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賃貸経営の疑問に答える「賃貸に必要な税金基礎講座」②
【8日目】ネット集客③ 反響から来店へ結びつける
何年か前に、娘の賃貸マンションを探した時のことです。
親として心配なので、
インターネットで一所懸命に物件を見ていました。
ご多分に漏れず僕も
「スーモ」「ホームズ」「アットホーム」を利用しました。
最初は希望条件を緩(ゆる)めて検索するので、
いくつも興味のある物件が出てきます。
そこらに「手当たり次第」に問い合わせを出しました。
10通の問い合わせメールを送ったとしましょう。
驚くことに返事を寄こさない業者がありました。
10社に送ったのに、
返信メールをくれるのは10社すべてではないのです。
「何のために金と手間をかけて情報発信しているのだろう」と思いますよね。
この業界のプロでなく一般人として考えたら腹が立ちます。
返事が届いたのは8社でした。
そのうち3社は「申し訳ありません。その物件は決まりました」
と書いてあります。業界の内側にいる者としては
「それも、しょうがないか」と納得します。
他社物件を載せているのだから「すぐには消せない」事情が
痛いほど分かりますからね。
でも娘は不満を言います。
「なんで無い物件を載せているの?信用できないよ」
賃貸業界内部の事情を説明しようとしましたが、
「そんなことは娘に関係ない」ことに気が付きました。
これが一般のお客様の「当たり前」の反応です。
僕が几帳面な性格なら、
返事を寄こさなかった会社と
決まった物件を載せていた会社の名前を控えて、
「この会社には問い合わせしない」と考えるかもしれません。
ネットという「人を介さず取引する世界」においては、
信用をなくしたら「おわり」です。
この辺のところは十分に注意しなければなりません。
賃貸管理物件の場合は申し込みが入ったらすぐに、
「商談中」の文字を入れるべきです。
契約が終わったら物件を削除しましょう。
他社の物件であっても出来る限り、
リアルタイムで処理していかないと信用を失います。
私たちは自分たちの物差しで測りますが、
娘のような一般ユーザーには通用しません。
それでも僕は8社のメールを、
それこそ「食い入るように」読みました。
何といっても「目の中に入れても痛くない」
という娘が住む部屋のことです。
父親としては一所懸命です。
ところが僕は8社のメールをくれた担当者に、
お礼のメールを送ることはありません。
ビジネスメールなら、いい情報を送ってもらえれば、
「ありがとう」とメールを返すのが礼儀です。
でもお客様の立場である僕はお礼をしないのが普通です。
だから、僕は「読みっぱなし」です。
あんなに一所懸命に見ていたことは、
メールをくれた相手には伝わりません。
これが問題なのです。
送ったスタッフの立場になると、
「このお客さんから返事がこない。
見たのか真剣に探してるのか分からない」となります。
だから、2通目のメールを送らなくかります。
僕の場合は8社のうち、
2通目のメールを送ってくれたのは3社だけでした。
5社が、最初の1通で返事がないと「諦めてしまう」のです。
気が短い、と言うか、諦めが早い、と言うか・・・・・・。
3通目がきたのは2社で、
5通目で1社だけになりました。
ほとんどの賃貸会社が、
たった1通か2通のメールを送っただけで、
「この人は客じゃない」と判定を下しているのです。
1通の反響をとるために苦労して物件を登録したり、
SEO対策に手間を注ぎ込んだのに、
信じられないくらいに簡単に諦めてしまうんですよね。
この「思いっきりの良さ」には
尊敬の念さえ感じます。もちろん皮肉ですが・・・・
余談ですが次週からの講座は「営業力アップ」に入りますが、
営業に特に必要な資質は「諦めないこと」です。
そうですよね。
メール反響から来店に結びつけるためには「諦めないこと」です。
1回や2回のメールで返事がなくても「送り続ける」ことです。
では具体的にどのようにすればいいか。
あなたやあなたのスタッフの仕事の目的は、
「反響メールに返事を書くこと」ではないのですから、
この作業は効率的に処理しなければなりません。
はっきり言えば「本当の客ではない」メールも含まれているでしょう。
「すでに物件を決めてしまったお客様」もあるでしょう。
そういう方たちに、いつまでメールを送っても無駄です。
そのためにまず、「何回まで送るか」というルールを決めます。
7回、10回、15回。
少なくともこの回数までは、
返事がなくても送りつづけよう、という回数です。
それを送るタイミングも決めておきます。
たとえば、
1回目 メールを受け付けて1日以内
2回目 同 3日目
3回目 同 5日目
4回目 同 7日目
5回目 同 10日目
6回目 同 14日目
7回目 同 18日目
という具合です。
次にそれぞれごとの文章パターンを用意しておきます。
特に、件名、ヘッダー(最初の出だし)、
フッター(最後の署名など)などは
回数に応じてしっかりとパターンを用意しておきます。
件名にはお客様の問い合わせた内容と
関連するキーワードを必ず入れてください。
「駅名」とか「間取」とか「物件名」とかです。
これで「視認率」が格段と高くなります。
【 】を使うのも効果的です。
ヘッダーは回数ごとに適当な文章を考えてください。
【第〇回目のメールです。】などと入れるのもいいと思います。
スタッフのキャラクターが反映されると親近感がでます。
だから男性スタッフと女性スタッフのパターンは違います。
自社サイトの「スタッフ紹介」へのリンクを貼っておいたり、
スタッフブログのアドレスを載せてください。
回数ごとの本文は先にパターンを作るのもよいですが、
実際のお客様に送った文章を採用しながら作り上げていく方が
リアルな文章になります。
あるお客様のために一所懸命に書いた文章には説得力があります。
いい文章は「一回限り」にしないで再利用してください。
ちなみにお届けしている「14の講座」ですが、
「タネあかし」をすると「描き下ろし」ではありません。
過去のブログやメルマガや研修のテキストなどから
該当部分を付け加えたり手直しをして作っています。
中にはオリジナルの回もありますが、
ほとんどは過去に蓄積したコンテンツです。
このように文章やコンテンツは「再利用」できます。
お客様のために一所懸命に考えた文章も
「使い捨て」では勿体ないです。
ネット集客に力を入れている会社のパターンも「参考に」にてください。
お客様になったつもりで問い合わせをすれば、
どんなパターンの文章を何回まで送ってくるか確認できます。
「いい文章」があれば参考にさせてもらうと良いです。
お互い様ですがら許されるでしょう。
文章を書くときに大切なことがあります。
「このメールの目的は何か」を意識して書くことです。
あなたは「賃貸物件の説明をする」ことを目的にしていませんか?
もし「説明すること」が目的なら、
相手が読んだ時点で目的は達成されたことになります。
それではお客様から返事はこないでしょう。
メールの目的は「返事をもらう」ことです。
だから、「返事がもらえるような」文章を書くのです。
そのためには質問を上手に混ぜてください。
特にメールの本文の「おわり」は
質問で終わるようにしてください。
本気で探している人なら「答えざるを得ない」
ような質問を投げかけてください。
これらの作業を手間かけずに行えるように工夫します。
まずは専用のツールを検討しましょう。
安い月額で提供している「メール反響管理ツール」があります。
「アウトルックエクスプレス」や「Gメール」でも、
機能を使いこなせば効率的に活用できます。
「受信フォルダ」の中にお客様ごとのフォルダを作り、
お客様からの問い合わせも返事のメールも、
すべてフォルダに格納しておけば一目で送信状況が分かります。
グーグルのGメールは一元管理も可能です。
こんなアイディアを思いつきました。
それは「ステップメール」を使う方法です。
ステップメールとは、
あらかじめ回数と頻度とタイミングを決めて、
それぞれの文章を登録しておけば、
相手のメールアドレスを登録するだけで、
自動的にメールを送るシステムです。
実はこの「14の講座」もステップメールを使っています。
14回分の講座内容を登録してあとは自動で送っています。
僕自身が毎週、手作業で送信しているワケではありません。
これを利用して問い合わせのあったお客様に、
自動的にメールを送るのです。
たとえば7回分のメールを用意しておきます。
1回目は、問い合わせのお礼とこれからのメールの予告
2回目は、この街の施設の紹介
3回目は、この街の交通環境の紹介
4回目は、お客様が希望する間取タイプの供給状況
5回目は、その間取タイプの上手な探し方
6回目は、当社のスタッフの紹介
7回目は、当社のファンになってもらうためのアレコレ
どうですか。
少しずつ、お客様から信頼をいただく過程が感じ取れますか。
スタッフが送る物件についてのメールとは別に、
援護射撃のようにシステムがメールを送るというのは、
きっと相乗効果が高いと思っています。
それでは次回の9日目からは、
「スタッフの営業力アップ① アプローチ」です。
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