「摩天楼を夢みて」という映画があります。
23年前の作品で、ニューヨークの不動産会社が舞台です。
主演は、アル・パチーノとジャックレモン。
他にも、アレック・ボールドウィン、エド・ハリス、ケヴィン・スペイシーという豪華な顔ぶれです。
(映画に興味のない方はゴメンナサイ)
かつてはスゴ腕と呼ばれ成績優秀だった男にジャックレモン。
成績トップのセールスマンにアル・パチーノが扮しています。
他にも成績のあがらないセールスマンが2人いて、合計で4人の部門。
アメリカなので当然に「オール歩合」ですね。
この会社も実績主義で、
契約数の多い成績優秀者には優良リスト(願客情報)が優先的に回され、
成績不振者には、禄(ろく)でもないリストしか与えられません。
日本なら「反響を渡さない」というカンジでしょうか。
ある日の会議で、
今月の成績がトップと2位を取れた者以外は「クビにする」と勧告されます。
その頃、ニューヨークは深刻な不動産不況だったのですね。
そこで、
成績の悪い3人が何をするかと思えば、
彼らは上司に「優良リストが欲しい」と迫るのです。
「リベートを渡すから」と提案したり、
ついには「盗み出す」という手段まで考えます。
当時、不動産会社の現場にいた僕は、
「なぜ、リストがそんなに大事?」と思いました。
その理由がピンとこなかったのです。
オープンハウスをやったり、
チラシを配布したり、
戸別訪問したり、
見込客を訪問すればいいのに、と思いました。
でも彼らが血眼になったのは「リスト」なのです。
「リストが、それほど大事か?」
でも、現在(いま)の僕は、その理由が分かります。
リストとは、それほど大事なのです。
もし、
そこそこ「売れる」商品があり、
そこそこ「売れる」スキルがあるなら、
あとは「見込み客リスト」があれば必ず売れます。
100のリストがあれば1人に売れて10万の売上が見込めるなら、
1000のリストがあれば100万の売上が読めます。
1万のリストなら1000万円は「ほぼ」確実です。
こういう計算が成り立つのです。
もちろん、
「売れる商品」と「売れるスキル」が前提ですよ。
そして、購入してくれなかった99%の見込み客も、
他の商品なら買ってくれるかもしれません。
あるいは時期が違ったら買ってくれたかもしれません。
だからリストは「捨てる」ことはなく「暖めつづける」のです。
セールスにとって「見込み客リスト」とは、
「イコール売上」「イコールお金」といっても過言ではありません。
今月は「まとまった」お金が必要だ。
ならば「リストに商品を流そう」。
まあ、極端な話ですけど。
でも、不動産会社の現場では、そういう認識はありません。
インターネットで、問い合わせのメールアドレスは「貴重なリスト」です。
でも、一度のメールで返事がないと「捨てる」人がいますよね。
リストの価値が分かっていないのです。
「リストは会社の資産」ですから、
個人の判断で「捨てていいもの」ではありません。
でも、リストの価値が分かっていないから簡単に捨てるし、
会社もそれを容認しています。
もったいないですよね。
「売り込みのメールを送ってもいいですよ」と承認してくれた個人アドレスは本当に貴重です。
承認なしてメールしたら法律違反ですから。
あなたが、
賃貸管理という商品を売るときも「リスト」が必要です。
それは、
現に賃貸物件を所有しているオーナーかもしれませんし、
賃貸物件を建てることが出来る土地を所有している地主さん
古くて「どうしようもない」物件を抱えて、売ろうか立て直そうと考えている家主さん
不動産投資を夢見ているサラリーマンかもしれません。
あなたの商品によって、
欲しいリストは異なります。
あなたは、あなたの商品に興味を示す「リスト」を持っていますか?
大事にしていますか?
前回のメルマガで、
商品とは「コンセプト」だと書きました。
もしそれが明確なら、
必要なリストも明確になるはずです。
それが、
アル・パチーノやジャックレモンが求めた「優良リスト(願客情報)」です。
どんな商品を売っているとしても「リストは資産」です。
あなたも、オーナーリストを持つべきです。
余談ですが、
この映画の原作が2012年ブロードウェイで舞台化されたときに、
アル・パチーノは、
ジャックレモンの老セールスマン役を演じて話題となったそうです。
追伸
「大量のオーナー住所リストを手に入れる方法」という動画があります。
ご覧になりたい方はメールでお申し込みください。
akimitsu.arai@gmail.com 新井まで。