賃貸物件を探す人のほとんどが、
インターネットを利用することで思うことがあります。
事実として、
1.ひとつの会社がいくら物件情報を集めても、
お客様がネットから得られる情報の量には、
とうてい勝てない、ということ。
情報量ではお客様の方が勝っているのです。
物件情報を見る真剣度も、お客様の方が上です。
(だって自分のことだし、狭い条件の範囲ですから)
つぎの事実として、
2.お客様の多くは(あるいは、一定のグループは)、
賃貸のお店やリーシング担当に、
「現場で鍵を開けてくれる」こと以外は求めていないこと。
極端でひどい言い方ですが事実だと思います。
だから、その考えを「裏切る」ことが重要なのだと思います。
最後に、
3.お客様は出来るだけ、
物件を特定してから不動産会社に行きたい、
最後まで、リーシング担当には会いたくない、と思っていること。
事実、僕が娘の賃貸マンションを探した時は、
そのように行動しました(笑)
この考えに賛同するかしないかは別として、
そのようなお客様に対応できていないリーシング担当が
多くないでしょうか?
お客様は、
我々が揃えたよりも多くの「情報」を持っているのですから、
ただ「図面を見せて現場に連れていく」だけでは「営業ではない」、
のではないでしょうか。
それは「案内係」か「鍵開け係」です。
お客様が望んでいる、
「現場で鍵を開けてくれる」ことを実行しているだけです。
お客様が、
最後の最後になって不動産会社に行きたい、と思っているのは、
「物件情報以外に得られるメリットは、
不動産会社やスタッフにはない」と思っているからではないでしょうか。
だったら、私たちは、そのお客様の考えを「裏切る」必要があります。
お客様がネットでは得られないメリットが、
私たちの店や私たち自身に、ゼッタイにあるはずです。
まず「地域や近隣の情報」です。
私たちはお客様が、この街で暮らすときに必要とする、
「商業施設」や「病院」や「学校」や「公園」などの詳細を知っています。
だから、その情報を伝えるべきです。
ただし、「場所を知ってる」程度ではダメです。
スーパーなら、
生鮮食品の、特に魚肉系が安く豊富で主婦に人気がある、とか
夜10時を過ぎたときの「半額セール」がお得ですよ、などの
レアな情報です。
とにかく、地域の情報が「売り」なら、
その情報を一所懸命に集めるべきです。
この街に住むのが一番ですが、既存のお客様に聞くこともできます。
皆さんは、皆さんが紹介している地域名の由来を知っていますか?
その坂や、その橋の名前がついた理由を語れますか?
このエリアで起きた、割と有名な出来ごとを知っていますか?
それが歴史的な事実であれ、伝説であれ。
「地域の情報」というのは奥が深いですよね。
これらの話は、
「ここで暮らそうかな」と考えている人にとっては興味深いと思います。
私たちがそれを語り出すと、
「このスタッフは良く知っているな」「話が面白いな」と思ってくれます。
それは、信頼感の芽生えです。
物件や設備のことも、私たちはお客様より多く知っています。
お客様はネットを見て「知った気」になっているのです。
実際にここで上手に暮らしている方の事例や、
逆に失敗しているエピソードなど、
リアルなストーリーを聞かせると、
お客様は「自分が知らなかった」ことに気づきます。
このように、お客様の知らないことを、
私たちは知っているはずなのですね。
知っているのなら、上手に効果的に伝えてください。
「知らない」なら、今までサボっていたことになるので、
これから心を入れ替えて、「お客様の知らない、
お客様の役に立つこと」を知るように努力してください。
それが「営業を担当する者」の価値なのです。
お客様がネットから得た情報は、
平面的で無味乾燥なものなのですね。
だから、私たちが立体的にして差し上げて、
匂いや味を感じるものにして差し上げましょう。
うまく行けば、頼りにしてくれるようになります。
それ以外にも、
お客様がネットでは得られない発見があるはずです。
皆さんの人間性も そのひとつですね。
もっと前面にアピールしてみてください。
人は、「完璧な人」や「完璧を装っている人」に親近感を抱くより、
欠点や失敗談をさらけ出すと、安心感と親しみが湧きます。
打ち明け話ですが・・・・・
文章だけのブログでは、
発信元の「人間性」を感じさせることは大切なのです。
ですから僕も、
これでも、一応は、そのように努力しているのです。
娘の話とか、最近見た映画の話とか、
笑えないジョークなどを、たまに織り交ぜてます。
ぜひ、社内において、
「お客様がネットでは得られないメリットに何があるか」
話し合ってみてください。
そうすればお客様に、
「物件情報以外に得られるメリットは、
不動産会社にはない」などとは言わせません。