ネットでの集客について、基本的な話をしたいと思います。
プロパティマネジメントは、
オーナーの、「賃貸経営の目的達成」に貢献するのが使命ですから、
リーシング(入居募集行為)も重要な務めのひとつです。
そのリーシングの入口である「集客」については、
しっかりとした戦略を持ちましょう。
そして「集客」の二つの柱は、
疑いもなく「ネット」と「立地」です。
なので、今回のテーマは「ネットでの集客について」です。
ほとんどの会社が、
ネット集客のためにポータルサイトを利用していると思います。
ポータルサイトでライバル会社に差をつけるのは、
物件データの優劣そのものです。
この物件データの優劣は、3つの要素で決まります。
それは、「スピード」と「質」と「量」です。
一番大切なのは「スピード」
何年か前に、娘が住む賃貸マンションを探した時のことです。
いくつかのポータルサイトに条件を登録して
定期的にチェックしていました。
何日間か見ていると、表示される物件は、
ほとんどお馴染みになりました。
1ヶ月以内に探したい、という強いニーズがある場合、
ポータルサイトのチェックも、ほとんど毎日するようになります。
こまめにチェックしていると、
昨日まで表示されていない物件は、すぐに気がつく様になります。
毎日チェックしているユーザーにとって、
NEWマークなど必要ないのです。
興味を引く物件なら、
その情報提供会社に問い合わせをします(メールであれ、電話であれ)。
翌日、他の会社が同じ情報を表示させても、
興味があるので開くことはあっても、もう問い合わせはしませんね。
つまり、そのポータルサイトに最初に情報を提供した会社に、
問い合わせが集まります。
「たった1日の違いで・・・・?」と思うかもしれませんが、
熱心に探しているユーザーであればあるほど、その傾向が強いのです。
※毎日チェックしてるのですから。
なので、「物件データの優劣」をつけるのに一番大切なのは
「物件を公開するスピート」です。
一口で言えば、
「今日、得た情報は、その日のうちに登録せよ」です。
パートさんの出勤日に合わせて登録するのではありません。
情報を得た日が、登録すべき日です。
かと言って、
夜にゆっくり登録しよう、という考えもよくありません。
ポータルサイトには、「データ締め切り時間」があるかもしれません。
「その時間を過ぎたら翌日回し」、
というシステムの場合、遅れれば1日公開が延びることになります。
もし締め切り時間が19時なら、
「その日のうち」とは「午後19時まで」のことです。
配布されたアットホーム(毎速など)の図面が、
2~3日の間ほったらかし になっているなど、話になりません。
アットホームの図面が、いつも午後に届けられるなら、
「コースを変えて、当社に朝一番で届けてほしい」と、
交渉してもいいくらいです。
ネットへの物件登録は「スピートが命」と認識するならば、
自然とそうなると思います。
二番目は物件データの「質」
物件データの質とは、
・写真(動画も増えています)
・間取図
・コメント(チェックも含む)
で構成されています。
写真は、特に外観写真が重要なのは言うまでもありませんが、
ポータルサイトを眺めると、同じ物件の写真でも随分差があることに気がつきます。
※出来の悪い写真の方が多いですね。
中でも当社が一番いい外観写真を用意できるようにするべきです。
カメラの性能やテクニックが大切な要素だとは思いますが、
その点は専門ではないので工夫していただくとして・・・。
ひとつだけ、素人考えですが、
たくさんシャッターを押せば、質のよい写真が撮れる可能性が上がります。
デジカメなので遠慮することはありません。
その中から「一枚の写真」を選べばいいと思います。
外観写真は一枚に限らず、
エントランス側とパルコニー側とか、複数掲載してもいいですね。
物件によっては、バルコニーから見える風景とか。
周辺の施設(学校、公園、買物施設)の写真も。
物件の「利点」をユーザーに伝えることのできる写真を掲載しましょう。
ポータルサイトを眺めると、同じ間取りでも、
様々な間取図を目にすることができます。
中には、派手な原色を多用したり、
フォントに太文字やPOP体などを使用して、
見ていると疲れる間取図もあります。
ここは担当者の好みに任せるのではなく、
会社として、「ユーザーに見やすい間取図の標準」を決めるべきでしょう。
「こだわり条件」などに入れるチェックは、
細かな項目でも、すべて漏らさずに入れましょう。
「セールスポイント」や「備考」などのテキストも重要です。
真剣に探しているユーザーほど、隅々まで読みますので。
まずは字数の制限を守りながら、左から、
重要なキーワードを並べるようにしましょう。
左から読み始めて、途中で他の項目に目を移してしまうかもしれません。
大事なことは、なるべく左側に集めるべきです。
どのキーワードを選ぶかは、
この物件のターゲットが感じる「利点」がポイントになります。
物件の「質」の向上を考えてみると、
物件を知らないパートさんに「すべて丸投げ」では、
なかなか良い情報にはならないことが分かります。
リーシング担当と入力パートさんが、
ガッチリと力を合わる必要がありますね。
そしてこの「質」を維持しながら、
「今日、得た情報は、その日のうちに登録する」のですから、
簡単ではありません。
三番目は掲載している「量」
掲載物件の数は多いに越したことはありません。
100件、500件、1000件、・・・・・
それぞれに適正な「量」を目標にしてください。
ただし、物件掲載数の「総数」を目標にしてはいけません。
新規登録数を目標にしてください。
1ヶ月の登録数とか、
1週間の登録数とか。
それを、100件、500件、1000件、と掲げて下さい。
そこから、
成約になった物件は削除(実際は削除しませんが)していき、
結果が「総数」になっているだけです。
総数を目標にしてしまうと、
古い物件を更新して数を維持することができるので、
反響と結びつきません。
数の目標は「新規登録物件」とするべきなのです。
このように、物件データの優劣は、
「スピード」と「質」と「量」で決まります。
これらを、許されるコストの範囲で、
効率よく行えるように、社内のオペレーションを組み立てましょう。
特に意識することなく、日常業務の中で「当たり前にこなせる」ことが大切です。
正直に言いますと、「言うは易し行うは難し」ですね。
僕が現場にいたときは、ネットでの集客はありませんでした。
自分で言っておきながら、
これをルーチン化するのは、簡単なことではないと思います。
ただ、同じ地域のライバル会社がネット集客で実績を挙げているとしたら、
このような事を当たり前に、日常作業で行っているのでしょう。
負けてはいられません。