新人向けの営業研修のときに、
『いつも「まんべんなく」成績の悪い営業マン』の話をします。
彼等のようにならないように、という反面教師として登場してもらっています。
彼等に共通する特徴を並べてみましょう。
皆さんは(皆さんのスタッフは)、こんなこと「ない」と思いますが。
「お客様カード」に、未記入が多い
僕が営業会議などに出させてもらったときに、成績の振るわないスタッフに対して、「今月のお客様カードを見せてください」と言うことがあります。
一人一人のお客様のことを尋ねて、どんな対応をしているか、適切な物件を選んでいるか、チェックするためです。
そうすると彼等の中には、お客様のこと、咄嗟(とっさ)に説明できない人が多くいます。
いつも、見込み客のことを考えていないようです。
(まだ数週間しか経っていないのに・・・・お客様が可哀想ですね)
そして、お客様カードに未記入の項目が多い、という共通項があります。
仕事の内容や、住み替えの理由や、メールアドレス などが書かれていません。
「これを聞かないで、物件を選べるかな?」と首をかしげてしまいます。
確かに物件は選べますね。希望の家賃と場所と間取を聞けば。
でも、それではお客さまに「近づけ」ませんね。
商談が始まって、速攻で物件を紹介はじめる
彼等は、カードを書いてから5分と経たないうちに、物件の紹介を始めます。
(速い人は2~3分)
理由は、物件以外の話題が見つからない、からでしょう。
「営業力強化」を目的とした研修では、最初の10~15分を、物件を一切使わないで、円滑に会話を進める、というロールプレイングをやります。
もちろん、「部屋探し」の話題を中心に、という条件付きです。
そうすると、お客様の希望を聞いて、こちらから質問を投げかける、という流れになります。
これが、「質問攻め」になったり、「何を聞けばいいか分からない」らしく、「難しい」と言われます。
新規のお客様に対しては、
最初に、「警戒感」や「不信感」を取り除いてもらいます。
そのための会話や時間が必要なはずですね。
また、お客様の情報収集も「ものすごく」重要です。
カードに書かれた内容程度では「お客様のための物件」は選べません。
そう考えると、会ってから5分で物件を紹介して案内に行けるのは、かなりの「神業」に、僕には思えます。
初回案内率が低い
「初回案内」とは、
「今日のお客様を今日のうちに案内すること」
あるいは、「案内の約束をいただくこと」 です。
不動産仲介の格言(?)に
「案内なくして成約なし」というのがあります。
これは、ネット集客が中心になっても変わりません。
20組の新規客をこなして「初回案内」が10件未満では、この仲介スタッフは決定率が50%を超えることはありません。
そんな人に限って ここ言います。
「今日案内ができなくても、追客して、再来店してもらいます」
そんなこと出来る訳がありませんね
。 目の前にいる人を案内に連れ出せない、のですから・・・・・
「初回案内率」は常に、少なくても70%以上をキープしよう。
再来店が少ない
20組の新規客に対して「再来店」が5~10件というレベルは「少なすぎ」です。(ほとんど即決させてる方は別です)
追客をサボってるか、
あるいは、追客が下手なのでしょうか。
追客の手段は電話だけでなく、メールや郵便もあります。
お客様によって「一番便利な」通信手段は異なるはずです。
何が最適で、どの方法が一番連絡がつきやすいか、お客様に聞けば教えてくれます。
それを聞き出せていないと
「連絡しても繋がらないのです」 という 言い訳 を生みだすことになります。
それと、
初回接客のときの、「警戒感・不信感を取り除く」ことと、「お客様の情報収集をしっかり行う」ことが出来てないと、追客したときのお客様の反応が悪るくなります。
中には「留守電」を入れても返事をくれなかったりするでしょう。
彼等はそれも「お客様のせい」にします。
審査落ちが多い
原因は、
お客様の「与信レベル」と、紹介している物件が合っていない事が挙げられます。
「勤務年数が…」「職業が…」というような事情があるときは、審査基準を考えて物件を選ばなければ、「審査落ち」の可能性が高まります。
ここでも、「お客様と必要な会話ができていない」ことが影響するのですね。
お客様が「言いにくい」ことを聞き出せていない、のです。
コミュニケーション能力不足・・・・・・・・・・ですね。
「決めましょう」と言わない
ご案内の最終局面で、「このお部屋に決めましょう」と言っていません。
お客様の方から自発的に申し込むのを待っています。
「私はこのお部屋がお勧めです。この部屋に申し込んでください」と言うのは、営業としての「礼儀」だと思いますね。
それを言わなかったら、「営業」が始まらないし・・・・。
不勉強
何を勉強すべきか、分からないのかもしれません。
「自分の仕事に必要な知識」を、他人から示されないと気がつかない人、多いですね。
「地域の道や各施設」「現在の空室」「賃料相場」「構造や設備」「人の心理」「コミュニケーション術」「物元業者のキーマン」
挙げたらキリがありませんが、「勉強すべきこと」は山ほどあります。
まして現在は、「とりあえず」の知識ならネットで簡単に引き出すことが出来ます。
でも彼等は、自分から能動的に「知識を得よう」とはしません。
言い訳がうまい
これ、共通してますね。
彼等は「言い訳」がとても上手いです。
この高等技術を「仕事に活かせばいいのに・・」と思います。
言い訳は、実は「自分に向かって」しているのですが・・・・。
ざっと以上ですが、
今回のメルマガは、皆さんには参考にならなかったかもしれません。
皆さんの現場に「彼等」はいないでしょうから。
ただ、この春の新人には、このレベルは早く抜け出してもらいたいですね。
賃貸管理の課題の中で「空室問題」は重要です。
そのためには「強いリーシング軍団」が必要ですから。