前回は、賃貸管理研修の「初日の振り返り」でした。
ひとつめの、
【今後は「オーナーの収益を増やせる」賃貸管理を目指す】
について書きました。
テーマは、あと3つあります。
【管理メニューを見直す】
管理メニューとは、あなたがオーナーに示す「賃貸管理の内容と料金」です。
ただ、内容と料金を示すだけでなく、
「どんなことに役立つか」
「困っていることを解決できるか」
というオーナーの想いに対する「答」でもあります。
どんな商売でも、最初に「メニュー作り」を真剣に行うはずですよね。
管理メニューを見直すメリットは、「自社の管理内容を見直す」ことにつながります。
ぜひ、定期的に「見直し作業」をしてみてください。
そこで「管理メニュー作り」の際に提案があります。
それは、「タイトルをつける」 のです。
まず、管理メニュー全体のタイトルを考えてみてください。
たとえば、ありきたりですが、
「オーナーの収益増に貢献する管理」
「オーナーの資産価値を高める管理」
そのものズバリですね・・・・・・。
「入居率95%以上を維持する管理」
というのもあります。
つぎに、それぞれのメニューに「サブタイトル」をつけてください。
・入居者募集業務 というメニューなら
「地域ナンバーワンの集客力による・・・」
「近隣の不動産業者のネットワークによる・・・」 など
・家賃集金と支払い業務 というメニューなら
「ヒューマングレードを維持する入居審査・・・」
「未回収損失ゼロを目指す・・・」 など
・解約受付と退去立会い業務 というメニューなら
「原状回復費用のコスト負担を減らす・・・」
「長期の空室を防止するリフォーム提案・・・」 など
・トラブルやクレーム処理業務 というメニューなら
「テナント・リテンションを第一に考えた・・・」
「オーナーも入居者も安心の24時間対応・・・」 など
・建物と設備のメンテナンス業務 というメニューなら
「建物を30年以上の長期にわたって維持するために・・・」
「もっとも負担の多いメンテナンス費用を効率的に抑える・・・」
などなど
それぞれのタイトルを考える利点は、
それが「オーナーに役立てる内容」を凝縮させたフレーズだから、です。
もし、タイトルを冠するのに値しないと思ったら
「値させること」が、これからの目標になるでしょう。
だから、先にタイトルを付けてしまえばいいのです。
3つめのテーマは、
【空室対策能力を伸ばす】
具体的にいうと、
95%以上の入居率を維持する、という
いまや、賃貸管理で最も必要とされる“スキルと実績”です。
この空室対策の方法については、このメルマガで何回か取り上げていますね。
そのための動画も見ていただいたと思います。
具体的なことは、そちらに譲りますが・・・・
95%の入居率を維持するには「7つの施策」が必要です。
・集客力
・スタッフの営業力
・客付会社とのネットワーク
・入居者に長く住んでもらう施策
・市場の分析力
・提案力
・オーナーへの説得力
守備範囲は広いです。
ひとつやふたつの施策では解決しません。
新聞や講演で紹介されるノウハウの「真似事」だけでも解決しませんね。
そのためには、
スタッフ全員が「入居率を高く維持する」ことを意識し続けられる体制が不可欠です。
これさえ「身につけば」、管理を増やすことは難しくないはずです。
管理研修の初日の4つのテーマの最後は、
【入居審査と督促ノウハウを持ち、保証会社を選ぶ】
保証会社については最近、
「保証会社は「どこも同じ」ではない」というメルマガを書いたばかりです。
去年の3月21日にも、
「連帯保証会社の功罪」というタイトルで発信しました。
同じ話は避けましょう。
とにかく、
保証会社を頼ってもいいけど、“頼りすぎ”てはいけません。
歩くのに杖(つえ)を使っていると、杖なしで歩くのが不安になってしまいます。
足も萎えて、そのうち歩けなくなります。
何より、「入居審査をすべて保証会社に頼る」のは危険です。
保証会社が倒産したら全責任を取る、という覚悟ならいいですが・・・
でも、その覚悟が本当にあるなら「すべて保証会社に頼る」ことにはならないはずですよね。
すべて他人(ひと)に頼っておいて、「万一の時は責任を取る覚悟」というのはウソでしょう。
保証会社のビジネスモデルは「典型的な自転車操業」だと思います。
1年分の売上を先取りして、それを今月の経費に充てているのですから。
売上が減りだしたら、途端に資金繰りが苦しくなると思います。
そして、会社の収支が悪化すれば
料金を上げるか(リクルートみたいに)、
無理な督促をするか、
不良入居者でも保証を受ける、
という末期的な行動に走るしかありません。
あなたの保証会社が「そのような素振り」を見せたら要注意ですよ。
賃貸管理の使命は「オーナーの収益を増やすこと」です。
(耳たこ だと思いますが)
そのための4つの重点課題は
1.家賃を上げて
2.入居率を高く維持して
3.未回収の損失を防いで
4.経費と借入金利を下げること です。
その手段として、
「入居審査と督促ノウハウと保証会社選び」を考えるべきなのです。
2番の「入居率を高く」するために、審査基準の緩(ゆる)い保証会社が頼もしく感じられるでしょう。
万一の滞納のときも保証会社が払ってくれるのだから安心です。
しかし、それによって不良客が入居して、
物件の「ヒューマングレード」が下がり、
優良な入居者が退去していく、という側面を見逃してはなりません。
結果として入居率は下がってしまうのです。
もうひとつ、
滞納によって「立て替え払い」が増えれば保証会社は疲弊して、
倒産という最悪の事態を招くリスクも増えるのです。
「奴らが保証するのだから大丈夫だ」と油断していると、
火の粉は「あなた」にもかかってくるのです。
だからといって「疑わしきは断る」でも困ります。
それでは「入居率を高く」はできません。
ここに、
・入居審査ノウハウと
・督促ノウハウと
・パートナーとしての保証会社選び
の重要性があるのです。
以上、
4月の半ばに東京で行った「賃貸管理研修」の初日の内容を振り返ってみました。
二日目は、管理の実務的な話と「鍵交換の実技」などを行いました。
(督促のための鍵交換ではありません。念のために)