本日は、賃貸仲介の
営業力アップのお話です。
テーマは
「犯しやすい間違い、その1」
多くの方が仲介営業の基本を
特に教わることなく現場に出ているので
知らずに「犯している間違い」があります。
新人だけに限らず
数年の経験のある方も同じです。
そのひとつをお話ししましょう。
質問です。
お客様は「物件」で選びますか?
営業という「人」で選びますか?
「物件で選ぶ」と答える人が
多いのではないでしょうか。
現在のお客様は
インターネットの中で
物件を特定して連絡してきます。
複数の情報掲載業者の中から
一番早く知らせてくれた業者
一番情報が豊富で質の高い業者
などの理由で選択して問い合わせます。
そして、現地を案内されます。
そこそこ気に入ったとして、
「この部屋に住もう!」と
すぐに結論を出せるお客様もいますが、
多くのお客様は迷うワケです。
「本当に、この部屋で良いのか?」
「もっと他に、良い部屋があるのてはないか?」
「慎重に決めないと、後戻りはできないぞ」
それはそうですよね。
「住む部屋を決める」という経験は
初めてか、2~3回くらいしか
人生の中で下したことがないのですから。
次の質問です。
このとき、お客様は
「相談できる人がいたら良い」
「自分のことだから相談などしない」
どちらを望むでしょう。
そして最後の質問です。
もし相談したいと思ったとしら
どちらを選びますか?
「知ってる人」
「知らない人」
当たり前の質問をするな!
という声が聞こえそうですね。
お客様は、
ネットで自分が選んだ物件でも、
それが自分の想像通りのモノでも、
「決める」となれば迷います。
なんとなくの感覚ですが、
4分の3のお客様は
何かしら迷うでしょう。
「いま決める」必要はないのですから。
そのときに、よく知っている人が
この地域の賃貸物件に詳しかったら
ほとんど相談するでしょうし、
その意見に耳を傾けるはずです。
ただ、残念ながら
そういう人は「いない」のが普通です。
自分がこれから住む地域の、
賃貸物件に詳しい「知り合い」が
たまたま「いる」確率は高くありませんよね。
だから、あなたが、
その「知り合い」になれば良いのです。
会ってから話した時間は、
ぜいぜい数十分かもしれませんが、
「知り合いになろう」と努力するべきなのです。
だって、お客様は
自分が選んだ物件でも迷って、
誰かに「相談したい」と望むことが
分かっているのですから。
来店したお客様に
お部屋探しの希望を聴くだけでなく
「知り合いになろう」
「友人になろう」と意識して
表情や言葉やしぐさを選んだ
対応をすべきなのです。
それを意識することが大事です。
ただし、重要な前提があります。
お客様が相談したい知り合いとは、
その助言に耳を傾ける相手とは、
その物件を「売り込む立場」の人間では
「ない」ということです。
だれも、それを売り込む相手に
相談はしませんよね。
泥棒に金庫の隠し場所を
相談するようなモノです。
だからあなたは、
お客様と仲良くなるだけでなく、
この物件を「決めさせよう」と思わず
「良い部屋を見つけてもらいたい」と
心から想って接することが大事なのです。
だって、目の前のお客様が
本当に親友だったら
彼氏・彼女だったら
親戚や兄弟だったら
そのように考えますよね。
「赤の他人」のお客様だって
同じなんです。
そして結果的に、その方が
つまり「売り込む」より
「価値を提供」する方が
仲介の成績は良くなるんです。
この真理が信じられるかどうかですね。
お客様とお会いした最初の時間、
それが数分が数10分かは、
お客様や状況によりますが、
とにかく「ある時間」は、
お客様と仲良くなることに焦点をあてて
物件の紹介はやめましょう。
その時間の目的は
お客様との関係づくりと
同時にお客様の部屋を探す事情を
深いところで聴きだすことです。
これを「アプローチ」と呼んでいますね。
1番目の「犯しやすい間違い」は、
この時間を重要視していないことです。
でも、お客様と出会って、
お申し込み・契約と進む中で、
この時間帯が、一番重要なのです。
あなただって、
親友が進めるモノを受け入れますよね。
好感を持つ相手の言葉を聴き入れますよね。
「そんな短い時間で関係性はできない」
と、あなたは言うかもしれません。
でも、知らない地域で
これから暮らす場所を探しているとき
人は誰でも不安になります。
そのとき、
その地域と暮らす場所に詳しい人が現れて
やさしく、好感の持てる態度で
丁寧にあなたの不安や疑問を聴きだして
その答えを示してくれたら、
関係性を築くのに
多くの時間はいらないはずです。
あなたが意識して望めば
短い時間でお客様と仲良くなることは
難しくありません。
意識して望むことが重要です。