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今回から３回に分けて
空室対策の基本について書いてみます。

基本的なことばかりですから、
あなたは全て実践されているかもしれません。

１回目は、「価値を合わせる」です。

 

ここに、
オーナーさんが所有する秤（はかり）があります。
秤の左は物件の価値を決める錘（おもり）です。

「立地」「建物」「部屋」「設備」「環境」「条件」「サービス」

という７つの錘（おもり）です。

この７つが、物件の価値を構成しています。
反対側の右には
当然ですが「家賃」が乗っています。

「価値を合わせる」とは、
この秤（はかり）のバランスを合わせる、ということです。

もしバランスが右に傾いていたら、

つまり「価値より家賃が高い」ので
部屋を埋めるのに苦労することは目に見えています。

この秤（はかり）は実際に見ることは出来ませんが、
いつでも「価値と家賃のバランス」を
意識することは大事なことです。

さて、左側に乗っている錘（おもり）の、
「立地」「建物」「部屋」「設備」の４つは
よくお分かりでしょう。

賃貸管理をしているなら、
常に意識していると思います。

ただし、
これらの価値を上げるためにはお金がかかります。

「金をかける」だけが空室対策だとしたら、
たとえ部屋が埋まっても
オーナーの収益が圧迫されます。

これではオーナーに提案できません。

空室対策の基本は、
（なるべく）経費をかけないで、
その代わりに手間をかけて知恵を絞りながら、
実施することです。
そこで今回は、
残りの錘（おもり）である、
「環境」「条件」「サービス」の３つについて
お話をしたいと思います。
まず「環境」とは、物件の環境整備です。

共用部分は綺麗に掃除されているか、
エントランスや通路にゴミが落ちていないか、
駐輪場や集合郵便ポストは乱れていないか。

この環境が悪すぎると、
借主が少しずつ去って行ってしまいます。

逆に環境美化が徹底していると、
長く暮らしていただけます。

無駄な退去を防ぐことができるので、
これが一番の空室対策といえます。

環境整備を徹底するために
業者を使うとお金がかかりますが、
工夫次第で経費を下げることができます。

オーナーさんが物件の近くに住んでるなら、
ご家族で力を合わせて清掃してもらうことも可能でしょう。

それが無理なら、
安価で質の良い清掃サービスを
あなたが提供すれば良いのです。

経費をかけずに手間をかけるという、
空室対策の「基本中の基本」
といえるのではないでしょうか。
大事なのでもう一度書きますが

「安価で質の良い清掃サービス」は

凄く価値のある管理メニューです。

 

 

つぎは「条件」です。

入居の際には、
礼金や保証金などの入居時費用が必要ですが、
これらを下げる（ゼロにする）ことで
「入居しやすい物件」となります。

あるいは、
「最初の１ヶ月は家賃を無料にする」という、
フリーレントもあります。

「入居条件を下げると質の悪い借主が寄ってくる」

と心配する意見もありますが、
そちらは入居審査を厳格にすることでカバーできます。

お金がない訳でなく、
「他の物件より条件が有利だから」
という借主さんに選んでいただきたいのです。

ただ家賃を下げるよりも良い方法なのではないでしょうか。

 

最後に「サービス」です。

「お客様にサービスする」という概念は、
他の商売では当たり前です。

その目的は、
何度も購入していただく固定客になってもらうことです。

賃貸経営が、
お客様である借主さんにサービスを厚くする理由は、

「長く暮らしていただく」ことです。

そのために、
「住めば住むほど得をする」という
仕組みを考える必要があります。

たとえば２年ごとに、
設備を追加したり取り替えてあげたり、
畳を替えたりルームクリーニングをして差し上げたり、

というサービスを、

借主さんに選んでいただくアイデアです。

「それでは経費がかかる」と
オーナーに言われるかもしれませんが、
これらによって資産価値が増えますので、
このお金は「投資」になります。

そのことをオーナに理解していただく必要があります。
以上のように、
物件の見えない秤（はかり）の
バランスを合わせるために、
左の錘（おもり）を意識する。

できるだけお金でなく、
知恵と手間を使った手段を考える。

これが空室対策の基本です。
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