客付けをどうする？

このサイトの読者さんの中で、
「これから賃貸管理を始めたい」という方が多くなりました。

これから始める方には、１０も２０も申し上げたいことがありますので、
時々、そんなテーマで書きたいと思います。
本日のテーマは、「客付けをどうしますか？」
賃貸管理を「山」に見立てて説明することがあります。
山の高さが管理戸数です。
すそ野の広がりが、人員や、組織や、管理の質や、経験・知識です。
山が高ければ高いほど、すそ野は広がっていなければなりません。
富士山をイメージしていただければ分かりやすいですね。

管理１００戸の管理会社より、
管理３０００戸の管理会社の方が、
管理の質、経験・知識、人員、組織などが充実しているのは当然です。

経営者が、少ない人数で管理をさせようとすると、
当然に質も下がるので、
砂場に盛ったような「脆い山」となってしまいます。
その延長には、３０００戸５０００戸の山は見えないでしょう。

管理を増やすには、すそ野も並行して広がる必要があると思います。

これから賃貸管理を始める方は、
まだ、すそ野も山もない、平地の状態ですね。
だから最初は、「ポン」と、砂を盛るしかありません。
経験はゼロで、管理の質は「未知数」です。
でもオーナーの前では、堂々と「すそ野の広さ」を語るしかありません。
まだ平地なのだから、すそ野の広さも明確でないワケだし・・・。

とりあえず山を盛ったら、高くしながら「地ならし」をして
しっかりとした基盤を作ってください。
さて、本日のテーマの「客付け」です。

これから賃貸管理を始めるとき、
預かった管理物件の「客付け」の問題が浮かび上がります。
入居率を高く維持したいと思うでしょうから、
そこに「客付け力」が必要になるのです。

選ぶ道は２つです。
自社で付けるか、他社に頼むか。
多くの方は「両方やろう」と考えるでしょう。

「２つに１つ」という選択を迫られたとき、
「両方」という判断が一番楽です。
反対に、どちらかに絞るのはコワイものです。
でも、それは両方とも中途半端になる危険性があります。

ほとんどの方が、自社で募集して、他社にも依頼する・・という道を選びます。

自社で客付けするためには、インターネットを活用します。
ポータルサイトに自社サイト。
店舗も必要ですし、兼任するとしても人員も確保します。
つまり、コストがかかります。

このコストを埋めるために、他社物件の客付けをすることになります。

ネット集客は競争が厳しいので、
月に１００、２００、３００と新規物件を登録し続ける必要があります。
写真の数も質も、ライバルに負けられません。
このエネルギーは莫大です。
いつの間にか、「管理物件の客付け」のためだったはずなのに、
地域の「ネット集客戦争」に巻き込まれています。

ＳＥＯや、ポータルサイトや、ホームページ業者さん達の
「格好の標的」となっています。

それでも、勝てる戦争ならいいのですが、
戦う相手は、仲介専業や、地元大手や、大手ＦＣですから、
最初から意気込みや資金力やシステムが違います。

地域の中での勝ち組は「ひと握り」ですから、
「管理と仲介」の二股で勝ち残るのは難しいでしょう。
結局、月に１０～２０件の反響しか取れずに、気付かないうちに「負け組」にいることになります。

このエネルギーを、
「管理を増やす」「管理の質を高める」ことに費やした方が、
「ひょっとしたら良いのかもしれない」と
一度だけ立ち止まってみてはどうでしょうか。
つまり、すそ野を広げて、山を高くするためのエネルギーです。
あなたが管理を増やすことを目指すなら、
ネット集客戦争のためのエネルギーは「不毛」だと思います。

「今日、食う飯代を稼がなければならない」と考えているうちに、
「今日の飯代を稼ぐために目的を忘れる」ことにならないように。
あなたのエネルギーは限られているので、
何かひとつに集中させた方が良いと思いませんか。

オーナー様も真剣に賃貸経営をしています。
「管理を増やしたい、仲介も稼ぎたい」という会社より、
「オーナー様のために、管理専業で頑張ります」という会社の方が頼もしいでしょう。

管理物件を増やすためには、自社の客付力（集客力と営業力）が不可欠、
という考えは正しいでしょうか？

「自社での募集はせずに、他社に１００％を依存」という方針で、
５０００戸や１万戸を管理して、
入居率９５％を維持している管理会社は少なくありません。

在り来たりの格言ですが、「二兎を追うものは一兎をも得ず」です。

追伸
もし、ネット集客戦争に突き進むなら、
集客性能の高いシステムを持ったホームページ業者さんを選び、
物件登録とブログなどを毎日欠かさずに更新して、
もちろん、掲載物件の「スピートと質と数」にこだわり、
良識のあるＳＥＯ業者さんにも依頼して、
必要ならＰＰＣ広告も使ってみることです。
最後は、反響単価と反響の質をバロメーターとしてください。
決して、お勧めする道ではありませんが・・・・。