築20年を超える物件へのリニューアル企画をテーマにして
3回連続の記事をお届けししました。
優れた企画が出来上がったとして、
シミュレーションの内容も理解できたけれども、
「でも、やっぱり不安」というオーナーがいらっしゃるでしょう。
それは「お金」の問題です。
本当に提案通りの収入があるのか? という不安です。
それを払拭できるのは「賃料保証」の提案です。
リニューアル企画シリーズの最後として
「賃料保証」の検討について考えましょう。
あなたの提案に何らかの保証が付いていたら、
さらにオーナーの決断の手助けになる、という話です。
「そんなリスクなど負えない」と読むのを止める前に、
もう少し先までお付き合いください。
もし、そのまま「リニューアル企画案」と「見積書」を提出すると
オーナーから、こんな反応が返ってくるかもしれません。
「素晴らしい企画を有難う。
この工事を、私の親戚の工務店にも見積もらせてもいいかな?」
このように返されたら「いや」とは言えませんね。
提案内容に特許などありませんので…
結果的に工事は他で行われ、
あなたは募集業者の一社に入れさせてもらった、
という結末もあるかもしれません。
・・・・・・・・。
こんな事態を防いで特命で工事をもらう方法は、
「このリニューアルには賃料保証が付いています」
と言えることです。
これは、1万室以上を管理している、全国でも有名な賃貸管理業者さんの
「得意技」ですが、内容を紹介しましょう。
たとえば、一部屋で100万円のリニューアルを提案したとします。
募集賃料は5万円とします。
この場合、オーナーが元をとるのに20ヶ月が必要です。
そこで、
「当社が20ヶ月は賃料を保証します」
と提案します。
オーナーさんにしてみれば、20ヶ月の保証でリスクはゼロですから
断る理由はありません。
では、保証する管理会社のリスクはどうでしょうか。
条件は、
・90%保証
・免責期間として工事完了から2ヶ月 です。
まず特命工事なので、リフォーム利益を25%しっかりと取ります。
そうすると、保証する100万円に対して、
以下の金額がプールされていることになります。
・リフォーム利益 25万円 (100万円×0.25=25万円)
・保証の差額 10万円 (保証するのは90%なので)
・募集時の手数料 5万円 (仲介手数料か広告料)
合計で40万円がプールされているので、実際のリスクは60万円です。
つまり、免責期間の2ヶ月と
プールされた40万円を使い切る8ヶ月と
合計10ヶ月以内に部屋が決まれば「損はない」という計算です。
プールされた40万円÷保証する5万円=8ヶ月
いかがでしょうか。
10ヶ月の募集期間を与えられることを「リスク」と捉えるかどうかの判断ですね。
この「賃料保証の提案」は、
リニューアル企画を実施するか迷っているオーナーさんの背中を
強力に後押しするはずです。
さて、4回にわたって「リニューアル企画の提案」について説明をいたしました。
管理物件を増やすときに
築年数の新しい、募集と管理が楽な物件を増やしたい、
と考えるのは誰でも同じです。
でも、そこにはライバルが多くひしめいています。
オーナーも特に困っていない場合が多いでしょう。
簡単に管理は取れません。
一方で、築20年を超えた物件のオーナーは立ち往生しています。
先行きに大きな不安を抱えていることでしょう。
だからといって、募集と管理が難しくなる築年数の古い物件を
そのままの状態で預かるの避けなければなりません。
そのような物件は、あなたの多くの時間を奪うはずです。
結果的に、あなたの管理の質を下げてしまいます。
築年数の古い物件は、
リニューアルによって競争力を付けたところで
あなたの管理物件の仲間として迎え入れた方が
平均築年数も若返るし、募集と管理も楽になります。
困っている人がいる。
そのマーケットも広がっている。
放っておけば大手が持って行ってしまう。
指をくわえて見ているのは「勿体ない」と思います。
いかがでしょうか。
今年は、
管理戸数を〇〇戸増やすために
〇〇〇を実行しよう!
と決めてください。
〇〇は、出来るだけ具体的で「絞り込んだ」ものがいいですね。
私も、今年の新しい「チャレンジ目標」を掲げました。
すでに着手しています。
具体的になったら紹介させていただきます。
それでは、
今年も「プロパティマネジメント」を実践するために
「少しでも」役立つことを届けさせていただきます。
よろしくお願いいたします。