8月10日の「オーナーに何を語りますか?」では、
オーナーに あなたの賃貸管理を説明するときは、
単に商品説明するのではなく、「付加価値」を伝えましょう、と書きました。
でも、内容は抽象的でしたね。
今回は、も少し具体的に書きたいと思います。
たとえば、
オーナーがあなたに「入居募集について説明してほしい」という主旨の発言をしたとします。
そんなに直接的に尋ねてくれないかもしれませんが、
会話の中で あなたがオーナーの真意を「そのように」くみ取ったとしましょう。
そこで、すぐに説明を始めるのは間違いなのです。
この段階ではまだ「オーナーが何を期待しているのか」分かりません。
あなたの説明は、今 管理を任せている会社の入居募集と大差ないかもしれませんし。
「入居募集については、当社が一番 聞いていただきたいことの「ひとつ」です。
喜んで説明させていただきます。ところで・・・・・」
と、自然の流れで質問に切り替えます。
「入居募集について、何かご不安がありますか?」
「うん、ちょっとこれからの空室対策について、いろいろと考えていてね」
仮に、このようにオーナーが答えてくれても、まだ説明を始めるのは早いです。
研修でオーナー訪問のロープレをやってもらうと、
「当社の管理」を早く説明したくてウズウズしている参加者が多いことに気付きます。
オーナー営業は、聞いて、聞いて、聞いて、聞いて、聞いて、
それから説明なのです。
オーナーは、現在の空室に困って質問しているかもしれませんし、
現在は満室でも、これからの空室に不安を感じているのかもしれません。
あるいは、現在の管理会社の「具体的なある事」に不満を覚えているのかもしれません。
場合によっては、特に入居募集だけに興味があるワケではないけど、
とりあえず質問の口火を切ったのかもしれないのです。
この「オーナーの本意」を知らないと、オーナーの期待する説明ができないですよね。
ご存じだと思いますが、
多くの場合、人は、「その答え」に期待をもって質問するのです。
あるオーナーが、
新築から10年くらいは何の問題もなかった、とします。
10年を超えたところから、少し空室のことを意識しましたが、
長くても3~5ヶ月で決まっていました。
15年を超えた頃から、空室期間が6ヶ月を過ぎることが多くなり、
管理会社も「当然のように」家賃の値下げを通告し出しました。
いま、築20年を迎えて、ローンもあと5年残っています。
これから空室期間がさらに長くなり、入居率も下がり、
修繕費や空室対策工事の負担が増していくとしたら、
「言いようのない」不安を感じています。
あなたが、目の前のオーナーの「心の声」を知ることができたら、
あなたの「入居募集について」の説明は、
どんな順序で、どんな事例を交えて、どんな証明を加えながら、展開されることになるでしょう。
退去を防ぐための、当社の「考えや手立て」を説明するでしょうか。
退去連絡を受けたら「3ヶ月以内に決まる募集条件」を提案することを説明するでしょうか。
当社の、築20年以上の管理物件の稼働率実績を示すでしょうか。
「値下げか、投資するか、条件を変えるか」、いくつかのシミュレーションから選んでいただく課程を説明するのでしょうか。
きっと、「心の声」を聞く前とでは、違う説明になるはずですね。
それが、最も、オーナーに説得力のある「入居募集についての説明」なのです。
「オーナーは、なかなか質問に答えてくれない」
そう思うなら、質問して聞き出す練習を繰り返す必要があります。
何もロープレなどやらなくても、プライベートのやり取りで、練習することは簡単です。
「オーナーの本意が分かったとしても、臨機応変な説明ができない」
そう思うなら、ふだんの「ボキャブラリーの準備」が足らないのです。
「その言葉」は、あなたの中には「ある」のですから、
時間があるときに表に引っ張り出して、ボキャブラリーノートに書き込む時間を作るべきです。
「当社の管理は、そんなに質が高くない」
そう思うなら、少しずつでも、質を高める方向に歩き始めてください。
いま任せている管理会社の賃貸管理と、あなたの賃貸管理が「同等の質」なら、
オーナーは、どうしてあなたの管理を選ぶことができるのでしょう。
オーナーに「だから選ぶ」という理由を与えてあげてください。
オーナーが、あなたから「管理の説明を聞く」という場面は貴重です。
めったに訪れません。
そこまで行くのに、みな苦労しているのです。
そのために僕は、
面倒な「オーナー情報誌の配布作戦」を あなたに推薦しているのですから。
貴重な時間を無駄にしないために、
あなたが与える「付加価値」で、
オーナーを説得する準備を万全にしておいてください。