「良い管理会社を選びたい」。オーナー様なら誰でも思うことですが、その選択基準は簡単ではありません。
管理会社のパンフレットを読んだり、メニューを検討したり、直接に話を聞いたとしても、みな「同じよう」に説明をするでしょう。
そこで、代表的な5つの管理メニューを検証しながら、「ふつうの管理」と「選ぶべき良い管理」の違いを考察するシリーズの4回目となりました。
同じようにみえる管理のメニューも、「オーナー様の収益を改善する」「オーナー様の資産価値を維持する」という観点から眺めてみると、違いのあることをご理解いただけたのではないでしょうか。
そして第四回目は「役立つ情報の提供と提案」という管理メニュー考えます。
あなたの管理メニューが、オーナー様から選ばれるように工夫してみましょう。
そもそも、オーナー様に提供するメリットの中に、「役立つ情報の提供や提案をしよう」という発想を持っている管理会社は多くはありません。
この記事の中でも何度も触れていて恐縮ですが、大部分のオーナー様は、賃貸経営に必要な知識や経験をお持ちではありません。
知識や経験がなくても、とりあえず始められるのが賃貸経営だからです。
建物は建設会社が建ててくれますし、募集は仲介会社がやってくれます。
家賃集金やトラブル対応や入退去のリフォーム手配は、管理会社が請け負います。
最初の10年くらいは、これで問題なく進みます。
話は変わりますが、同じく「オーナー」と呼ばれて、知識や経験がなく始められる事業に「コンビニ経営」があります。
しかしご存知のようにコンビニ経営は、本部という「経営の達人」がついていて、商品開発や陳列や広告やアルバイト教育まで責任を持ってくれます。
オーナーご自身に必要な知識も、研修という方法で与えてくれるでしょう。
それを支えるノウハウとシステムを提供してもらえます。
それと比べますと、同じ「オーナー業」でも賃貸経営は趣(おもむき)が異なります。
建物の建築や募集をしてくれた建設会社や仲介会社は、自分達の仕事が済めば(お金がもらえれば)、オーナー様の元を去っていきます。
彼らは、また必要な(商売のネタがある)時がくればオーナーの元にやってきますが、賃貸経営を通して支えてくれる存在ではありません。
一方で、いつまでも近くにいるのは管理会社なのですが、その管理会社も、オーナーの作業を代わりに行うのが主な役目と認識しています。
多くは賃貸経営の達人でもなく、家賃集金やトラブル対応や入退去のリフォーム手配に慣れているだけです。
これが、オーナーご自身が「賃貸経営に役立つ情報と提案」に常に触れる必要性です。
この経営は、最初の10年くらいは問題なく進みます。
でも、その期間に「必要な手段」を講じるかどうかで、15年や20年を過ぎた頃に「違い」が出るのはご存知の通り。
また「講じていなかった」としても、15年や20年を過ぎた頃に「正しい舵取り」が求められます。
そのときオーナー様は、自ら賃貸経営の専門家となるか、あるいは、専門家を見つけて「彼ら」にアドバイスを求めるかの、どちらかが不可欠になります。
そのためにも、あなたからの「賃貸経営の情報と提案」が必要なのです。
実際には、本を読んだり積極的にセミナーに参加されるオーナー様もいます。
でも情報は、いつも最新のものに触れ続ける必要があります。
提案にしても、指し示す方向がマチマチなので、どう判断すれば良いのか、なかなか難しいのも事実です。
管理メニューの中に、「オーナーに役立つ情報の提供と提案を行う」という目的があることが望ましい理由が「ここに」あります。
最後になりますが、賃貸経営を航路にたとえますと、海や船に関する知識や経験の充分でないオーナー様が船長となって、30年~40年もの長い船旅に出るのに似ています。
最初の10年は、波も天気も穏やかで順風満帆ですが、15年や20年を過ぎた頃、風が吹いたり波の高い日があって、舵取りの難しさが表面化してきます。
このまま進むと嵐に遭遇するかもしれません。
この間に船長は、必要な知識を身に付けながら、海図や天気図などの正確で最新の情報を得て、正しい航路を選ぶための提案を一等航海士から受けるのです。
正しい提案してくれる者(あなたです)を近くに置くことと、その提案の是非を判断できるような知識を身に付けることが、船長であるオーナー様に求められているのではないでしょうか。
ぜひ、「賃貸経営に役立つ情報の提供と提案」を、オーナーに提供してください。