管理を増やすときの出発点は「管理メニュー」です。
それは従来の、「オーナーの面倒な作業を代行するもの」ではなく、
「オーナーの収益を増やすもの」であった方がいいと、
何度もメルマガで書いています。
それが、「オーナーが求めている管理」ですから・・・・。
これを一言でいうと、
このメルマガのテーマでもある、「プロパティマネジメント」ということになります。
「プロパティマネジメントとはどんなものか?」と思うなら、
最近出版された、この本を読まれると良いと思います。
「賃貸経営マイスター」 藤澤雅義 (著)
700ページの大作ですが、
プロパティマネジメントについて「広く浅く」書いてあります。
ちなみに著者の藤澤さんは、
僕がCPM(米国賃貸経営管理士)を取得した時のセミナーのファカルティー(先生)です。
僕は、事務所で本は読めない性質(たち)なので、外に出たときに電車の中で読みました。
3回の外出で読み切りました(結構、本を読むときは集中します)。
でも本当にプロパティマネジメントを学びたければ、
CPMの資格を取得することです。
これを学ぶ間には、教えられること以外でも多くを学べますし、
全国でプロパティマネジメントを目指す人たちと「学友」になれます。
この財産は大きいと思いますけど・・・・
今年は、東京は6月13日から、
福岡では6月7日から公式セミナーが始まります。
詳しいスケジュールは下記で見ることができます。
http://irem-japan.org/user/schedule2012.html
一般の向けの2~3時間のセミナーもあります。
興味があったら、僕にお問合せください。
さて、
どうしたら、オーナーの収益を増やすことに貢献できるのでしょうか・・・・
その答えは、簡単ではありませんね。
では難しいか、というと、そうでもないと思います。
たとえば、満室に近い状態を維持すること。
つまり高い入居率ですね。
ただし、 高い入居率=収益が増える ということではありません。
このメルマガを読んでいただいているなら解るはずです。
「ただ家賃を下げる」という手段で部屋を決めていたら、
収益は逆に下がる場合もあります。
「目の前の空室を消す」ことが、あなたの役目ではありません。
そもそもの話ですが、
「収益を増やすことに貢献する」ためには、
賃貸経営のオーナーの収益の実態を知らなければなりません。
そして、ほとんどの賃貸管理会社は、
管理を任せていただいているオーナーの「収益の実態」を知りません。
知っているのは、毎月届けている「賃料収入」だけです。
それでは「収益を増やす」ことはできませんよね。
そもそも「収益を増やそう」という「心もち」になれるはずがありません。
オーナーの収益を知ることは難しくありませんよ。
賃貸経営にかかっている「運営費」を知ることだけです。
収入-費用=収益 という単純な計算式を習ったことがあるでしょう。
収入とは賃料収入のことですから、あなたは知っていますね。
そこから賃貸経営にかかる費用(運営費)を引けばよいのです。
賃料収入-運営費=賃貸経営の収益
あなたが増やすのは、この計算式による「収益」です。
この運営費は、
理由を話してオーナーに聞けば教えてくれるはずです。
では、どうしたら収益は増えるのでしょうか、
答えはシンプルです。
「収入を増やすか、費用を抑えるか」の2つだけです。
では、収入を増やすには どうすればいい?
この答えも、特に複雑ではありませんね。
賃料収入を増やすために、あなたは何をすべきか・・・・・・
それは、以下の6つです。
1.募集賃料を上げること。
そのためには「物件の価値」を高くするような提案をオーナーに承認させます。
2.入居者の退去を食い止めること。
そのためには「テナントリテンション」を実施することでしたね。
3.空室期間(募集に要する期間)を短くすること。
これには、「見せ方と貸し方の工夫」が大事と説明しましたね。
4.入居時の「賃料の値引きを防ぐ」こと。
部屋を決めるために「値引き」がやむを得ないことはあります。
でも値引きは、入居期間中にずっと影響する「収入減の要因」です。
「値引きに頼るリーシング」は避けなければなりません。
5.フリーレント等のサービスもなるべく防ぐこと。
これも、部屋を決めるためにやむを得ない措置という側面があります。
空室対策としては、積極的に取り入れるべき、という考えもありますね。
6.賃料滞納による未回収損失を防ぐこと。
そのために、良い保証会社(保証会社はどこも同じではありません)との連携、あなたの入居審査基準、そして初期督促と法的手続きのノウハウが役に立ちます。
賃料収入を増やすのは、以上の6つです。
この6つについての詳細も、すでにメルマガで書いたと思いますが、
またそのうちに、取り上げていきたいと思います。
これらを「合わせ技」で、
実際にオーナーの手に入る賃料(実効賃料という)収入を増やすのです。
あなたの管理メニューが、
この「6項目を実現していく」具体的な施策で埋め尽くされれば満点です。
つぎに、費用を抑えるために、あなたは何をすべきか・・・・・・
賃貸経営にかかる費用で最大のものは「メンテナンス」によるものです。
これを「ケチる」のではなく「効率よく、ローコスト」で行う必要があります。
そのために、
中期の修繕計画を立てて、定期的に巡回点検をして、
毎月のレポートをオーナーに読んでもらい、
「予防的なメンテナンス」を早めに実施するのです。
これにより「緊急事態によるメンテナンス」を防ぎます。
「緊急メンテナンス」が増えると、費用が余分にかかるだけでなく、
入居者の退去を促進させてしまうのです。
退室時の原状回復費用も、賃貸借契約書を工夫して、借主に負担していただく分を、できるだけ増やします。
もちろん、ご時世ですから昔のように負担させることは難しいですが、
事前の説明と契約書類がしっかりしていれば、ある程度は負担を納得いただけます。
各工事の単価も、
リフォーム業者と協力して(競争させることも必要ですが)、
業界の最低水準で発注できるようにすべきです。
このとき、オーナーの運営費を「できるだけ下げる」いうスタンスだと、
リフォーム業者からバックマージンを取るかどうか、悩むはずです。
あなたがバックマージンを取れば、オーナーの運営費が高くなります。
利益の相反ですね。
その他、
共用部分の電気代(LED電球の使用など)、
日常清掃のコスト(週一回以上の数を減らしてはいけない)、
設備の法定点検費用(安全性を犠牲にしてはいけない)、
保険料や事務経費や税金までも、
「コスト削減」の提案を行うのです。
ただし、あなたの「管理フィー」だけは減らしてはなりません(笑)。
最後に、
この収益から「ローン返済額」を引くと「キャッシュフロー」が算出されます。
賃料収入-運営費-負債支払額=キャッシュフロー
この数値も賃貸経営にとって重要なのですが、
オーナーは気が付いていないことも多いです。
ローンの金利を下げることができれば、キャッシュフローを増やすことができます。
どうでしょうか。
ここまで提案する賃貸管理会社は、あたなのエリアには多くないはずです。
あなたが、
「多くある賃貸管理会社の中のひとつ」という存在から、
「他の賃貸管理会社にはできない提案と実践力を持っている」という存在に変われたら、
管理を増やすことは難しくない、と思いませんか。
だから、
プロパティマネジメントを目指すべき、なのです。