マスターコミュニティーも
全6回のうちの3回目になりました。
マスターコミュニティーとは、
5人限定で参加いただいて、
各自が6ヶ月後のゴールを設定し、
不肖新井のアドバイスの元、
具体的な行動をお互いで確認し合いながら
達成していくことを目的に集まったグループです。
⇒ https://www.geonetwork.co.jp/master_community/
3回目ともなると
ゴールや実践すべきテーマが
かなり明確になってきましたね。
あるメンバーが、
「紹介の多い店舗づくり」をテーマに掲げているのですが、
どのようにすればよいか、一緒に考えてみてください。
お部屋を探しているお客様の紹介を多くしたいと考えたとき
どんなことを目指すのでしょうか。
すぐに考えつくのが
「紹介特典」を設ける、という方法です。
紹介してくれた方と、
紹介されて部屋を決めてくれたお客様に、
クオカードや商品券や手数料オフといった
金銭的な特典を差し上げる、というのが通常ですね。
「紹介キャンペーン」などとタイトルをつけて
来店客や既存客にアピールすると思います。
アメックスカードからも年に一度くらい
「紹介キャンペーン」のDMが届きますし、
リゾート会員ホテルの「エクシブ」も
紹介すればハワイに連れて行ってくれるキャンペーンを
忘れた頃に告知してきます。
賃貸仲介会社としても、
この方法はベースとして「あり」だと思います。
私たちは、
「お客様のご紹介を大切にする会社です」と
内外に示すことは意味がありますよね。
ただし紹介というのは、
本来はキャンペーンでお願いするものではありませんよね。
サービスに満足したお客様が、
自発的に紹介していただけることを目指すものです。
個人なら、そのようなサービスを心がけ、
組織なら、そのような意識と態勢を作り上げることです。
バブルの頃に
新車を年間で400台売り続ける、という
ナンバーワン営業マンの本を読みましたが、
そのほとんどは紹介とリピートです。
生命保険のナンバーワンのセールスレディも
同じように本を出されていましたが、
そのほとんどは紹介とリピートです。
新規のお客様を追い続けていたら
毎年、圧倒的な成績でナンバーワンを達成するのは
至難のワザです。
でも、不動産業界では、
このような事例を聞くことは残念ながら
あまりないですよね。
お客様は、サービスに満足していただければ
お願いしなくても紹介していただけるモノです。
もう一度、不動産の仲介が必要なときがきたら、
戻ってきていただけるはずです。
そのために、僕が勧めていることをお話ししましょう。
反響の受付けから始まり、
初回接客からご案内、お申し込みから入居まで、
お客様の「心に残る」ような気遣いのあるサービスを実施する。
これは基本ですよね。
ただし、この上質なサービスも、
「家賃の1ヶ月分」という
高額な手数料をいただいたことを考えると、
「当たり前」の範囲になりますよね。
給料の30%に相当するような手数料って
人生でも、なかなか負担することはないでしょう。
1万円のステーキを食ったって
粗利として負担しているのは2~3000円です。
5万や10万の手数料というのはスゴイことです。
だから、どんな手厚いサービスも
それは「満足レベル」の範疇(はんちゅう)です。
もちろん、多くの仲介スタッフが
お客様から得ているのは「普通レベル」でしょうし、
それが「不満レベル」では問題です。
「紹介がほしい」以前の問題ですよね。
「満足レベル」であることは、
それだけで価値があります。
でも、できれば「満足」を超えた「感動レベル」を
お客様に与えたいのです。
そうすれば、
頼まなくても紹介してくれるでしょう。
満足レベルとは、お客様の想定内で起こります。
感動は、お客様が想定していない行動によって起こります。
そのための具体的な方法を
ふたつだけ、お話ししましょう。
どちらも、しごく簡単なことです。
まず、お客様が入居して数日以内に
担当者が訪問することです。
そして、無事に生活を始めることができたか、
確認してください。
ライフラインは使えているか、
「戸の立て付け」等の問題はないか、
「小さな事でも良いので仰ってください」
と言って聞いてあげてください。
「浴室の戸を閉めるとき「ギッ」という小さな音がする」みたいな、
わざわざ、電話してまで言わないことが
出てくるかもしれません。
そんなの、電話一本で片が付くことです。
あるいは、その場で調整してあげれば済むことかもしれません。
でも、この、
「言わなければずっと我慢していた」ことを
訪ねてきて解決してくれた、というのが想定外なのです。
もちろん、何の問題がないときでも
「心配して訪ねてくれた」という行為だけで嬉しいのです。
これは「感動レベル」に入るはずです。
もうひとつは「サンキューレター」を出し続けることです。
入居後に1枚、
毎年の入居記念日に1枚、
他に特別なイベント(バースデーなど)があれば毎年1枚、
という具合です。
このサンキューレターも、
入居後に届くのは「感動レベル」に届かないかもしれませんが、
1年後2年後3年後と続いたら、
「まだ覚えていてくれているんだー」という感動を
与えることができるのではないでしょうか。
友達が部屋を探しているとか、
自分がもっと広い部屋に住み替えたいとか、
そんな事情があれば、
きっとあなたを思い出すでしょう。
契約が終わったとき、
一番信頼している不動産スタッフは
そのときの仲介担当者のはずなのに、
こちらからアクションをとらないと
忘れられてしまいます。
それは、勿体ないですよね。
だから、こちらから縁を切るのはやめましょう。
ところで担当者が、
入居後に挨拶に行くとか
毎年サンキューレターを出し続けるのは、
「現実には難しい」と思われるでしょう。
マスターコミュニティーの席でも、
そういう意見が出て頭を抱えたのです。
アイデアは良いけど「難しい」と。
これは、
「できる、できない」の問題ではなく
「やるべきか、そうでないか」の問題です。
「やるべき」と思うなら
次に「やれる方法」にチャレンジすれば良いのです。
「それほどの価値はない」と思うなら
このアイデアは見送れば良いのです。
現状を変える、
新しいことを始める、
このときに「楽にできる」ことだけ選んでたら
成果も「そこそこ」しかないのが当たり前です。
「紹介を増やたい」は会社側の都合で、
お客様には関係ないことです。
お客様は満足して感動できれば
自ら進んで紹介してくれます。
でも感動は楽には与えられません。
だから、成果に繋がりそうなアイデアがでると
「でも難しい」という反応が出るのは当たり前なのです。
「あ、それなら簡単に出来る」というアイデアは
望むような成果に繋がらないのです。
新規客を得るための行為は
明日のための「投資」です。
やらないワケにはいきませんが、
競争が年々、激しくなっています。
お金も労力も、ますます必要になるでしょう。
お客様に満足と感動を与えて、
結果として「紹介を増やす」という行為は、
未来に対する「投資」です。
すぐに結果が出るモノではありません。
前に「立ちはだかる」のは競争相手ではなく
「そんなこと出来ない」と反応する「あなた」です。
未来へ投資しなければ、
人も会社も進化・成長することはないのですから、
少しずつでも、
未来に投資しませんか。
そして、紹介とリピートの多い
個人や組織にしましょう。