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稼働率を高く維持するために

今回は、お部屋の「稼働率を高く維持する」ためのお話です。

「稼働率」とは、あまり馴染みがない言葉かもしれません。
一般的に使われる「入居率」は、現在の入居状況を表しています。
例えば10戸中9戸が入居していれば「入居率90%」のように使います。
ただし、この数字は、借主が退去したり入居したりするたびに変化しますので、経営指標としては適さない面があります。そこで、
一定期間にお部屋が「どれだけ家賃を生み出したか」という稼働状況を数値化したのが稼働率です。

高くする方法は2つだけ

この稼働率を高く保つための手段は「ふたつ」です。
ひとつめは、「借主の退去を抑える」こと。
もうひとつは、「空室(募集している)期間を短くする」ことです。
「そんなこと当たり前だ」と言われそうですが、このシンプルなテーマが、なかなか難しいのは、ご存知の通りです。

よく「満室経営」と言われますが、退去のあとに次の借主が決まるまで、どうしても期間が空いてしまうので、現実に100%の稼働率を実現するのは不可能です。
新築時に満室になってから、建物を壊すまで「退去させない」ことが出来るなら可能ですが・・・・。

では「何%」が目標となるのでしょうか?
ここに単純な計算があります。「年間の退去率が20%」「平均の空室期間が3ヶ月」なら、稼働率は95%になります。
これなら十分に合格ラインでしょう。
「年間の退去率20%」とは、一世帯の平均居住期間が5年ということになりますから、実態と近いと思います。
もちろん、単身世帯はもっと短く、ファミリー世帯はもっと長い傾向があるので「平均値」として考えています。
もし、「年間の退去率が20%」で「平均の空室期間が半年」なら、稼働率は90%になります。

稼働率95%を達成するのは簡単ではありませんが、退去率20%と空室期間3ヶ月なら「難しくないのでは」と思えてしまいます。
このギャップは「どこ」にあるのでしょうか。
もし稼働率が悪いとしたら、退去率と空室期間の、どちらに原因があるのでしょうか。

退去率を低く抑えるには

退去率を低く抑えることは、入居者に永く暮らしてもらうこと。
すると、「共用部分を綺麗に快適に保つ」という行為が、すぐに思いつきますね。
日常清掃や、定期的なメンテや、建物の入口に「花を飾る」などが効果があるでしょう。
いつも乱れている環境の住居に「いつまでも暮らしたい」とは、誰も思うはずがありません。

そして次に「永く暮らしてくれた入居者にサービスを厚くする」という行為も思い浮かびます。
家賃を下げることは避けたいので、希望する設備を追加してあげる等の他のサービスで、新規の借主に差を付けるのです。
借主が喜ぶ方策には、他にも色々とアイデアがあると思いますが、いつも「退去率」という成績表に目を配っておくことが大切です。

空室期間を短くするには

もうひとつの、空室期間を短くするのは、ズバリ、「物件力と募集条件」です。
まずお部屋が空いたときに、次の募集要綱を検討するワケですが、そのとき「3ヶ月以内に決まるかどうか」が大きな判断基準になります。
そのためにはその都度の「家賃査定」が必要ですし、(礼金や敷金などの)入居条件や、家賃の1ヶ月~2ヶ月以内に限定したリフォーム工事や、(フリーレントなどの)入居者サービスの検討など、いずれかが必要かもしれません。
または、最近取り沙汰されている「クロスが選べる」という貸し方もありますし、もちろん、原状回復工事だけで「3ヶ月以内に決まる」という判断もあるでしょう。

いずれにしても、次の募集条件を漫然と決めるのではなく、「3ヶ月以内に」という明確な指針で検討してはいかがでしょうか。
もちろん、この判断基準の中には「収入と支出のバランス」を常に優先する考えが含まれていることは重要です。

借主の平均居住期間を5年以上に保ち、契約が終了してから次の家賃発生までの期間を3ヶ月以内に留めることが出来れば、高い稼働率を実現することができます。
オーナーも満足してくれるはずです。

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