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賃貸経営の疑問に答える「空室対策」④」
23年間、
研修やコンサルタントをしていて思うことは、
他人(ひと)に何かを伝えるときに、
相手が身を乗り出して「ぜひ聞こう」
という態勢ではないかぎり
言いたいことを理路整然と、
上から順に話をしても
「伝わらない」ということです。
たとえばスタッフに何かの指示を出すとき
あるいは、何かを教えようとしているときは
相手は身を乗り出してはいませんから、
伝えるのに工夫が必要なのです。
これは、見込みオーナーに
管理の説明をするときも同じです。
決して、
相手が「自分の話を聞きたがっている」
とは考えないことです。
そんなことは「めったにない」のですから。
そんなとき、興味深く聞いてもらうために
「例え話」を活用する、という手法があります。
僕の研修には、この「例え話」がよく登場します。
前回、
成績のあがらなかった「彼」が
半月前に接客したお客様のことを
ほとんど覚えていない、
というエピソードを紹介しました。
接客したお客さまが、
どんな人で
どんな職業で
どんな部屋を求めていて
その理由は何か、
どんな話を聞いて
どんな物件を選んで、
現場で何を説明したのか
この答えの中から
「彼」が、なぜ、成績が上がらないか
その原因を炙り出すことができるのです。
半月前に接客したお客様ことを聞かれて
即、答えることが出来ないのは「最悪」ですよね。
「彼」が、
頭が悪いから覚えていないのではなく、
接客しているときに
目の前のお客様に「集中していない」のと、
その後、お客様のことを一所懸命に考えて
「物件探し」をしていないからです。
そんな「彼」ですから、必然的に、
お客様カードの項目が「がらあき」なのです。
お客さまと必要な
コミュニケーションが出来ていないのです。
このような成績の上がらない「彼」の
共通点がたくさんあります。
僕の賃貸研修の「例え話シリーズ」の中の
「営業成績の悪いAさんの共通点」を紹介しましょう。
1.お客様のことをよく覚えていない
2.お客様カードが「がらあき」
これについては、すでに伝えましたね。
そのほかの共通点として、
3.初回案内ができない
4.再来店が少ない
5.図面に書いてあることだけ説明する
6.「とりあえず案内」が多い
7.「今日は考えます」を簡単に許してしまう
8.物件の欠点を見つけるのが上手い
9.審査落ちとキャンセルが多い
10.紹介がほとんどない
などがあります。
今回はこの中の
3.初回案内ができていない
について説明しましょう。
今日、来店されてお客様を、
今日、ご案内することを
「初回案内」と呼んでいます。
研修では「初回案内100%を目指そう」
と話しているのですが、
成績の悪いA君は
この初回案内率が悪いワケです。
50%を切っていたりします。
「今日、来た人を、今日中に案内」というと
「夕方過ぎに来店したときはどうする」とか
「元付けが休みの時は案内できない」
というような言い訳が登場します。
なので初回案内の定義を少し広げています。
今日、来店したお客様に
ご案内する物件を特定していただいても、
今日、ご案内できない事情があるときは、
後日の案内の約束を取り付けて、
その案内が実現すれば
それも初回案内とする。
というようにしています。
この定義なら
初回案内率100%は不可能ではありませんね。
それでも、A君は、
初回案内率が50%を切ったりするのです。
僕はA君に
一人一人のお客様ごとに
「なぜ、案内出来なかったのか」
と聞くのですが、
その言い訳が見事なのです。
聞いていると
「それはもっともだなー」と
うかつにも思わされてしまうほど
言い訳が上手です。
ご存じの通り、言い訳とは
相手にしているようで
実は自分自身にしてしまうものですよね。
それで自分が納得してしまうのです。
だから、いつまでも行動が変わらないという、
本人にとって最悪の結果になります。
この言い訳時の「応対話法」の能力を
お客様とのクロージングで活用すればいいのに、
といつも思います。
才能の無駄遣いですよね。
そして、A君に、さらに質問します。
「案内出来なかったお客様はどうするのですか?」
すると「彼」は、
「追客して、また来店いただいて案内します」
と答えます。
おかしな話ですよね。
目の前に
真剣に部屋を探しているお客様がいて
今日、ご案内することが出来なかったのに、
また再来してもらって案内することを
簡単に「できます」というのですから。
また来店してご案内するより、
目の前のお客様を案内する方が
「100倍も簡単」なのではないでしょうか。
4番以降の共通点については
また次の機会で披露することにしましょう。
このような反面教師の例え話を
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