1. ホーム
  2. 管理を増やす賃貸管理とは >
  3. 建てるべき?建てないべき?

建てるべき?建てないべき?

久々に、プロパティマネジメントらしい話をしましょう。
あなたのオーナーさんから、
「新規の建築案件の是非」を相談されたらどうしますか?

あなたの商売っ気は抜きで、
本当に「やるべきか、やめるべきか」のアドバイスを求められたら・・・

今までの賃貸管理だけの知識では、答えるのに難しいですね。
「経験と勘」の話ならできるでしょうけど。

プロパティマネジメントなら、その「物差し」を持っています。
そして、オーナーさんが「それ」に気が付くと、
大切な財産を任せるのに、
今までの不動産会社では「物足りない」と思うはずなのです。

実際の例で説明しましょう。
3月半ばに、CPM資格者向けのフォローアップセミナーがありました。

————————————————————————
CPMとは、サーティファイド プロパティ マネージャーの略称ですが、
要するに、アメリカでプロパティマネジメントをする人たちの資格です。
国家資格ではありませんが、大変に権威と信用のある資格です。
アメリカでは1万人くらいが保有しています。
日本のCPM資格保有者は200人前後しかいません。
僕もその一人です(ここは自慢してます)。
————————————————————————

その、フォローアップセミナーで披露された実例を紹介します。
講師は、猪俣 淳(株式会社シー・エフ・ネッツ)氏。
僕がCPMの勉強したときの先生のお一人です。

ある地方の方が、大手の賃貸専門のハウスメーカーに建築を勧められたのですが、
「大丈夫でしょうか?」と相談されました。
「30年の一括借り上げ」や、俳優の「津〇雅〇さん」がキャラクターをしている会社からの提案です。

内容ですが、
まず土地は、200坪を800万円で購入します。
坪4万円の土地ということになります。
土地の相場は全国で「いろいろ」ですから一概に判断できませんが、
「アパートはどうかな?」と思ってしまうような場所を想像してしまいますね。

この土地に、1LDKが8戸のアパートを建てるという企画です。
一部屋42m2なので、まあまあの広さですね。

建築費は、本体と設備で6800万円にプラス、諸経費400万円で、
合計は7200万円かかる計画です。

賃料の査定は、一部屋5万5千円なので、月に44万円、年間で528万円になります。
その85%で「一括借り上げ」するところが、この提案の急所です。

キャッチフレーズに「30年・・・」と書いてあるので、
それと結び付けて「30年間、この査定賃料の85%で借り上げてくれる」と誤解する地主さんは多いです。
まさか、あなたも「そう思ってた」なんてことは無いですよね。
実際には、2~3年ごとに「借り上げ賃料」は見直されるはずです。

最近、「堀〇真〇さん」がキャラクターをしているハウスメーカーも同じ手口ですよね。
これって「公取」に引っかからないのかな?
さて、ここまでで、この企画は「採算に合うかどうか」を、どのように判断しますか?
「坪4万円の土地ではダメだよ」というのは「置いといて」ください。
僕たちには、このエリアの土地勘はないので判断できません。
査定の通り、新築なら、一部屋5万5千円で貸せる、という前提で、あなたなら、どのように判断しますか?
その判断を、どのような「合理的な」理由をつけて説明しますか?

「こんなこと、賃貸管理するのに関係ない」とは、
「できれば」思わないでください。
確かに「ただの賃貸管理」を続けていくなら不要かもしれません。
でも、あなたの管理オーナーは「不動産投資」をしています。
これからも、新たな投資を考えるかもしれませんし、
チャンスがあれば、あなたから投資の提案をして差し上げることが、
オーナーに「役立てる」ことなのかもしれません。
さて、この提案に、賛成しますか、反対しますか。
もし反対するなら、納得のいく説明が出来ますか?
まずは、一番簡単な方法ですが、「表面利回り」を見てみましょう。
オーナーの収入は、528万円の85%なので、約449万円です。
528万円×85%=448.8万円

投資額は、土地と建物建築費で8000万円ですね。
土地800万円+建物・設備6800万円+諸経費400万円=8000万円

すると、表面利回りは、5.6%になります。
賃料収入448.8万円÷投資総額8000万円=5.61%

東京六本木なら、この利回りでもいいですが・・・・・

でも、「6%近くなら、銀行に預けておくより良いだろ」と言われたらどうしますか?
このオーナーさんが8000万円の現金を持っていたとして、
銀行に預けておいても、わずかな利息しか付きませんね。
6%近くなんて、とても無理です。

このハウスメーカーの、「もう一つの売り文句」が提携ローンです。
建築費用6800万円全額を、年利1.65%30年返済の条件で貸してもらえます。
つまり、1.65%でお金を借りて、
そのお金が建物に変わって、5.6%を稼ぐのです。
差引き約4%も儲かるじゃないですか!
5.61%-1.65%=3.96%

6800万円の4%は272万円です。
他人のお金を運用して、年に272万円も稼げるなんて、「こんな美味しい話はない」と言って、あなたのオーナーは興奮して話すかもしれません。
「これこそ“レバレッジ”だ」とかなんとか言って・・・・

さてさて、これは正しい計算ですか?
もし正しくないとして、それを「合理的」に説明できますか?
興奮しているオーナーを納得させることが出来ますか?

1日間、考えてみてください。

答えは、明日です・・・・

 

 

管理と仲介手数料が増える!無料メルマガ 賃貸管理戸数を増やし、仲介売り上げを増やすために役立つメールマガジンを無料で公開しています。 →さらに詳しく知りたい方はこちらをクリック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です