「管理物件を増やそうとするとき、犯しやすい間違い」の2つめは、
『 「管理」を商品として捉えていない 』、ということです。
貴方はご存知の通り、
オーナーから「管理」を任される、と言うことは、
貴方がオーナーに「何か」を買っていただくことです。
テレビやカメラのように目に見えるものではありませんが、
間違いなく「商品」を購入いただいているのです。
であれば、
その商品の優劣が「売れるか、売れないか」
つまり「管理をとれるか、とれないか」の結果に影響します。
オーナーが「管理を任せるかどうか」は
80%は「管理の内容(つまり商品)の質」で決まります。
残りの20%が、貴方の「売り方」です。
どんなに頑張っても「商品」に魅力がなかったら、
売るのに苦労するのは明白ですよね。
ですから、管理という「商品」に磨きをかけるべきです。
ライバルの「どの管理より」貴方の方が優れている、と
自信を持って言えるようになりましょう。
では、「優れている管理」とは何でしょうか。
それは、「入居率の高い管理」です。
あるいは「オーナーの収益を増やす管理」です。
「入居率の高い管理」を実現するためには、どうしたらよいのでしょうか。
これには2つの重要なポイントがあります。
ひとつは「空室を埋めるための企画力」です。
貴方の「管理」に価値がなければオーナーが採用しないのと同じように、
オーナーの「空室」に価値がなければ入居者は住んでくれません。
何ヶ月も、場合によって1年以上も決まらない部屋というのは、
「家賃に見合った価値がない」と考えて間違いはありません。
ですから、「価値を高める」提案が必要です。
それを「企画力」と言います。
貴方は、この企画力をもってオーナーを説得しなければなりません。
そして、ここでも多くの会社が間違いを犯しています。
それは、安易に「家賃の値下げ」をオーナーに勧めているのです。
家賃に見合うように「高める」のが正しく、
家賃に見合うように「下げさせる」のは間違いです。
それではオーナーの資産価値が下がり、
質の悪い、つまり文句が多く、賃料払いの悪い入居者が増えてしまいます。
管理している貴方も、
管理料が減って、トラブルやクレームが増えるだけです。
それでは、
実際に提案する「企画」にはどのようもものがあるでしょうか。
貴方も、業界新聞や冊子で紹介されている事例をご存じですよね。
※「企画力」の事例については、7月4日のメルマガを再読ください。
https://a.bme.jp/bm/p/bn/list.php?i=geonet11&no=5&m=131
「入居率の高い管理」を実現するための、2つめのポイントは、
「客付け力」の強化です。
「客付け力」を強化するためには、
近隣の業者からの「客付け」を最大限に活用すべきです。
・オーナーからのバックフィー(広告料)は、全て業者に渡す
・説得力のある、カラーの案内図面を作って業者に「手渡し」で配る
・担当者にお礼(商品券など)を渡す
・そして、空いたらすぐに情報をオープンするのです。
物件ごとに、「客付け」した業者のデータを蓄積しておきましょう。
情報を公開する優先順位を決めることができるからです。
「広告料は全て業者に」
「空いたらすぐに公開」
このように言うと、
「自社の仲介料が減ってしまう」
「仲介担当の仕事がなくなる」
などの反論や疑問が出てくると思います。
でも、よく考えてみてください。
そもそも管理が取れなかったら仲介は出来ないのです。
例えば、50室のうち空室が10室あるマンションの管理を依頼されたとします。
すぐに近隣の業者に、広告料も図面も渡し、
自社と同じ条件て募集依頼を行ったとしても、
自社でも10室の仲介が出来る可能性は生まれます。
でも、管理がとれなかったら、その可能性も「ゼロ」です。
自社での仲介にこだわることで入居率が「並」の水準だったら
そもそも管理は取れないのですから仲介できるチャンスは生まれません。
これでは「本末転倒」になりますよね。
だからまず管理を取ることが先決です。
繰り返しますが、そのためには「高い入居率」が不可欠なのです。
そして貴方の会社でも、
インターネットを上手く使いこなして、
企画された空室への反響を多く取って、
「営業力」に磨きをかけておけば、
自社で仲介できる可能性も高まりますね。
やはり、「自社で客付けすることをゼロ」にはできません。
大事なのは、
近隣業者の力を最大限に活用しつつ、
近隣業者と同じスタートラインに並んで、
「ヨーイドン」で客付け競争に参加することです。
何よりも一番は「入居率」です。
このようにして「入居率95%」以上の実績を残せば
それは地域で「ブランド化」していくでしょう。
その実績はオーナーの耳にも届くはずです。
以上のように、
「管理」を商品と捉えて、
「オーナーに選んでもらえる」
「近隣のライバルより一歩抜きんでた」
そういう「プロパティマネジメント」を目指してください。
次回は3つめの「犯しやすい間違い」、
一部屋だけの募集を、しかも「一般媒介」で受けてしまうこと、です。