10日目】 賃貸仲介のプレゼンテーション
これも賃貸の新人研修で話すことですが、
お会いしたお客様は必ず案内に結びつけましょう。
あるいは、ご案内の約束を取り付けましょう。
現場で待ち合わせの場合は
お客様カードに記入していただきましょう。
「即決」を前提にしているのですから、
その前に案内するのは「当たり前」ですね。
即決での決定率100%は無理だとしても、
「その日のうちに案内」か「案内の約束」は
100%を目指すべきです。
お客様が、「今日は図面だけ・・・」と言っても
「いい賃貸物件があったら見てみたい」
という、心の声を聴くのです。
部屋を真剣に探している人が
「部屋を見たくない」はずがありませんよね。
本当に「見たくない」と思っているなら、
そのお客様は「ひやかし」です。
あるいは営業スタッフに期待していないのでしょう。
「一緒に、スーパーや公園や学校など、
この街をご案内します」
と言えば「行きたい!」と思うでしょう。
先走って言ってしまいますが、
案内の後は100%、「店に連れ戻る」ことです。
「現地解散」は厳禁です。
僕は鬼軍曹に現地解散を「こっぴどく」
怒られたことがあり(それはもう、ミッチリと)、
その後は「必ずお客様を連れ戻ろう」と心に固く誓いました。
さて、「ご案内に連れ出す」と
「お店に戻ってくる」の間のお話です。
まず「軽い案内」は避けましょう。
「とりあえず見に行きましょう」
という案内は勧められません。
案内とは「現地で確認して」イメージ通りなら
「決める」ために行くものです。
そのためには、カウンター越しの物件説明に、
ある程度の時間を費やすべきです。
お客様の希望に対して
100点満点の物件はありません。
いま紹介している物件も100点ではありません。
そのマイナス部分も、
カウンター越しで説明して納得していただきます。
現地に行って「こんなはずでは」
ということがないようにしましょう。
前回の講義で「定義づけ」の説明をしましたが、
「60点から70点なら決め時」
という定義づけもしておきましょう。
「いい物件はすぐに決まってしまう」という定義づけも。
現地の案内で重要なのは「説明の仕方」です。
「必要性」を説明するのです。
この部屋に住む「メリット」を説明するのです。
どんな希望が叶うかを説明してください。
「広いリビングです」
「陽当たりがいいです」
「駅から〇分です」
という説明は「するな」とは言いませんが、
「メリット」を語っていませんので、
あまり効果はありません。
お客様は、「ああ、なるほどね」と思うだけです。
ここで前の段階の「お客様の情報収集」が生きるのです。
お客様の、部屋に対する「必要性」
お客様が、部屋に求める「メリット」
お客様が、部屋に抱いている具体的な「希望」
これらが分からなかったら説明できませんね。
「情報収集」が土台になっている、
という意味が分かると思います。
違う角度から説明しましょう。
賃貸物件には「特徴」と「利点」があります。
説明するときは「特徴」を並べ立ててはいけません。
「利点」で説明します。
ある賃貸マンションの特徴は以下の通りです。
・駅から6分
・鉄筋コンクリート造
・コンビニが1階で営業中
・角部屋
・バルコニー南向き
・〇〇小学校の学区内
・オートロックつき
・宅配ボックスつき
もし僕が10組のお客様の前で、
合同説明会のように全員に同時に説明するとしたら、
これらの「特徴」を並べ立てて、
順番に説明するしか術(すべ)はありません。
それぞれのお客様が、
「どんな事情で」部屋探しをしているのか、
僕は知らないからです。
いろいろなニーズを抱える大勢に
向けてのプレゼンテーションは、
このように「焦点がぼける」のは仕方ありません。
でもあなたは目の前のひと組のお客様から
「情報収集」しているので、
「その事情」をよく知っているはずです。
だったら「特徴」ではなく、
そのお客様だけが感じる「利点」で説明できます。
駅から遠くに住んでいることに
不便を感じているお客様なら
「朝の貴重な10分を有効に使えます」
と説明できます。
アパートで隣の居住者に悩んでいるお客様なら
「鉄筋コンクリート造で角部屋なので、
気兼ねなく暮らせます」と説明できます。
ジメジメした環境が子供の健康に悪い
と感じているお客様なら
「お日様をいやと言うほど拝むことができます」
と説明できます。
このように物件の説明は、
「特徴の並べ立て」は効果が限られます。
自分にとって興味のないものも含めて、
多くをいっぺんに説明されても、
お客様にはメリットは伝わりません。
物件の説明は、お客様が感じる「利点」を、
具体的な事象で説明するのが効果的なのです。
この「説明」を、現地に行く前の、
お店で物件資料を見せている段階で行います。
お客様からの反論も、この段階で処理します。
「エアコンがついてない」とか
「所要時間が希望より5分余分にかかる」とか
「築年数がもっと浅いものがいい」とか
もともとお客様の希望に対して
「100点満点」の物件はありませんから、
不満を挙げようと思えば「いくつも」出てきます。
もしこの不満が、
お客様に付けてもらった優先順位の1番2番だったら、
物件の選び方が間違っています。
これでは、案内しても決まらないので無駄になります。
もし、最初から「ある賃貸管理物件」に
特定して決めてもらいたい場合は、
その物件が不利になるような優先順位など、
最初から付けさせません。
そのように誘導しています。
だから、ここで出てくる反論は、
3番目以降の「諦めてもらう」条件か、
あるいは「取るに足らない」条件です。
そう言えるように、
「アプローチ」の段階で情報収集して、
その結論を誘導したのです。
前回の「アプローチ」の講座を思い出してください。
現地には、物件資料に間違いがないか、
お客様が抱いたイメージと大きな違いがないか、
を「確認」にいきます。
併せて、これから暮らす街を見ていただきます。
生活に必要な周辺施設や道などです。
現地では、特に利点について、
お客様の感想を聞いて「再確認」していただきます。
ご自分の口で「Yes」を言っていただくのです。
人は、頭で「いいな」と考えているのと、
実際に言葉で「いいですね」と発言するのとでは、
ご自身の「気に入り度」の確認加減が違います。
そのように、お客様をコントロールしていきます。
だから、現場でどんどん質問します。
そのときは、
「広いリビングがご希望でしたが、
いかがですか?」と聞いてはいけません。
「いかがですか?」って、
素人のまだ住んでもいない人に聞いても、
答えられるワケがありません。
「ああ。いいですね・・・・」という
中途半端な答えが返ってくるだけです。
「今のお部屋は8畳のDKなので、
欲しいソファが置けないと仰っていましたが、
この広さなら置くことが出来そうですか?」と聞けば、
「はい。この広さならあのソファを置けます」
と答えてくれます。
たとえ、「はい」だけでも、
あとのセリフは頭の中で言っているはずです。
このように「必要性」「メリット」「希望を叶える」部分に
具体的な言葉で質問をして、「Yes」を多くもらいます。
お客さまの反応を見ていると、
例えば「嬉しそうな」顔をしたり、
テンションが上がったり・・・・・・
「もう決めたな」と感じることがあるはずです。
そのときは簡単な質問で
「プレゼンテーション」を締めくくりましょう。
「ご入居は、来月早々になりますが、
それで大丈夫ですか?」
「3階の角部屋と5階の真ん中のお部屋と、
どちらがいいですか?」
このとき、
「決めますか?どうしますか?」と聞いてはいけません。
最終決断は重いです。
これでは「よく考えます」という答えを誘発します。
もっと軽い決断で、お申込みまで誘導するのです。
これなら「クロージング」は不要ですね。
ここで抵抗が出てきたら、はじめて「クロージング」です。
次回の11日目の講座、
「クロージング」です。
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